エンタメビジネスの新たな成長のためには水平展開がいいのか、それともグローバル戦略がいいのか。この問いへの回答として挙げたのは、ソニー・ミュージックがアニメで国境を超え、それに付随してアニソンもどんどん世界に出ているという事実だ。そして、日本のゲームや音楽もグローバルに展開できる可能性がある。台北やマレーシアにZeppをつくったのもそのためである。ではグローバル世界で成功するうえで大事なのは何なのか。韓国を挙げながら語ってもらった。(全5話中第5話)
※インタビュアー:川上達史(テンミニッツ・アカデミー編集長)
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●水平展開かグローバル戦略か――世界と戦うために進めるべき方向性
―― 別の話題になりますが、ソニー・ミュージックエンタテインメントで面白かったのは、日本(の場合)は日本で水平展開をしていく企業をつくっているけれど、アメリカの場合は世界に深掘り(特化)型で、他のワーナーなどと伍してやっているという意味では、同じ組織文化の中に両面がある(という点です)。そこがすごく興味深く、ある意味、日本の家電業界をはじめ、いろいろなメーカーで多いのは、水平展開型で世界と戦うというものです。
水野 総合家電メーカーというか総合電機メーカーはそうですね。
―― それで世界と戦って、(あるところまではガンガンやっていったけれど、)今はだいぶ苦戦している例も多い。両方の組織を見ていて、今後日本の会社がどうあるべきかをお聞きしたいなと思いました。世界で戦う上で、(深掘り的な)特化型で攻めたほうがいいのか(どうか…)。
水野 それは経済評論家の大家にお任せしたい話です(笑)。ただ先ほど言ったように、水平展開かグローバル戦略か、どちらを選ぶかという部分では、自分の経験談からいうと、水平展開、多角化は、けっこうやり方があります。まだまだエンタテインメントでの新規分野が生まれていくと思います。これは平井一夫さん(の言葉)ではないけれど、オートパイロットでもできる話という気がします。
―― オートパイロットとは、どういうことですか。
水野 平井さんがこの間も「(私の)履歴書」(日本経済新聞)で言っていましたが、自分が自動操縦で経営できる状況になっているかどうか。今のソニー・ミュージックは、わりとそれに近いところまで来ていると思います。
そのときに、では新たな成長は何かといえば、やはりグローバルだと思うのです。だからポイントを決める。ソニー・ミュージックの中では、アニメが一番簡単に国境を越えました。中国で、東南アジアで、北米で、です。さらにはヨーロッパでも、アニメは世界で語られるようになった。
そこに付随している音楽、アニソンがどんどん世界に出ていっている。いくらJ-POPで北米のビルボードをめざすとか、アジアでやるといっても、韓国ほどのヒットは出ないですよね。けれどアニソンはもう簡単に、配信のお陰も含めてライブコンサートも満杯にできるような状況になっている。
これを今度はグローバル...