「噛める」ことこそ、健康維持の要点
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
噛む力を維持することは健康長寿に関わっている
「噛める」ことこそ、健康維持の要点(1)口腔機能の維持
上濱正(日本顎咬合学会元理事長/ウエハマ歯科医院院長/歯学博士)
口腔機能の維持は、あらゆる食物をおいしく噛んで食べられることを可能にし、生涯にわたる健康・幸福につながる。その重要性は国も認めており、そのために法案がつくられ、予算の勘案も行われている。また、最新の研究では、歯と脳の関係についてもそのメカニズムが解明されつつある。(全2話中第1話)
時間:9分18秒
収録日:2019年11月14日
追加日:2020年6月22日
≪全文≫

●噛んで食べることで、人は幸せになれる


 今日は、「『噛める』ことこそ、健康維持の要点」ということで、お話をさせていただきます。日本顎咬合学会元理事長の上濱正でございます。よろしくお願い申し上げます。

 河原英雄先生の症例を見て、皆さん、いかがだったでしょうか。ちょっと驚かれたと思います。噛んで食べる、そしてそのために口の中を整えるだけで、これだけのことができる時代になりました。

 これが、これからの歯科の方向性です。この方向で、われわれは国民の皆様に、幸せをお届けできると考えています。


●生涯にわたる健康・幸福のために、口腔機能を維持する


 生涯にわたる健康・幸福とは何なのでしょうか。人生におけるライフステージ、すなわち「おぎゃー」と生まれてあの世に行くまでの間で、あらゆる食物をおいしく噛んで食べられるということは、喜びの一つです。食べたもので私たちの体はできているので、これができれば、食べた物が栄養となり、筋肉を動かし、体全体を動かすことができます。サルコペニアのような筋肉が動かない状態を避けることもできます。

 しかし、実はそれだけではありません。われわれの脳は、食べた物の情報で生きています。特に、さまざまなものを食べることによって、脳にはいろいろな情報が上がります。味・見た目・匂い・音・硬さ・冷たさ・温かさなどです。これは脳が感じているものなのです。こうした脳への情報を維持するためには、生涯にわたる健康的な噛み合わせがその基盤になります。

 やはり、歯がなくなってしまったら困りますし、歯を健康な状態で生涯維持することが重要です。しかし、もしなくなっても、歯科の場合は河原先生がお示しになったように、部分入れ歯や総義歯など入れ歯で治すことができます。つまり、口腔機能を再建が可能なのです。

 そうすると、健康・幸福のために非常に大事なことが分かります。河原先生がお示しになりましたが、それは、口腔ケアを理解して実践することです。口腔ケアというと、虫歯にならないために歯を残す、あるいは今でいうと歯周病にならないためにケアをするということがイメージされるかと思います。もちろんそうなのですが、なぜ最終的に歯を残して歯周病にならないようにするかというと、それは口腔機能を維持するためです。口腔ケアにとっては...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「健康と医療」でまず見るべき講義シリーズ
認知症とは何か(1)疾患の種類と対応
多くの認知症の原因は「脳のゴミ」の蓄積
遠藤英俊
最新の腰痛医療(1)導入された二つの医療と慢性腰痛
高齢者だけじゃない! 若年層にも腰痛が増えている
菊地臣一
アンチエイジングのための「5:2ダイエット」
「5:2ダイエット」活性酸素を減らしてアンチエイジング
堀江重郎
今どきの若者たちのからだ、心、社会(1)ライフヒストリーからみた思春期
なぜ思春期は大事なのか?コホート研究10年の成果に迫る
長谷川眞理子
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
20億人以上が肥満…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
知られざる「脳」の仕組み~脳研究の最前線(1)脳科学と「ミクロのマクロの隔たり」
脳が生きている、死んでいるとは?最新研究で迫る脳の秘密
毛内拡

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(7)若者の引きこもりと日本の教育問題
日本の引きこもりの深い根源…「核家族」構造の問題とは?
與那覇潤
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
「同盟の真髄」と日米関係の行方(7)トランプ氏の評価とその実像
こりごり?アイ・ラブ・トランプ?…トランプ陣営の実状は
杉山晋輔
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(14)ポリスと魂の堕落過程〈下〉僭主の末路
僭主制は欲望の奴隷…過度の自由が過度の隷属に転換する
納富信留
『貞観政要』を読む(2)著作に登場する人物たち
房玄齢・杜如晦・魏徴・王珪―太宗の四人の優れた側近
田口佳史
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(2)“変わり者”の生かし方と後継者選び
「人材の組み合わせ」こそ「尖った才能」を輝かせる必勝法
水野道訓
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己