大谷翔平の育て方・育ち方
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
目標達成シートに注目!大谷翔平選手成功の鍵は考える習慣
大谷翔平の育て方・育ち方(4)高校時代の師の教えと目標達成シート
桑原晃弥(経済・経営ジャーナリスト)
「球場の一番高いマウンドに立つ人間は、みんなが一番嫌がる仕事をしなさい」――これは花巻東高校時代に佐々木洋監督からいわれた言葉だが、野球のことだけでなく、こうした人間性に関わる教えの数々がその後の大谷翔平選手を作り上げていくことになる。今回は佐々木監督の教えとそれに対して大谷選手自身が考えたことを取り上げながら、直筆の目標達成シートから大谷選手が大事にしていたことについて解説する。(全9話中第4話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツTV編集長)
時間:14分41秒
収録日:2024年11月28日
追加日:2025年3月24日
≪全文≫

●マウンドに立つものの心がけと「ちゃんとした」人間像


―― 続きまして、今度は高校時代のお話で、花巻東高校の佐々木洋監督に学んだことになります。まず、佐々木監督がおっしゃったことで、「球場の一番高いマウンドに立つ人間は、みんなが一番嫌がる仕事をしなさい」と教えられた。これを受けて、「ちゃんとした人間にちゃんとした成果が出て欲しい。本当の意味でのトップの人間はそうあるべきだと信じている。信じているからには、自分もそんなふうにやっていきたい」と言っています。

桑原 はい、高校野球の監督の本などもいろいろ出ています。しかし、このように、人間性に関わるものはそれほど(多く)ないですよね。もちろん勝つためのことはみんなが教えますが、菊池雄星選手も教えを受けた花巻東高の場合、マウンドに立つ投手の心がけを説いている。投手はどうしても自分が中心で、まして大谷選手の場合は「投手で4番」ですから圧倒的な存在になりがちなのですが、そういう人間こそ人の嫌がる仕事──例えばトイレ掃除やゴミ拾いなどを今でも彼はしています──をすべきだと、きちんと教えられた。

 私がすごいと思うのは、「ちゃんとした人間にちゃんとした成果が出てほしい」という考え方です。今の時代、成功者(のイメージ)が少しずれてきているわけです。そういう意味で、このように人間性に非常にこだわった考え方が今の大谷選手につながっているのだと思います。

―― 時と場合によっては、結果さえ出せばいいというようなことも、特に実力主義などというと、そんな言葉さえ出てきますけれど、そうではないというところですよね。

桑原 そうですね。


●「楽しいより正しい」ことを自分で選べる強さ



―― 続けまして、「高校時代、『楽しいより正しいで行動しなさい』と言われてきたんです。クリスマスに練習したのも、楽しいことより正しいことを考えて行動した結果」です。

桑原 これはすごいと思います。やはり人間というのは、プロでもそうですが、どうしても楽しいほうに行きがちになります。

―― そうですね。

桑原 楽しいことと正しいことがある中で、何が自分にとって一番大切なことなのか。野球選手として、世界一の野球選手になりたいという思いがあったら、何が正しいかを自分で考えられる。だから、このように大谷選手が言っ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
キリスト教とは何か~愛と赦しといのち(1)「イエス」とは一体誰なのか
「イエス・キリスト」という名前の本当の意味は?
竹内修一
北欧神話の基本を知る(1)世界でもっとも悲観的な神話
世界滅亡を予言!?人類史上もっとも悲観的な北欧神話とは
鎌田東二
小林秀雄と吉本隆明―「断絶」を乗り越える(1)「断絶」を乗り越えるという主題
小林秀雄と吉本隆明の営為とプラグマティズムの格率
浜崎洋介
今こそ問うべき「人間にとっての教養」(1)なぜ本を読むことが教養なのか
『人間にとって教養とはなにか』に学ぶ教養と本の関係
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2025(29)歴史作家の舞台裏を学べる
歴史作家・中村彰彦先生に学ぶ歴史の探り方、活かし方
テンミニッツ・アカデミー編集部
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(6)曼荼羅の世界と未来のネットワーク
命は光なのだ…曼荼羅を読み解いて見えてくる空海のすごさ
鎌田東二
歴史の探り方、活かし方(1)歴史小説と史料探索の基本
日本は素晴らしい歴史史料の宝庫…よい史料の見つけ方とは
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(6)日本企業の敗因は二つのオウンゴール
日本企業が世界のビジネスに乗り遅れた要因はオウンゴール
島田晴雄
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
熟睡のために――認知行動療法とポジティブ・ルーティーン
西野精治
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち
なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る
今井むつみ
続・日本人の「所得の謎」徹底分析(1)各国の財政と国民負担
日本と各国の比較…税負担は低いが社会保障の負担は高い
養田功一郎