グローバリズムの“終わりの始まり”
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1979年に何が起こったのか――歴史的曲がり角の年を俯瞰する
グローバリズムの“終わりの始まり”(2)振り子のような「歴史の流れ」を読む
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
これまでのグローバリゼーションが終わり、新時代を迎えようとしている。この未経験の事態を迎える際に大切なのは、「歴史に学ぶ」ことである。では、どのような視点で歴史を読み解けばいいのだろうか。冷戦後のグローバリゼーションが一体何に支えられてきたのかを振り返りながら読み解く。(全4話中2話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:13分51秒
収録日:2022年5月30日
追加日:2022年7月22日
カテゴリー:
≪全文≫

●経験したことのない時代を考えるために


―― 今、非常に大きな見立てをお話しいただいたわけですが、南北戦争の後は、アメリカにイギリスの資本がたくさん入ってアメリカが発展していったというお話でした。冷戦後は、中国や旧東欧諸国に旧西側の資本が次々と入っていき、それらの地域が次々に発展していく。それまで西と東に世界が分断していたものが一つになって大発展していく、といった絵が描かれます。

 これは30年ほどずっと続いてきたものでもあるので、逆に、グローバル化ではない世界の姿が想像つかない方も今の日本には多いのではないかと思います。このあとは、どういう時代になっていくのでしょうか。

中西 そうですね、やはり人間にはどうしても世代というものがありますから、歴史から学ぶということが非常に大事な視点です。

 われわれの目を広げさせてくれる新しい時代が来たときに、新しい時代にどう対応するか。自分がこれまで生きてきた時代に経験しなかったことが起こるから、新時代なのです。ですから、新時代への対応を考えるときに、経験から考えるということでは、考えたことにはなりません。その意味で、歴史から考えることの大切さがある。つまり、経験しなかったことは歴史から考えるしかないのです。

 やはり大事なことは、歴史は一つの時代が終われば、その趣を大きく異にする別の時代に、振り子が振り返すように逆のベクトルが始まってくるのです。

 これがどこまで進むかということは、おそらくわれわれが生きている間の今後20、30年というスパンで考えても、見通せないでしょう。けれども歴史というものは、一直線に進むものではありません。これはおそらく平成以後に物心がついて社会意識を身につけた世代にとっては、相当難しい考え方だと思います。

 私たちの世代、つまりそこからさらに30年ほど早い団塊の世代、あるいは昭和、戦後派の世代にとっても、「あ!あの時代に戻るのかな。でも、それもあまり良くないな」「この時代は取りあえず終わったあと、どう対応したらいいんだ」とそれぞれに戸惑いがあるでしょう。

 そういうときに大事なことは何か。これからの時代、「グローバリゼーション」という一つの呼び声でもってわれわれが理解してきたような時代がいったい何に支えられていたのだろうということを考えることが、「歴史に学ぶ」ということの出発点だと私は...

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