2024年危機~米中関係の行方
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中国の「民主」とは何か?民主主義の後退に絡む厄介な問題
2024年危機~米中関係の行方(2)民主主義の後退と中国の「民主」
小原雅博(東京大学名誉教授)
種々の政治的問題は当然、国民の生活にも影響を及ぼすが、米中の国民はいったいどのような政治的関心を持っているのだろうか。最新の調査をひも解くと、アメリカでは国民の関心事や価値観が分断され、二極化が進んでいることによって、世界的にも「民主主義の後退」と「権威主義の広がり」が見て取れるという。そうした状況と、米中の「民主」をめぐるイデオロギー対立を踏まえ、両国の緊張関係、その複雑さを解説する。(全5話中第2話:2022年9月6日開催ウェビナー〈2024年危機…米中関係の行方〉より)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分06秒
収録日:2022年9月6日
追加日:2022年12月9日
カテゴリー:
≪全文≫

●アメリカ国民の政治的・社会的関心の分断


―― 今、台湾はそのような危機にあるということなのですけれども、片やアメリカは、軍の方はそのような形でプレッシャーを強める可能性もあるということでしたが、アメリカ国民の関心について、このスライドにあるのはどういうデータになるのでしょうか。

小原 いろいろな調査が出ていますが、これは最新の調査の1つです。これは今、アメリカ人が直面している問題として最も重大な問題は何だ、という問いかけに答えたものです。これが、「経済」という回答の割合が圧倒的に高く、32パーセントです。3人に1人ほどが「経済」だと答えています。それからずっと見ていきますと、もちろん「医療」や内政的な問題が並んでいます。9番目に初めて「National security(国家安全保障)」という回答が出てきます。

―― 「Gun control(銃規制)」よりも下ということですね。

小原 そうですね。つまり、国内の治安よりも対外的な脅威のほうが下にあるのです。これを見ても分かるように、やはりアメリカ人の一般市民の関心事として、経済をはじめとして社会問題が圧倒的に高いということです。

 これは次のスライドを見ていただいたら分かりますが、こうした問題をめぐって実は非常に大きな対立があるのです。例えば、先ほどの関心の中で5位に「Abortion(中絶)」があります。中絶の問題は、最高裁の判決もあって大きなイシューになっており、特に女性にとっては大きな問題です。

 スライドに挙げましたが、「中絶、トランスジェンダー、銃規制、排ガス基準、再生可能エネルギー」といった問題をめぐる対立が今、非常に深刻になっています。

 (また、スライド内の図に)赤と青で示しましたが、選挙をやるたびに、レッドステートとブルーステートがはっきり分かれてきています。もちろんその間にスイングステートという層があって、選挙のたびにコロコロ変わっている州もあるのですが、この赤と青の分断が、アメリカの直面している非常に難しい政治問題、すなわち政治、社会の分断を象徴しているのではないかと思います。

 スライド(資料)の右の折れ線グラフは、左右のバランスを取って政治をやるバイデン氏のような中間派の人たちが段々と少なくなってきたことを示しています...

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