お金とは何か?…金本位制とビットコイン
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ビットコインは通貨たりうるか…法定通貨との併存も困難?
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(4)ビットコインは通貨たりうるか
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
ビットコインには、従来の貨幣にはない柔軟性がある。しかし同時に、流通を管理する組織を拒むところに限界もある。そんなビットコインが、社会のメイン通貨となる未来はやってくるのだろうか。流通量を拡大しきれないビットコインの仕組みを踏まえ、その可能性を考える。(全5話中第4話)
時間:7分43秒
収録日:2025年10月24日
追加日:2026年4月30日
≪全文≫

●発行上限の存在が裏目に出るビットコイン


 さて、ここまでビットコインとその周辺の商品、技術、サービスの姿を見てまいりましたが、その特徴を踏まえ、ビットコインが通貨たりうるかについて考えてみます。

 結論からいえば、広義の意味で通貨といえるとは思いますが、これをメインの通貨として、国が経済運営しようとすると、ゴールドと同じく、経済発展に合わせた通貨供給ができず、通貨としては機能が十分ではないと思っています。

 ビットコインに発行上限があることが、希少性につながり、価値保存の機能を生んでいますが、仮に一国の通貨全体をビットコインにするようなことを試みると、逆にこれがネックとなると思います。

 法定通貨と併存させるという手もありますが、実はそれも困難だと思います。なぜなら、ビットコインだけで生活できず、財・サービスの購入に既存の法定通貨が必要な場合、必ずビットコインと法定通貨の交換が生じます。その場合、ビットコインは法定通貨を基準にすると価格変動率があまりにも大きいため、価値を測る尺度や決済手段としての機能が問題になります。

 この講義の準備をしている2025年10月現在、1BTCは1600万円くらいなので、例えばその1/10の0.1BTCは軽自動車などと同等の価値がありますが、ビットコインの価格変動は大きく、短期間で10~20パーセント変動します。そうすると、ビットコインで支払う場合、短期間で価格が大きく変動しているように見え、交換手段としては使いにくいモノになります。

 実際これが、現在ビットコイン決済があまり広がらない大きな理由です。小口決済で価格変動が無視できる範囲であれば、決済手段として使えるかもしれませんが、その際は今の段階では、手数料がネックになると思います。


●政府のビットコインの推奨は自己矛盾!?


 ちなみにビットコインを法定通貨として、ドルと併存させた中央アメリカの国、エルサルバドルの例を見てみましょう。

 2025年現在、エルサルバドルは人口650万人、GDPはおよそ350億米ドルで、日本の四国と比べると人口は2倍弱、GDPは1/3程度です。この国はもともと銀行口座保有比率が低く、金融インフラ構築のために、銀行システムを新たに構築するよりコストが安いと考え、国家自らがビットコインを購入し法定通貨としました。正確にいえば、米ド...

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