熟睡できる環境・習慣とは
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熟睡のために――自分にあった「理想的睡眠」の見つけ方
熟睡できる環境・習慣とは(1)熟睡のための条件と認知行動療法
西野精治(スタンフォード大学医学部精神科教授/株式会社ブレインスリープ創業者 兼 最高研究顧問)
「熟睡とは健康な睡眠」だと西野氏はいうが、健康な睡眠のためには具体的にどうすればいいのか。睡眠とは壊れやすいもので、睡眠に影響を与える環境要因、内面的要因、身体的要因など、さまざまな要因を取り除いていくことが大切なのだ。今回は熟睡のための必要な条件について、薬の是非、認知行動療法、「ポジティブ・ルーティーン」などの話も交えながら解説する。(全4話中第1話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:16分22秒
収録日:2025年3月5日
追加日:2025年11月23日
カテゴリー:
≪全文≫

●睡眠はとても壊れやすいもの


―― 皆さま、こんにちは。本日は西野精治先生に「熟睡の環境・習慣」というテーマでお話を伺いたいと思います。西野先生、どうぞよろしくお願いいたします。

西野 よろしくお願いします。

―― 「熟睡したくない」という人はいないでしょうが、例えば「自分が熟睡できているのか」と不安を持っている方、「なかなかうまく熟睡できていないな」と思っている方も多くいると思います。どうすれば熟睡できるのかということを具体的にお聞きしていきたいと思います。そもそも熟睡には、どういった条件、環境が必要になるのでしょうか。

西野 「熟睡とは何か」ということも、なかなか難しい問題です。だから、「健康な睡眠」だと思っていただければいいですね。

―― なるほど。

西野 「健康な睡眠」は、年齢によっても変わってきます。入眠についていえば、およそ10分以内に寝ることができればいいと思います。「寝つきが非常に悪い」と言われる方も、それほど寝られていない状態が長いわけではなく、測ってみると数分という方もわりと多い。ですが、過大評価する人が多いのです。

 入眠すると、ひと晩の中で一番深い睡眠が最初に訪れます。レム睡眠ではないので「ノンレム睡眠」というのですが、それが約90分続きます。その後、短い「レム睡眠」が出る。それが1つの周期で、これをひと晩に4、5回繰り返します。明け方は深い睡眠が出なくて、長い「レム睡眠」が出てきます。そこで夢を見る。起きているときと同じように脳が活発に動いています。

 睡眠の役割については前回いろいろとお話ししましたが、簡単にいうと、最初の深い睡眠(睡眠前半部)で休息であるとか、眠気の放出、免疫増強、脳の老廃物除去が行われる(記憶の定着に関しては全ての睡眠のパターンが関係しているとお話ししました)。最初の深い睡眠が重要だということです。明け方はむしろ起きる準備をしている。だから、深い睡眠を取ることができれば、休息も取れ、すっきり起きられて、頭もぼーっとしない。それがいろいろな条件で阻害されると、ぐっすり眠れない、起きてもすっきりしない、眠い。そういうときに「熟睡できていない」という印象を持つのです。

 非常に大事なことなのですが、当たり前ですが睡眠は非常にフラジャイル(fragile)です。睡眠は非常に壊れやすいものなのです。

 どういうことかと...

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