経済社会と「隠れた価値」の行方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「隠れた価値」 を顕在化させるためにはどうすればいいか
経済社会と「隠れた価値」の行方(4)「隠れた価値」の顕在化
これまで潜在的にあった「hidden value(隠れた価値)」を、現在の経済社会の中で顕在化させるのはどうすればいいか。「新しい貨幣」と呼ばれるものをつくることも一つのアイデアとして考えられるが、そこは鍵となるのはテクノロジーの活用ではないか。(全5話中第4話)
時間:7分43秒
収録日:2020年3月2日
追加日:2020年5月22日
≪全文≫

●「隠された価値」を市場経済の中に顕在化させるというアプローチ


吉川 ではもう一度、具体的な例に戻ったほうが良いかもしれません。町に素晴らしい本屋があったが、残念ながら閉店に追い込まれた、という例です。残念だと思う人たちは多かったし、新聞にもずいぶん取り上げられました。「それは残念だったね。あのような町の素晴らしい本屋さんが、もうちょっとサバイブ(長く営業)できたらよかったのにね」、と。

 ではそういった本屋をサバイブさせるために何ができたのか。あるいは何ができるのか。それを考えるとき、ある種のクラブで「貨幣」と呼ばれるものを普通のお金とは別につくることが解決策になるのかという点に関しては、先ほどからいっている通り、回答を留保します。

 しかし、その町の小さな本屋が持つ潜在的な「hidden value(隠れた価値)」は、必ずしも表に出てきていません。つぶれたときに、多くの人が集まってきて「残念だった」と口にするわけです。小宮山先生が指摘したように、ある種の新しいテクノロジーで貨幣と呼ばれるものを新たにつくり出すということではなく、その草の根に存在しているhidden valueを顕在化することができれば、もしかしたら表のマーケットで町の本屋はサバイブできたかもしれません。私流に翻訳させてもらうと、そのようになるかと思います。

 つまり、無理に貨幣というものに結びつけなくも良いのではないかということです。hidden valueの重要性は、よく分かります。つぶれた町の本屋が持っていた、ある種のバリューは、hiddenだったのです。表の世界でプレミアでも取って売っていれば、店はサバイブしたかもしれません。しかし、本屋でプレミアを取るのは難しい。本を普通の値段よりも高い値段で売るわけにもいきません。ですから、そういうこととは異なる形で、hidden valueに対して何かできれば良いのですが。

 もう少し話を続けさせてもらうと、最近私が気づいているのは、例えば小さな町の本屋のような場所に、その店主の顔を見に行くことによって発生するコミュニケーションについてです。このコミュニケーションによるユーティリティー(効用)を顕在化したものとして、小宮山先生もご存じだと思いますが、カフェと一体化した本屋という形態があります。

小宮山 TSUTAYAなどもそうですね。

吉川 そうです。そうした形態が出てきているのです。...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎
日本を復活させる国家戦略(1)戦後の復興戦略と日本経済の凋落
「所得倍増」はなぜ成功したか…日本経済の回復のヒント
島田晴雄
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(1)老年病科と高齢者の疾患・病態の特徴
頻尿、低栄養、転倒、誤嚥、フレイル…増える老年症候群と高齢者の疾患・病態の特徴
小川純人
「満洲」から考える日本とアジア(7)シベリア出兵と張作霖爆殺事件
軍閥割拠の中国は魑魅魍魎の世界…列強やコミンテルンの思惑も絡む中で翻弄される日本と張作霖爆殺事件の謎
宮脇淳子
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
編集部ラジオ2026(34)『オデュッセイア』の秘密と愉しみ
【10min解説】大ヒット映画『オデュッセイア』がもっと楽しくなる神話講義
テンミニッツ・アカデミー編集部
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(2)教義の宗教と覚りの宗教
キリスト教は教義の宗教、仏教は覚りの宗教…仏教はなぜ普遍宗教か
橋爪大三郎
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(2)秀吉の実像と「太閤神話」
秀吉・秀長の出自は本当は…実像は従来のイメージと大違い
黒田基樹
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
垂秀夫
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
「禅とは何か」藤田一照師が禅と仏教の心を説く…自発性を重んじる
藤田一照
モンゴル帝国の世界史(1)日本の世界史教育の大問題
なぜ日本の「世界史」はいびつなのか…東洋史と西洋史の違い
宮脇淳子
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸