過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲
この講義シリーズの第1話
登録不要無料視聴できます!
第1話へ
▶ この講義を再生
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
MAGA内戦勃発…なぜトランプがMAGAの敵になってしまうのか
過激化した米国~MAGA内戦と民主党の逆襲(2)MAGAの矛盾と内戦の現状
東秀敏(米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー)
左右を問わず過激化に向かう米国の政治状況。右派の過激化は、MAGAが抱える矛盾がその種となっており、有力インフルエンサーのタッカー・カールソン氏と白人ナショナリストのニック・フエンテス氏の対談によりMAGA内戦の火蓋が切られた。いったいどういうことなのか。100年前の体制へと先祖返りし、露呈したユダヤ問題とは何か。今後、トランプ大統領さえもMAGAの敵になり得る状況だというが、それはなぜか。勃発したMAGA内戦の現状について解説する。(全3話中第2話)
時間:6分36秒
収録日:2025年11月13日
追加日:2025年12月29日
カテゴリー:
≪全文≫

●MAGAの矛盾…「狂騒の1920年代」への先祖返り


 そこで、この過激化プロセスの観点から右派の状況を詳しく見ていきたいと思うのですけれど、MAGAの矛盾がまずあるわけなのです。

 そもそもMAGA(Make America Great Again)というこの運動は、実は保守主義の死を象徴します。これは何がいいたいかといいますと、本来、米国はまず国の歴史が浅い、そしていろいろな多文化から成っている国なので、保守主義はあり得ない国だと思います。しかし、第2次世界大戦後に英国からエドマンド・バークの保守主義を輸入して、冷戦時代は共和党の中核思想が保守主義になりました。

 しかし、これは英国流保守主義であり、米国の土着の思想ではないのです。ここに冷戦時代に英国が当時持っていた対米戦略としてその英米の特別な関係を支援するということがありました。そこで英国が熱心に米国に対して輸出したのが、このエドマンド・バークの保守主義もあります。なので、実は米国のバークを基調としたこの保守主義は、英国の対米戦略の意味合いもあったわけなのです。

 冷戦時代は本当にその英国から輸入した保守主義が主流になったわけなのですけれど、冷戦後に米国の保守主義がネオコン、つまり「新保守主義」といわれる主にユダヤ系の人たちが唱えた新しい保守主義の理論があるのですけれど、このネオコンに乗っ取られました。そして9.11とかイラク・アフガン戦争とかで、積極介入主義の方向になってきまして、それで保守主義が自壊しました。その反動として出てきたのが米国第一主義(アメリカ・ファースト)をその中核とするMAGAという運動なのです。

 このMAGAに乗っ取られた共和党は、2010年代ぐらいから始まるわけなのですけれど、この1920年代に実は先祖返りします。つまり、英国流の保守主義を米国が導入する前にあった共和党の思想が、実は米国第一主義であり、これが21世紀ではMAGAという名前に変わっただけであって、実は1920年代に先祖返りしているということです。つまり当時のハーディング、クーリッジ、フーヴァーによる「狂騒の1920年代」の共和党の思想に先祖返りしている状況が、今のMAGA運動の実態です。

 このMAGAとは、究極的には私の解釈にもとづけば衝動である、(つまり)一つの感情論だと思います。根本にはアメリカ独立革命における暴政に対する嫌悪...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(1)電動化で起こる「カンブリア爆発」
日本のエネルギー政策を「デジタル戦略」で大転換しよう
岡本浩
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
トランプの誤謬…米国製造業を壊した犯人は米国の経営者
島田晴雄
プーチンのロシア―その思想と戦略―(1)プーチン政治の特徴
ロシア皇帝のように悪者を叱る人…プーチンの思想と歴史観
山添博史
民主主義の本質(1)近代民主主義とキリスト教
なぜ民主主義が「最善」か…法の支配とキリスト教的背景
橋爪大三郎
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
ポスト国連と憲法9条・安保(1)国連の構造的問題
核保有する国連常任理事国は、むしろ安心して戦争できる
橋爪大三郎

人気の講義ランキングTOP10
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(4)消された歴史を掘り起こす
根本博の功績は台湾では消されていた…取材でいかに正史を変えたか
門田隆将
昭和の名将・根本博…内蒙古・終戦後の戦い(1)軍人の本義を貫いた根本博中将
ソ連軍から在留日本人4万人を守れ…内蒙古での「戦後」の激闘
門田隆将
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(4)共感としての見えざる手
利とは、義の和である…なぜ道徳的なふるまいが企業活動に重要か
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
近現代史に学ぶ、日本の成功・失敗の本質(6)東條内閣で行われた行政改革
悲惨な末路につながった東條英機内閣での兼職と省庁再編
片山杜秀
戦前派一日本人の憂鬱~太平洋戦争と敗戦後を顧みて…(1)
『きけわだつみのこえ』を読むと今でも涙が止まらない
野田一夫
地政学入門 歴史と理論編(7)戦争を起こさないための地政学
トゥキディデスの罠の教訓…大事なのは戦争回避の4ケース
小原雅博