●くまモン政策で県民総幸福量の最大化を目指す「目標の政治」
「目標の政治」とは何か。先ほどから「決断の政治」、「対応の政治」についてお話ししてきましたが、「目標の政治」というのが政治家として本当にやりたいことです。
私の目標は何かというと、それは「県民総幸福量の最大化」です。私は、県民の幸福量を最大化するためには、四つの要因が大事だと思っているのです。一つは、経済的な豊かさ。それから、二番目は誇り。県民のプライドです。三番目が、安全安心。そして四番目が、夢。
今、画面に映っていますけれども、私はこれを、「y=f(E,P,S,H)」と呼んでいます。Eがエコノミー、経済的豊かさ、それからPがプライド、誇り、三番目のSがセキュリティ、安全安心、そしてHがホープ、夢を意味します。この四つを最大化させることによって、yである幸福量が上がると、そのように考えています。
そこで、たくさん「目標の政治」を行ったのですが、熊本県で今一番有名なのは、くまモンです。くまモンはなぜ、この幸福量に影響を与えるかといいますと、これはくまモンという政策を意味するからです。このくまモンという政策を、この方程式の中に入れることによって、くまモンは五つの効果を持つことになります。
●くまモン政策:目標と効果-1.経済的豊かさ
一つは、くまモン登場によって経済的な豊かさにつながる。くまモンが登場することによって、県民の誇りにつながる。くまモンが登場することによって、安全安心にもつながる。また、くまモンが登場することによって、夢にもつながる。そして、くまモン自身の存在そのものが、県民の幸福量に影響を与える。こういう五段階の貢献の形があるのです。
では、経済的な効果がどのぐらいあったかというと、実は、くまモン関連商品の売り上げは、平成23年は25億円でした。ところが、平成25年にはなんと449億円あったのです。会社を経営されている方はよくお分かりだと思いますけれども、449億円の売り上げというのは巨大な売り上げです。これが、くまモンの効果です。
この売り上げ調査はわれわれ熊本県がやったので、皆さん信用しないかもしれませんけれども、これ以外に日銀の熊本支店がこのくまモン効果を検証したのです。すると、くまモンが有名になった2年間で、つまりくまモン登場によってなんと2年間で1244億円の経済効果が熊本県にあったというのです。PR効果は90億円です。そのような効果があったのです。ですから、くまモンの登場で経済的な豊かさを熊本県に与えることによって、熊本県は幸せになったのが第一の効果です。
●くまモン政策:目標と効果-2.県民に誇りを与える
そして、もう一つの要素であるプライドですが、まず、くまモンが有名になると熊本県民はとてもうれしいのです。例えば、あの世界的に有名な『ウォール・ストリート・ジャーナル』が、一面にくまモンを登場させました。また昨日聞いたのですが、あの有名なCNNがくまモンを特集しています。そういう意味で、世界的に有名になることによって、くまモンが熊本県民に誇りを与えてくれているのです。
それから、誇りだけではなくて、2011年には、地域ブランド調査の「熊本に関する情報に接触しましたか」という情報接触度のランキングの中で熊本県は34位だったのです。これが2012年には全国で22位。そして、2013年には14位。来年にはもっと上がって、もう熊本のことを知らない人はいないくらいになるかもしれません。くまモンを知らない人はほとんどいませんから。99パーセントぐらいの人が、くまモンのことを知っていますね。そういう意味では、くまモンは熊本県民の誇りにも結び付いているのです。それから、くまモンがハーバード大学の講演に登場したり、紅白に出たりすること。これも熊本県民はとても誇りに思っています。
つまり、くまモンが登場することで、誇りを通じて県民の幸せに影響している。だから、私の大目標である熊本県民の幸福量が、豊かさと誇りという二つの要素で上がるのです。
●くまモン政策:目標と効果-3.安全安心で幸福量アップ
さらに、安全安心でも上がります。安全安心というのは、例えば、老人福祉施設に入っている方がいらっしゃいます。くまモンがそういう施設に慰問をしたり、くまモンの行けないところには、おしゃべりくまモンをプレゼントするのです。この、おしゃべりくまモンは、ずっとしゃべり続けるのです。
こういう形でお年寄りの方々がくまモンに触れ合えることによって、安全安心、幸せになる。これは、とても大きなことで、おしゃべりくまモンのこの役割も、今とても大きいものがあります。
●くまモン政策:目標と効果-4.夢の実現
次に、何よりもホー...