米国システムの逆襲~解放の日と新世界秩序
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
ハミルトン経済学に立脚した「米国システム」4つの柱とは
米国システムの逆襲~解放の日と新世界秩序(2)ハミルトン経済学と米国システム
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
トランプ大統領が標榜する「米国システム」の思想の背景には、関税政策を軸に大英帝国の自由主義に対抗せねばならないというハミルトン経済学の思想があった。かつてのアメリカの「独立」と現在を重ね、反グローバリズムに舵を切るその思想の骨子を詳しく解説する。(全3話中第2話)
時間:10分05秒
収録日:2025年4月25日
追加日:2025年5月27日
カテゴリー:
≪全文≫

●「米国システム」の底流にあるハミルトン経済学


 実際に図で見ていただくと、アメリカの貿易赤字は、2001年の中国のWTO加盟をきっかけに肥大化が止まらないような状態にあります。

 2018年に当時の第1期目のトランプ政権が本格的に米中貿易戦争を始めて、中国にかなり関税をかけたのですけれど、その結果、グラフを見ていただくと分かるのですけれど、少しだけ貿易赤字が是正されているのです。これを今のトランプ政権の人たちは成功体験として見ており、関税は有効であるという認識を持っています。

 しかし、その後、バイデン政権になった後、もっとアメリカの貿易赤字は製造業を中心に増えていき、これを何とかストップしないとアメリカは崩壊するという問題意識もあります。

 今のトランプ政権の人たちが解決策として議論を重ねているのが、米国システムの復活なのです。この米国システムというのは、アメリカの歴史学でも確立した用語です。

 思想的にたどっていきますと、建国の父、アレキサンダー・ハミルトンの思想に立脚しておりまして、アレキサンダー・ハミルトンの経済思想というのはハミルトン経済学といわれるほど、アメリカの経済学でも確立したものなのですけれど、これはどういうことかといいますと、当時の歴史背景を振り返ると、アメリカの独立戦争に勝って、そして今度はアメリカという新しい国を本格的に建国しなければいけない。しかし、ヨーロッパ列強、特に大英帝国はまだ脅威として残っていました。

 そのときにどういうアメリカの経済体制を確立するかという問題意識からスタートして、ハミルトンが提唱したハミルトン経済学が、関税を楯に国内産業を奨励し、重商主義で「商業共和国(コマーシャルグリップ)」というのですけれど、これをアメリカの国家ビジョンとして育成して、当時独立戦争を勝った後にも脅威として残っていた大英帝国の自由主義、自由貿易に対抗しなければいけない。これは典型的な北部の思想なのです。

 アレキサンダー・ハミルトンの生い立ちですが、生まれはウエストインディというカリブ海なのですけれど、彼はニューヨークで育って、コロンビア大学も出ています。なので、北部の典型的な政治哲学が、アレキサンダー・ハミルトンの経済学にけっこう含まれてい...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
外交とは何か~不戦不敗の要諦を問う(1)著書『外交とは何か』に込めた思い
外交とは何か…いかに軍事・内政と連動し国益を最大化するか
小原雅博
教養としての「人口減少問題と社会保障」(1)急速に人口減少する日本の現実
毎年100万人ずつ減少…急降下する日本の人口問題を考える
森田朗
こどもと学ぶ戦争と平和(1)私たちに必要な想像力と戦争体験
なぜ戦争が起こるのだろう…大切なのは想像力と生の声
小原雅博
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
米国派経済学の礎…ハミルトンとクレイ(1)ハミルトンの経済プログラム
フェデラリスト・ハミルトンの経済プログラム「4つの柱」
東秀敏
為替レートから考える日本の競争力・購買力(1)為替レートと物の値段で見る円の価値
ビッグマック指数から考える実質為替レートと購買力平価
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
編集部ラジオ2026(9)「トランプ大統領」の視点・論点
【テンミニッツで考える】「トランプ大統領」をどう見るか?
テンミニッツ・アカデミー編集部
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
万葉集の秘密~日本文化と中国文化(1)万葉集の歌と中国の影響
『万葉集』はいかなる歌集か…日本のルーツと中国の影響
上野誠
日本人とメンタルヘルス…心のあり方(6)日本人の当たり前と山本七平の違和感
日本の異様さ…フィリピンから復員した山本七平が驚いたこと
與那覇潤
インフレの行方…歴史から将来を予測する(1)インフレの具体像を探る
270年の物価の歴史に学べ…急激な物価上昇期の特徴と教訓
養田功一郎
これから必要な人材と人材教育とは?(1)人手の供給不足とマクロ経済への影響
ごく一部の人手不足が「致命的」になる…Oリング・セオリー
柳川範之
第二次世界大戦とソ連の真実(1)レーニンの思想的特徴
レーニン演説…革命のため帝国主義の3つの対立を利用せよ
福井義高
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
戦前、陸軍は歴史をどう動かしたか(1)総力戦時代の到来
日英同盟の廃棄、総力戦…世界秩序の激変に翻弄された日本
中西輝政
ソニー流「人的資本経営と新規事業」成功論(3)「現場の熱」こそ多角化の要点
新規事業を成功させるリーダーとは…上意下達はなぜダメか
水野道訓