【入門】日本仏教の名僧・名著~空海編
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
空海と最澄の関係に大きな影響を与えた「密教」の位置づけ
【入門】日本仏教の名僧・名著~空海編(1)空海と最澄
賴住光子(東京大学名誉教授/駒澤大学仏教学部 教授)
弘法大師としても知られる空海は、どんな人物だったのだろう。伝教大師とも呼ばれる最澄と対比すると、分かりやすい。二人は同時期に遣唐使として中国へ渡るが、当時の最澄は天皇の帰依篤い貴賓待遇、空海は無名の自費留学生にすぎなかった。だが、中国での密教修行の差が二人の立ち位置を逆転させていく。(全3話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:10分48秒
収録日:2020年8月20日
追加日:2021年3月4日
カテゴリー:
≪全文≫

●「遣唐使」として同じ船団で中国に渡った最澄と空海


―― 続いての「日本仏教の名僧・名著」では、空海を取り上げます。空海も名前を聞く機会が非常に多い高僧かと思いますが、どんな方だったのでしょうか。


賴住  空海は最澄と同時代人で、しかも非常に深い交流がございました。もともと彼らはどちらも遣唐使の一員として、同じ船団で唐に渡っています。

―― 遣唐使ですね。

賴住 最澄のほうは非常に恵まれた立場で、天皇からバックアップを受け、自分専用の通訳もつけて、短期間行っています。空海のほうは当時は一介の無名の僧侶だったため、最澄とはかなり違う立場で留学しています。留学中は関係はなかったようですが、帰ってきてから二人の関係ができていきました。

 二人は乗った船も違っていたようです。空海は、中国でその当時の「真言密教の最高峰」と呼ばれていた青龍寺の恵果阿闍梨に学び、免許皆伝のようなものを受けました。

 一種のイニシエーションとして最高のもので、「灌頂(かんじょう)」とよばれています。空海はその灌頂を受けて、日本に戻りました。

 最澄のほうは天台宗を勉強しに中国に行きましたが、実際に行ってみると中国では真言密教のほうが盛んでした。そのため、自分が日本に仏教を広めていくためには、天台宗のみならず、真言密教も勉強しなければいけないことを、最澄は非常に強く感じます。ただ、中国での留学期間が短い期間しかなかったので、自分としてはまだまだ勉強したいという思いを持ったまま、日本に帰ってきてしまったのです。

 その後から、空海が最高の灌頂を受けて日本に戻ってきました。そこで、最澄のほうが空海に密教を教えてほしいと頼みます。自分はある程度は勉強したのだが、まだ心ゆくまで勉強ができていないので、教えてほしいと頼み、いろいろなお経を借りたり、文通をしたりしました。


●そもそも「密教」とは何で、なぜ優れているのか


賴住 当時やりとりした手紙が残っていて面白いのですが、二人の交流は続きます。しかし結局、密教の位置づけについて二人はまったく違う立場です。

―― なるほど。先生、密教という言葉はよく聞きますが、何をもって密教ということになるのでしょうか。

賴住 普通、仏教では釈迦牟尼仏を中心にしていますが、密教の場合、釈迦牟尼仏もありながら中心にしている仏は大日如来です。しかも、釈...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
プラトン『ポリテイア(国家)』を読む(1)史上最大の問題作
全米TOP10大学の必読書1位が『ポリテイア(国家)』
納富信留
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
楽観は強い意志であり、悲観は人間の本性である
これからの時代をつくるのは、間違いなく「楽観主義」な人
小宮山宏
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
道徳と多様性~道徳のメカニズム(1)既存の道徳の問題点
多様性の時代に必要な道徳とは…科学的アプローチで考える
鄭雄一
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
「Fukushima50」の真実…その素顔と誇り(2)吉田昌郎所長の機転と決断
なぜ部下たちは「吉田昌郎所長となら死ねる」と語ったのか
門田隆将
高市政権の進むべき道…可能性と課題(2)財政戦略3つの問題点
高市政権の財政政策の課題は…ポピュリズム政策をどうする?
島田晴雄
インフレの行方…歴史から将来を予測する(3)戦後の日本経済と海外のインフレ率
オイルショック、バブル…過去と現在の環境の共通点は?
養田功一郎
こどもと学ぶ戦争と平和(3)「小さな外交官」と少年兵の問題
外国が攻めてきたらどうすればいい?戦争と少年兵の問題
小原雅博
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
AI時代と人間の再定義(1)AIは思考するのか
AIでは「思考の三位一体」が成立しない…考えるとは?
中島隆博
『三国志』から見た卑弥呼(1)『魏志倭人伝』の邪馬台国
異民族の記述としては異例な『魏志倭人伝』と邪馬台国
渡邉義浩
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二