激変しつつある世界―その地政学的分析
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ヨーロッパで深刻化する極右台頭の原因
激変しつつある世界―その地政学的分析(5)極右と左派
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
歴史学者で京都大学名誉教授の中西輝政氏が、ヨーロッパで深刻化する極右の台頭について解説する。極右台頭の一方で、2016年アメリカ大統領選を戦ったサンダース氏のようなソーシャリストに近い左派も勢いを増しつつある。極右危機の原因は、リーマンショック以後、グローバル化に対する人々の不満を、既存勢力が真剣に取り上げてこなかったことにある。(全10話中第5話)
時間:11分20秒
収録日:2017年5月16日
追加日:2017年12月28日
カテゴリー:
≪全文≫

●大統領選挙の本当の勝者は、バーニー・サンダース氏だ


 ヨーロッパでは、極右の進出がこの数年来、問題になっています。ところで、2016年のアメリカの大統領選挙の本当の勝者は、ドナルド・トランプ大統領なのでしょうか。FBI長官をいきなり解任するなど問題が続いていますが、もしかするとトランプ大統領が弾劾されて、職を投げ出さざるを得なくなる可能性もあります。結局、大統領選挙の本当の勝者は、もしかしたら民主党でヒラリー・クリントン氏と指名争いを行った、バーニー・サンダース氏なのではないかと、私は思っています。

 もちろん得票数では負けましたが、サンダース氏の発したメッセージは、若い人を中心に、あれほどまでに多くの人を熱狂させました。クリントン氏がなぜ本選で負けたかといえば、民主党内の予備選で、あの体たらくだったからです。「社会主義」などと言い出した、あの高齢のサンダース氏に押されまくったのです。なんと情けない本命候補かと思いました。クリントン氏の敗北は、予備選ですでに決まっていたのです。サンダース氏の勢いこそが、何か大きなものを示していたということです。


●既存の勢力がつくり出した極右危機


 2017年春のフランスの大統領選挙でマリー・ルペン氏が2位に着けて、極右の台頭に危機感が高まっています。2016年暮れのイタリアの選挙もそうですし、オランダ、オーストリアでも同様です。極右が第一党になるか、大統領になるかといった危機感があります。どこの国も、何とかそれを紙一重で防いでいるのです。だから、エマニュエル・マクロン氏がフランスの大統領選に勝利し、マクロン政権が発足したといっても、EUの従来の既存勢力が勢いを盛り返したわけでは決してありません。恐らく次の大統領選挙では、またルペン氏が、より力を得てカムバックする可能性があります。早速フランスだけでなく世界中のマスコミが、そのように報じています。

 これは、ある意味で時代が変わったのに、それに気付けず手当てをしようとしない、既存の勢力がつくり出した極右危機です。見せかけの危機です。リーマンショック以後、各国ともに、格差や緊縮財政など、社会保障問題が政治の一番の焦点になりました。恐らく2008年のリーマンショックを境に、経済のパラダイムがマーガレット・サッチャー元イギリス首相の時代から一回転したのでしょう。新自由主義的な潮流、あるい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
地政学入門 歴史と理論編(1)地政学とは何か
地政学をわかりやすく解説…地政学の「3つの柱」とは?
小原雅博
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(1)お金の機能とその要件
お金の「3大機能」とは何か? そしてお金のルーツとは?
養田功一郎
イラン戦争とトランプ大統領の戦争指導(1)米軍式戦略リーダーシップによる評価
イラン戦争…トランプ大統領の戦争指導のどこが問題なのか?
東秀敏
地政学入門 ヨーロッパ編(1)地図で読むヨーロッパ
ヨーロッパとは?地図で読み解く地政学と国際政治の関係
小原雅博

人気の講義ランキングTOP10
「重要思考」で考え、伝え、聴き、議論する(1)「重要思考」のエッセンス
重要思考とは?「一瞬で大切なことを伝える技術」を学ぶ
三谷宏治
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(3)国司と郡司のつきあい
郡司の妻たちと宴会!?……国司・大原真人今城へのはなむけの歌に示す媚態表現の真相
上野誠
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(2)タタールのくびきと「第三のローマ」
なぜロシアが「第三のローマ」なのか?…東ローマ帝国とモンゴル帝国の根深い影響を探る
上月豊久
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
資本主義の再定義…哲学で考える(1)アダム・スミスの「市場と感情」
資本主義を哲学する…まずアダム・スミスの見えざる手と道徳感情論
中島隆博
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
編集部ラジオ2026(37)長谷川眞理子先生の公開収録!
【アンケート&公開収録】長谷川眞理子先生:男と女でどう違う?能力の高め方
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治