習近平中国の真実…米中関係・台湾問題
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浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
垂秀夫(元日本国駐中華人民共和国特命全権大使)
日本では「台湾有事」における日本への影響を口にする人が多いが、事態はより複雑である。中国の浸透により台湾は分断を深め、内側から崩壊しようとしている。浸透しているのは軍や政府内部の大量のスパイ、反社会組織を通じたフェンタニル等である。台湾は強固な城ではあるが、社会を分断し、内部から崩そうとする動きが強まっている。その一つの象徴が、2025年7月末に行われたリコール選挙である。(全7話中第5話)
時間:13分35秒
収録日:2025年7月1日
追加日:2025年10月15日
≪全文≫

●三つの対台湾政策を持つ中国


 さて、だいたい米中関係までお話ししたところで、最後に台湾問題について(の話)になりました。これだけで本当は2~3時間話せるのですが、あと15分ぐらいで話します。

 台湾問題についていえば、日本ではこれだけ「武力統一はいつあるのですか?」「今年ですか、来年ですか、2027年までですか」というだけで、この議論でほぼ95パーセントを占める。極めて単純ですが、これだけです。

 アメリカはどうかというと、アメリカにはいろいろな人がいます。制服組的な人は有事を危惧していますが、アメリカの国務省的な人というか、専門家の人は割と私によく似ている部分があります。そこまでの危機意識は持っていませんが、それよりも何よりも今のトランプ政権で軍事介入するかどうかというところを大きなポイントにしています。

 もし、そういうことが起きたとしても、あるいは起きなかったとしても、アメリカがすなわちトランプ政権がどこまで台湾に対して関心を持つのか、私は極めて疑問だと思います。

 中国は台湾をどうしようとしているのか。日本的に見ればもう武力統一だけなのですが、実はそうではありません。

 中国の対台湾政策は、あえていえば三つあると理解してもらえばいいと思います。一番右手に「武力侵攻」。一番左手に「平和的統一」。そして真ん中に「グレーゾーン」があるわけですから、三つになる。グレーゾーンにはいろんな種類がありますし、武力侵攻にもいろいろな種類があります。平和的統一にもいろいろな種類があるので、大きく分けたら三つだと理解してもらったらいいと思います。

 中国はあらゆる準備を行っている。でも、平和的統一──カギカッコをつけて「平和的」統一といったほうがいいでしょう──が主軸になります。武力侵攻というのは伝家の宝刀のようなもので、なかなか抜けません。でも、これは必要なものです。これがないと、グレーゾーンにしろ、「平和的」統一にしろ、後ろ盾がない。この武力による(解決は)、力という後ろ盾がないと弱いから、必ずこちらの準備は行います。でも、なかなか抜けないという状況です。


●両国の握手からスパイまで多種多様な「平和的」統一


 さて、その「平和的」統一の中にどんなものがあるかということです。中国の台湾社会への浸透が、今やとてつもない...

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