エレクトロニクス産業の凋落要因と化学産業の目指すべき方向性
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
「デジタル化の進行によるモジュール化」の流れが主な原因
エレクトロニクス産業の凋落要因と化学産業の目指すべき方向性(前編)
小林喜光(元東京電力ホールディングス株式会社 取締役会長)
今ではだいぶ持ち直してきたとは言え、かつて世界を席巻したソニー、シャープ、パナソニックなど、日本の家電メーカーの凋落はすさまじかった。コンシューマー・エレキといえばグローバル化の最先端。一体そこでは何が起こっていたのか。“哲人経営者”と呼ばれ、日本を代表する経営者の一人である三菱ケミカルホールディングス社長・小林喜光氏がその要因を鋭く解析する。(前編)
時間:6分00秒
収録日:2014年9月1日
追加日:2014年11月21日
≪全文≫

●販売を管理下に置かない製造や、モジュール化が要因の一つに


―― 最初にお話しいただきたいのが、日本企業の凋落についてです。この10年で家電・エレクトロニクス業界が凋落してしまいましたが、それと同じようなことが、例えば化学など、いろいろな業種でも起ころうとしています。まず、そのあたりのお話を聞かせていただければと思います。

小林 エレクトロニクスの中でも、どちらかというと、コンシューマー・エレキですよね。販売を全くコントロール下に置かないで、製造だけをやってきたというパターンが、自動車業界とは一部違うところがあります。

 いろいろな原因があると思いますが、アカデミアでの分析では、デジタル化が進んだことによるモジュール化が原因だと言われます。誰でもどこかから部品さえ調達すれば、それを組み立てられるので、もう差異化ができなくなってしまった。それも、一つの原因でしょうね。

―― アナログの時代からの変化ですね。

小林 アナログからデジタル化することで、何とも言えない「隠せる部分」がフルオープンになってしまった。クローズ・オープンで言えば皆、オープンになりましたから、仕掛けをつくりようがない。中を開いてまねをしようと思ったら、本質的にまねができます。それで、あまりパテントやIP(知的財産権)に対してコンプライアントでない人たちが、平気でまねをしてしまったということもあると思います。まず、それが原因です。


●一瞬の戦いの中で受けた、為替による大打撃


小林 あるいは、過当競争の問題です。例えば韓国の企業と比べると、日本は非常に会社の数が多かったこともあります。

 それから、僕などの感覚で言えば、まず、基本的には「為替」ではなかったかと思うのです。為替は「言い訳だ」とおっしゃる方が非常に多いのですが、しかし、この間、為替によって相当な競争力(コンペティティブネス)が付いているところも一部にはあるのです。その上、収益的に言えば、為替が20円変わることでこれだけの変化があったのですから、為替による原因はとても強かったのではないでしょうか。

 しかし、ダメージを受けて死に体になってから為替がよくなっても、もはやどうにもならないのです。ボクシングに例えると、大きなパンチを一発食らってしまえば、なかなかリカバリー・ショットを送れるほどの元気は保てない。一瞬の戦いの...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「経営ビジネス」でまず見るべき講義シリーズ
野獣の経営、家畜の経営(1)経営センスが育つ土壌
ファーストリテイリングで経営者が育つ理由
楠木建
優れた経営者の条件(1)スキルとセンスの違い
経営者のセンスは担当者のスキルとは全く違う
楠木建
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(1)人を真に活かす人事評価とは
ソニー流の「人材論」「新規ビジネス論」を具体的に語ろう
水野道訓
「発想力」の技法を学ぶ(1)発見と探究(前編)
“なぜ”を繰り返せ!『発想力の全技法』に学ぶ原因探究法
三谷宏治
組織心理学~若者とのコミュニケーション(1)「Z世代」の特徴と接し方
Z世代は傷つきやすい!?…昔の世代との相違点、共通点とは
山浦一保
メンタルヘルスの現在地とこれから(1)「心を病む」とはどういうことか
なぜ「心の病」が増えている?メンタルヘルスの実態に迫る
斎藤環

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(31)鶴見太郎先生の「公開収録」のご案内
【公開収録のご案内】鶴見太郎先生:ユダヤ人と世界史…その歴史の教訓とは
テンミニッツ・アカデミー編集部
『オデュッセイア』で読み解く神話の秘密(1)物語の構造を読み解くおもしろさ
『オデュッセイア』の面白さの秘密を神話の構造から読み解く…なぜ波乱万丈の神話が人間の創作の源泉になったか
松村一男
ギリシア神話の基本を知る(1)「ゼウス以前」の神々の戦い
ギリシア神話…ゼウスの「父親殺し」とオリュンポス十二神
鎌田東二
仏教とキリスト教が照らし出す日本の宗教(1)神とは何か、そして天皇とは?
日本と世界の「神と信仰」の違いは?…そして天皇の大切な役割
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(3)金利上昇の深刻な影響
金利が上昇した未来を10年スパンで見てみると…何が起きるか?
宮本弘曉
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』(2)認知革命
『サピエンス全史』の認知革命「虚構を共有する」とは何か
長谷川眞理子
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(1)AIに置き換わる仕事と人間がやる仕事
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か…人間がやるべきこととは?
橋爪大三郎