激変しつつある世界―その地政学的分析
この講義シリーズは第2話まで
登録不要で無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
6,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
今の日本の最大の課題は憲法改正ではなく財政再建だ
激変しつつある世界―その地政学的分析(9)日本人の意識
中西輝政(京都大学名誉教授/歴史学者/国際政治学者)
歴史学者で京都大学名誉教授の中西輝政氏は、今の日本の最大の課題は憲法改正ではなく、財政再建だと主張する。そこには恨みというものに対する日本人の意識が絡んでくる。このまま経済格差が進めば、極右が台頭する危険性が出てくるし、反皇室意識が高まってくることも懸念される。(全10話中第9話)
時間:8分48秒
収録日:2017年5月16日
追加日:2018年1月15日
≪全文≫

●日本人ほど被害者意識から来る反発心が強い国民はない


質問 これから日本人の価値観が変わっていく中で、同じ時期に米中が親密な関係になれば、日本人はアメリカに裏切られたという感覚を持つのではないでしょうか。2020年代はどうなっていくでしょうか。

中西 これまで考えないようにしてきたこと、あるいは先延ばしにしてきたことが、全部重なってくるのが2020年代だと思います。それらがつけのように、全部来ることになります。昭和のあの戦前の頃、日本人は暴走しました。これも実は日本の国民性です。韓国は恨(はん)の文化ですが、日本の方が恨みは強いのです。

 韓国人は、いつまでもしつこく言ってくるように見えますが、それは一つの感情のはけ口とでもいえるかもしれません。実際には、あっけらかんとしています。その意味で、韓国の恨は陽性です。しかし、自分が虐げられた、裏切られたという被害者意識から来る反発心の強さでは、日本人ほど強い国民はありません。アメリカとの戦争が始まった時、負けると分かっていた人もいたでしょうが万歳を叫びましたし、青空が見えたと言った作家までいたわけですから。これほど怨念の民族はいません。

 その背後には、性善説的な価値観があります。人は正直で、お互いに本当のことを語り合い、平等で和気あいあいと暮らしていく、という価値観です。こうした意識を持った民族が、いったん裏切られ、転落して本来いた場所からはじき出されたとき、その恨みの感覚はいっそう強くなるでしょう。他の国民性では考えられないほど、大きな抵抗を生み出すことになります。強い摩擦を引き起こす根本的な原因になるでしょう。

 庶民の中ではじかれた人であっても日本人は優秀です。欧米のように、誰が見ても落ちこぼれの人がはじき出されるわけではありません。何らかの分岐路でちょっと選択を間違えただけで、本当に大きな格差になってしまいます。そうした人たちは優秀なだけに、反発したときにはいっそう厄介です。昭和初期の極右団体の運動家も、非常に優秀な人たちです。


●虐げられたと思っている人たちが反皇室になる


 さらに、日本には直接行動の文化も明治維新、幕末維新以来あります。いろいろな側面はありますが、坂本龍馬はいまだにヒーローです。日本で何か直接行動が起こる可能性も、少しは考えておくべきかもしれません。特に政治家はそうでしょう...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クライン『ショック・ドクトリン』の真実(1)ショック・ドクトリンとは何か
100分de名著!?『ショック・ドクトリン』驚愕の印象操作
柿埜真吾
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
トランプ政権の極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
柿埜真吾
ロシアのハイブリッド戦争と旧ソ連諸国(1)ロシアの勢力圏構想とNATO拡大
「ハイブリッド戦争」の実像…ロシアが考えていることとは何か?
廣瀬陽子
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
本当によくわかる経済学史(1)経済学史の概観
経済学史の基礎知識…大きな流れをいかに理解すべきか
柿埜真吾
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗

人気の講義ランキングTOP10
ロシア人の見る「ロシアの歴史」(1)会ってみたプーチン…その実像
ロシア人の見る「ロシアの歴史」を知るとロシアがよくわかる・・・実際に会ってみたプーチンの印象とは?
上月豊久
『「甘え」の構造』と現代日本(1)「甘え」のインパクト
「甘え」は現代においてダメなものなのか…名著『「甘え」の構造』への2種類の誤解とは?
與那覇潤
高齢者のフレイル・認知症とその予防対策(6)認知症予防と健康寿命の延伸に向けて
フレイル・サイクルは回り出したら抜けられない!?負のスパイラルへの対処法
小川純人
現代人に必要な「教養」とは?(1)そもそも教養とは何か
教養とは…本質を捉える知、他者を感じる力、先頭に立つ勇気
小宮山宏
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
『万葉集』と律令社会~官僚の心得と歌宴(2)「出挙」と国司の仕事
地元の有力者の力を借りるために大伴家持が詠んだ歌とは?…今も奈良時代も変わらない中央官僚と地元有力者の関係
上野誠
中国春秋戦国時代と始皇帝(序)映画『キングダム』の中国史監修
中国古代史の真実と『キングダム』…史実がわかれば物語はもっと面白い
鶴間和幸
編集部ラジオ2026(36)宮脇淳子先生「満洲史」講義の要点
【10min解説】「満洲史」はタブー?…そこから見えてくる教訓とは?
テンミニッツ・アカデミー編集部
「満洲」から考える日本とアジア(5)ロシアのシベリア征服と日清日露戦争
「満洲利権」はなぜ日本の手に渡ったか?…ロシアの極東征服、そして朝鮮の混乱が日本を日清・日露戦争へ
宮脇淳子
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎