葛飾北斎と応為~その生涯と作品
この講義シリーズは第2話まで
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
引っ越し93回…自炊も片付けもせず、絵に人生を捧げた親娘
葛飾北斎と応為~その生涯と作品(3)奇矯で壮絶な親娘の生活
堀口茉純(歴史作家/江戸風俗研究家)
70代に入って「神奈川沖浪裏」を手がけた葛飾北斎。その老境はいかなる日々だったのだろうか。こたつから出ず、「ごみ屋敷」同然の家をアトリエとして絵を描き続けた北斎と、それを支えた娘の応為。北斎の弟子の露木為一が描いた『北斎仮宅之図』から見えてくるのは、創作に人生を捧げた画狂親子の奇矯で壮絶な生活だ。(全4話中第3話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
時間:12分21秒
収録日:2025年10月29日
追加日:2025年12月12日
≪全文≫

●北斎は老いの時間をどう生きたか…娘・応為との生活


―― ちょうどこれまでの講義で、前回最後に見たのが有名な『富嶽三十六景』の「神奈川沖浪裏」ということですが、これが何歳ぐらいでしたでしょうか。

堀口 これが70代のものですね。

―― 70代、現在でもそこそこのお年ですけれど、当時としてみれば、平均寿命は短いですけれど、意外と長生きされる方はけっこう長生きされているのですよね。

堀口 そうなのです。乳幼児の頃の死亡率が非常に高いので、平均すると、平均寿命が短くなってしまうのですけれど、20代を越えても元気な方というのは、今と変わらず何人もいらっしゃいますね。

―― しかし、70代から、またさらに絵に取り組んでいくというというのは、現代のわれわれの生きる姿としてもぜひ学ばなければならないですね。

堀口 本当にそう思います。

―― 特にいわゆる老境といいますか、老いの時間をどう生きたのかというのは非常に興味深いところなのですが、ここで前回の講義にも出てきた娘の応為さんとの関わり等も含めて、ぜひ見ていきたいと思います。そのへんはいかがでございますか。


●生涯に93回の引っ越し…こたつから出ずに絵を描いた老年の北斎


堀口 2人がどんな親子だったのかということがよく分かる史料がございますので、まずはそちらをじっくり見ていきたいと思います。

―― こちらですね。

堀口 はい。

―― これはずいぶんシンプルな絵ですね。

堀口 こちらは『北斎仮宅之図』という、仮宅というのは一時的に住む場所という意味です。北斎先生は生涯で93回引っ越しをしています。

―― 93回(笑)。

堀口 はい。(93回引っ越しを)なさったということが知られていますので、1カ所に長く暮らさないので、だいたいが「仮宅」という感じではあるのです。

堀口 こちらは、北斎の門人の露木為一という人が描いた、本所にあります榛馬場(はんのきばば)というところにあった北斎の仮宅です。ここに北斎が天保の末期頃に2~3年暮らしていたということなので、北斎が80代半ばで、娘の応為が40代頃のアトリエの様子という感じなのです。

―― まずこの絵です。北斎の顔をあえて柱で隠しているというのが、何か面白味を感じます。

堀口 はい。

―― ま...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「芸術と文化」でまず見るべき講義シリーズ
深掘りシェイクスピア~謎の生涯と名作秘話(1)シェイクスピアの謎
シェイクスピアの謎…なぜ田舎者の青年が世界的劇作家に?
河合祥一郎
「ホメロス叙事詩」を読むために(1)ホメロスを読む
2700年前のホメロスの叙事詩が感動を与え続ける理由
納富信留
クラシックで学ぶ世界史(1)時代を映す音楽とキリスト教
音楽はなぜ時代を映し出すのか?…音楽と人の歴史の関係
片山杜秀
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿(1)政治家・石原慎太郎の源流と核の問題
石原慎太郎と三島由紀夫と近衛文麿…対比で見えてくる現代的課題
片山杜秀
『太平記』に学ぶ激動期の生き方(1)なぜ今『太平記』を読むべきなのか
『太平記』は乱世における人間の処し方が学べる古典文学
兵藤裕己
『ロビンソン・クルーソー』とは何か(1)読み続けられる18世紀の小説
なぜ『ロビンソン・クルーソー』は“最初の近代小説”なのか
武田将明

人気の講義ランキングTOP10
AI時代にリベラルアーツがなぜ必要か(3)リベラルアーツの伝統と教育
身につけるべきリベラルアーツとは?…欧米の伝統と変遷から探る
橋爪大三郎
飽食時代の「選食」のススメ(1)選食の提唱と「食の多様性」
肥満、認知症、低栄養…飽食の時代に大事な「選食力」3カ条
堀江重郎
ウェルビーイングを高めるDE&I(6)エクイティ実現と特権性の理解:前編
改札、公衆トイレ、在宅勤務…構造的格差とエクイティの意味
青島未佳
AI大格差~最新研究による仕事と給料の未来(1)最新研究から見えてくる未来像
AI大格差…なぜ日本の雇用環境では「ショックが大きい」のか?
宮本弘曉
小澤開作と満洲事変・日中戦争(1)少年時代の苦労と五族協和の夢
満洲で「五族協和」に命を懸けた小澤征爾の父・小澤開作
小澤俊夫
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
江戸とローマ~日本酒とワイン(1)醸造技術の進歩と輸送手段の変遷
ワインと日本酒と人生の悦び…酒文化を謳歌した江戸とローマ
本村凌二
20世紀前半の日中関係~この歴史から何を学ぶか(1)
極東の小国が旧超大国・清に挑戦した日清戦争
島田晴雄
編集部ラジオ2026(17)「過剰な良かれ」の落とし穴
【10minで考える】巨人・阿部監督の辞任と「過剰な良かれ」
テンミニッツ・アカデミー編集部
イラン戦争と終末論(1)イラン戦争の戦略的背景と米国の政策
なぜイラン戦争がこのタイミングなのか?戦略的背景に迫る
東秀敏