松岡修造はなぜあれほど熱いのか~心の師匠が語る
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
錦織圭も通った「修造チャレンジ」、持つべきは男の資格
松岡修造はなぜあれほど熱いのか~心の師匠が語る
行徳哲男(日本BE研究所 所長)
テニスプレーヤー松岡修造氏。ウィンブルドンベスト8の戦績を持ち、「修造チャレンジ」では、錦織圭選手をはじめ、多くの選手を育ててきた。その松岡氏が“心の師”と仰ぐ行徳哲男氏が、「松岡修造の強さ」の秘密を語る。
時間:11分56秒
収録日:2014年12月26日
追加日:2015年1月19日
カテゴリー:
≪全文≫
行徳 松岡修造が山(「BE訓練(Basic Encounter Training)」=行徳氏が開発した独自の山中訓練)に来たのは、19年前、あの震災の年でした。

── 神戸の震災(阪神淡路大震災)ですね。

行徳 そうです。修造が来たきっかけは、彼のお姉さんでした。日本料理で有名な辻調グループの辻芳樹さんの奥さんです。

 実はその時、修造は大変な絶不調でした。国別対抗戦デビスカップの時には、300位以下の選手に負けて、日本チームはデビスカップ出られなかったのです。しかも、体ももうボロボロになっていました。そんな状態で、とにかく大変なスランプでした。そんな中で山に来たのです。

── 1995年は、そんな大変なスランプだったんですね。

行徳 もう絶不調でした。彼は当時、「東洋の若武者」「テニス界のプリンス」などと呼ばれ、47位くらいまで行きました。一時期は、本当にもう向かうところ敵なしだったのです。それで、日本では敵がいないから、アメリカに渡ったわけです。しかし、その彼が、もう無残に敗れて、そして負けが続いた。そんな中で来たのです。

 彼は188センチメートルもある長身ですが、もう自分との闘いがすさまじかったです。とにかく勝ちたいのだ、と。もう、自分がみじめだし、自分が悔しいと。その自分との闘いがすごかったです。泣き叫ぶときも、見ていて「体が割れはせんか」と思うくらいの闘いでした。自分との闘いです。そして、彼は、ウィンブルドンに向かったわけです。

── すごいテニスプレーヤーですね。そういう背景があったのですね。

行徳 そうです。その中で、やはり彼は地獄を見たのです。だから強いです。もう、本当にすさまじい闘いを、自分との闘いをやりましたね。


●1995年ウィンブルドン、ベスト8の歴史的瞬間


行徳 1995年、テニスプレーヤーの松岡修造がウィンブルドンで戦った時に、私は、彼に1枚のFAXを送りました。「修造、日本人に希望と勇気を与えてやろう。修造に乾杯。サンプラスの試合は善戦祈る」と書いたのです。

 ところが、修造からFAXが返ってきて、そこには、「善戦じゃ勝てません。僕は、もう勝ちにいきます。勝ちにいく時が来た 修造より」とありました。

 私は、ここまで言うのか! と、むっときた面もなくはありませんでした。何を! と。しかし、やはりその心意気...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
「アメリカの教会」でわかる米国の本質(1)アメリカはそもそも分断社会
「キリスト教は知らない」ではアメリカ市民はつとまらない
橋爪大三郎
渡部昇一の「わが体験的キリスト教論」(1)古き良きキリスト教社会
古き良きヨーロッパのキリスト教社会が克明にわかる名著
渡部玄一
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二
西洋哲学史の10人~哲学入門(1)ソクラテス 最初の哲学者
ソクラテス:「フィロソフィア」の意味を問う最初の哲学者
貫成人
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
もののあはれと日本の道徳・倫理(1)もののあはれへの共感と倫理
本居宣長が考えた「もののあはれ」と倫理の基礎
板東洋介

人気の講義ランキングTOP10
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
歴史の探り方、活かし方(4)史実・史料分析:秀吉と秀次編〈上〉
史料読解法…豊臣秀吉による秀次粛清の本当の理由とは?
中村彰彦
「宇宙の創生」の仕組みと宇宙物理学の歴史(1)宇宙の階層構造
「宇宙の階層構造」誕生の謎に迫るのが宇宙物理学のテーマ
岡朋治
内側から見たアメリカと日本(4)アメリカ労働史とトランプ支持層
ギャングの代わりに弁護士!? 壮絶なアメリカ労働史の変遷
島田晴雄
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
鎌田東二
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(2)言葉を理解するプロセスとスキーマ
なぜ子どもは教えられても理解できないのか?鍵はスキーマ
今井むつみ
編集部ラジオ2025(28)内側から見た日米社会の実状とは
島田晴雄先生の体験談から浮かびあがるアメリカと日本
テンミニッツ・アカデミー編集部
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
徳と仏教の人生論(3)無分別知と全人格的思惟
般若とは何か――秋月龍珉からの命題を探求し到達した境地
田口佳史