安全保障最前線
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尖閣諸島問題で海上自衛隊が取っている対応とは?
安全保障最前線(3)中国の活発な海洋進出への対応(前編)
吉田正紀(元海上自衛隊佐世保地方総監/一般社団法人日本戦略研究フォーラム政策提言委員)
前海上自衛隊佐世保地方総監吉田正紀氏が語る、現場から見たわが国の安全保障最前線。今回は中国の海洋進出問題に焦点を当てる。アジア太平洋地域内のリスクとして、わが国の安全保障に影を落とす「尖閣問題」の経緯と実情から、明日へのヒントを探りたい。(前編)
時間:18分47秒
収録日:2014年8月1日
追加日:2015年2月16日
カテゴリー:
≪全文≫

●混迷する尖閣問題を中心とする中国の活発な海洋進出


 次に、安全保障戦略の中でも、アジア太平洋地域の中のリスクとして捉えられている中国の活発な海洋進出。これに対して、お話をさせていただきます。

 まず、中国の活発な海洋進出の実態についてお話ししましょう。

 尖閣諸島の領有を主張する中国側からの緊張状態を高める行動。これは、2008年12月の中国公船による尖閣諸島領海侵入事案、そして2010年9月の尖閣諸島中国漁船衝突事案の二つに始まります。

 これを受けた日本側の行動が、2012年4月の石原都知事(当時)の尖閣諸島の都有化。そして、あえて通称で呼ばせていただきますが、野田政権による尖閣国有化がありました。

 そして、今度はその日本の対応に対抗する形で、東シナ海、特に尖閣諸島周辺での中国執行機関の公船の活動が激増しているというのが、現状です。

 では、中国側ではこれをどのように言っているのか。「現状、日本側は、中国の提案した『棚上げ』に変更を加え、挑発をしている」。残念ながら、この中国のプロパガンダは、私が入手している情報の範囲では、国際的にかなり定着しています。

 さらに2012年には、中国側の権力闘争(政権交代)がありました。これに起因する形で、対外政策の強化と、中国の海洋進出の強化がトレンドとなっています。はっきり言えば、中国の指導部の交代と、日本政府による尖閣諸島購入の事案がちょうど重なってしまったということになるのです。


●海軍力の増大に伴い、中国海軍の活動が活発化した


 一方、公船とは別に、中国海軍の活動の方はもう少し長いスパンで見る必要があります。

 活動は年々活発化していましたが、2008年に東海艦隊が、日本海を経て津軽海峡を通峡し、太平洋側に出て宮古―沖縄間を通過するという「日本周回行動」が確認されて以降、こういった艦隊の活動が年々活発化しています。これは、海の上に浮かぶ水上艦艇の方の動きです。

 では、海の中に潜る潜水艦の活動はどうか。2003年11月に、大隅海峡においてミン級潜水艦という非常に小さな潜水艦の活動が視認されたのを皮切りに、2004年には、原子力潜水艦が日本の領海を侵犯いたしました。このとき、海上自衛隊には海上警備行動が発令されました。また、2006年10月には、沖縄の沖に所在していた米国海軍の空母キテ...

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