日本のエネルギー政策大転換は可能か?
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
▶ 第1話を無料視聴する
閉じる
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
カーボンニュートラル達成へ、エネルギー政策の変革は必須
日本のエネルギー政策大転換は可能か?(3)エネルギー政策大転換への提言
鈴木達治郎(長崎大学客員教授/NPO法人「ピースデポ」代表)
洋上や太陽光を活用した発電の素地がありながらその普及が遅れている日本。その遅れにはどのような要因があるのだろうか。最終話では、送電網の強化など喫緊の課題を取り上げるとともに、エネルギー政策を根本的に変換させる必要を指摘し、2050年カーボンニュートラル達成に向けて大事な提言を行って本講義を締めくくる。(全3話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:13分03秒
収録日:2025年4月4日
追加日:2025年8月24日
≪全文≫

●再生可能エネルギーの普及が遅れている理由


―― 次に、質問の方向を少し変えまして、日本において再生可能エネルギーを伸ばしていくためにどうするかという点でございます。

 今はもちろんかなり進んでいる部分もあるかとは思うのですけれど、半面、例えば山林などの景観の問題ですが、いろいろなことでの反対といいますか、このまま進めていいのかという声も上がっているような状況です。今の日本の再生可能エネルギーの進捗の具合、課題、問題点についてはどのようにお考えでいらっしゃいますか。

鈴木 そうですね。経済性が安くなっているわりには普及が遅れてしまった1つの理由は、FIT(固定価格買取制度)といわれている制度です。たくさん入ったわけですけれど、それが結局どんどん固定価格が下がってしまって、発電事業者のリスクが高くなってしまっているというのは多少あるかもしれません。これが1点です。だから、制度をもう一度見直す必要はあるかもしれません。

 2点目は送電網、送電能力、送電容量の拡充が遅れていることです。要するに、太陽エネルギーも風力発電も風が吹いているところ、晴れているところというのは日本中どこかにあるわけです。それで、不安定ではもちろんあるのだけれど、余っているところから足りないところにすぐ電気を送れるようになれば再生可能エネルギーの活用はもっと増えると。

 例えば九州です。私は九州に今いるのですけれど、太陽光エネルギーがピークのときには、太陽光エネルギーを全部使うと、需要を超過してしまうのです。供給超過になるのです。そのときにどうするかというと、太陽エネルギーを残すのではなくて、原子力発電と火力発電をまず優先的に動かして、残りを太陽エネルギーでやってしまうので、太陽エネルギー出力抑制というものをしなければいけなくなります。

 どうしてそういうことをするかというと、送電容量が足りないのです。余った太陽エネルギーをどこかに使うというためには、足りないところは運ばなければいけないのですけれど、そのためにわざわざ出力抑制を(しなければいけない。そうなると、)太陽エネルギーはせっかく発電いっぱいできているのに、それが使えなくなっているのです。

 まず原子力(発電)と火力発電の優先順位を逆転して、それでまず再生可能エネルギーからどんどん使っていく。そのためには送電容量を拡大して、足...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「科学と技術」でまず見るべき講義シリーズ
培養肉研究の現在地と未来図(1)フェイクミート市場とリアルミート研究
食肉3.0時代に突入、「培養肉」研究の今に迫る
竹内昌治
進化生物学から見た「宗教の起源」(1)宗教の起源とトランス状態
私たちにはなぜ宗教が必要だったのか…脳の働きから考える
長谷川眞理子
ヒトの性差とジェンダー論(1)「性」とは何か
MLBのスーパースターも一代限り…生物学から迫る性の実態
長谷川眞理子
本当によくわかる「量子コンピュータ入門」(1)量子コンピュータとは何か
「量子コンピュータ」はどういうもので、何に使えるのか
武田俊太郎
ChatGPT~AIと人間の未来(1)ChatGPTは何ができて、何ができないか
ChatGPTは考えてない?…「AIの回答」の本質とは
西垣通
新しい循環文明への道(1)採掘文明から循環文明へ
2026年頭所感~循環文明の「三つの柱」…いよいよ実現へ
小宮山宏

人気の講義ランキングTOP10
歌舞伎はスゴイ(1)市川團十郎の何がスゴイか(前編)
市川團十郎の歴史…圧倒的才能の初代から六代目までの奮闘
堀口茉純
「進化」への誤解…本当は何か?(6)木村資生の中立説
欧州では不人気…木村資生の中立説とダーウィンとの違い
長谷川眞理子
豊臣兄弟~秀吉と秀長の実像に迫る(序)時代考証が語る『豊臣兄弟!』の魅力
2026年大河ドラマ『豊臣兄弟!』秀吉と秀長の実像に迫る
黒田基樹
「幸福とは何か」を考えてみよう(1)なぜ幸せになりたいのですか
「幸福」について語り合う「哲学カフェ」を再現
津崎良典
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
本質から考えるコンプライアンスと内部統制(1)「法令遵守」でリスクは管理できない
「コンプライアンス=法令遵守」ではない…実例が示す本質
國廣正
経済と社会の本質を見抜く(4)コンプライアンスとリスクの境界線
コンプライアンスよりも重いレピュテーショナルリスク問題
柳川範之
逆境に対峙する哲学(1)日常性が「破れ」て思考が始まる
逆境にどう対峙するか…西洋哲学×東洋哲学で問う知的ライブ
津崎良典
健診結果から考える健康管理・新5カ条(7)良い生活習慣が健康寿命を延ばす
その後の余命が変わる!続けるべき良い生活習慣とは
野口緑