日本企業の「稼ぐ力」を創出するために
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日本企業のもうかるパターンを徹底的に研究すべし!
日本企業の「稼ぐ力」を創出するために(1)「儲かるパターン」の研究
伊藤元重(東京大学名誉教授)
日本企業の「稼ぐ力」の弱さが問題になっている。なぜ、稼ぐ力が弱いのか。一体どうしたら、日本企業は稼ぐ力を上げられるのか。“日本の「稼ぐ力」創出研究会”の座長でもある伊藤元重氏が、その問題点と改善策について議論する。
時間:13分35秒
収録日:2014年6月16日
追加日:2014年7月17日
≪全文≫

●日本企業の「稼ぐ力」の弱さが問題だ


 経済産業省の中に“日本の「稼ぐ力」創出研究会”というものができまして、縁あって座長を務めています。最近は、この研究会だけでなく、政府のさまざまな文書やマスコミの議論にも「稼ぐ力」という言葉が普通名詞のように出てくるようになりました。この稼ぐ力が、これからの日本の産業や経済のあり方を考えるとき、重要な鍵になりつつあります。

 稼ぐ力の話をする前に、アベノミクスの現在のステージについて一言申し上げたいと思います。2012年の暮れに第二次安倍内閣が発足して、最初の1年間は金融と財政のマクロ経済政策によって経済を活性化させてきました。それは一応成功したと思われますが、今後持続的に経済を回復させるには、やはり民間主導の経済拡大が必要です。需要サイドでは消費、投資、場合によっては輸出が順調に拡大していくこと、供給サイドでは、需要の順調な拡大に対応できるよう、供給能力を高めていくことが欠かせません。

 そこで注目が集まっているのが、経済の好循環を持続する上で、現在の日本の企業セクターが本当に好ましい形なのかどうかということです。これまでは政策がどうあるべきかに議論が集中していましたが、「敵は本能寺にあり」と言いますか、今では多くの人がポイントは民間企業にあると気付き始めています。一言で言って、日本の企業は稼ぐ力が非常に弱い。このような状態を放置したままでは、日本経済が持続的に拡大していくのは難しいのではないか。この点を根本的に修正する必要があるのではないか。そのような疑問を多くの人が持ち始めています。

●資本の効率性と労働生産性をどう高めるかが鍵


 日本企業の稼ぐ力が弱いと多くの人が指摘する背景には、いくつかの象徴的なデータがあります。例えば、ROE(株主資本利益率)やPER(株価収益率)を見ると、日本企業はアメリカや欧州の同業企業と比べて低いことが多い。ROEが低いということは、経済学の別の言葉では、資本に対するリターンが低いということ、資本の収益性が低い状態にあるということです。さらに中小企業に至っては、赤字が続いている状況の企業が非常にたくさんあります。これはやはりどこかに大きな問題があるのだと思います。

 それからもう一つよく言われるのが、労働生産性の低さです。もちろんこれは産業・企業によってずいぶん状況が異なり...

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