お金とは何か?…金本位制とビットコイン
この講義は登録不要無料視聴できます!
▶ 無料視聴する
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
(会員の方に広告は表示されません)
金本位制復活の可能性は?…ネックは量の操作性、柔軟性
お金とは何か?…金本位制とビットコイン(2)金本位制復活の現実味
養田功一郎(元三井住友DSアセットマネジメント執行役員/YODA LAB代表/金融・経済・歴史研究者)
金本位制復活の可能性が議論されているが、それはどれだけ現実味のある見立てなのか。歴史をひもとくと、金本位制を維持する困難が見えてくる。その維持のためには貨幣の流動性や柔軟性を保つ必要があるが、それを実現する経済体制を築く見通しは薄い。(全5話中第2話)
時間:12分07秒
収録日:2025年10月24日
追加日:2026年4月23日
≪全文≫

●なぜ金本位制復活の可能性は低いのか


 さて、こちらのページ(スライド)では、まず、金本位制復活の可能性について考えています。

 現在、ゴールドの値段が上がっており、「今の紙幣はやがて紙屑になる」「今後は再び金本位制に戻るのだ」といわれることもありますが、結論からいえば金本位制復活の可能性は低いと考えています。その理由を、歴史的経緯を見ながら考えていきたいと思います。

 この表では、左から金貨の時代、真ん中と右側は、金本位制の時代を〈1〉、〈2〉に便宜上分けまして、〈1〉は主に第二次世界大戦前までの時代、〈2〉は第二次世界大戦以降の金本位制の時代とし、この3つに分けた上で、それぞれの期間について、お金の機能、それを維持する要件の中身がどう変わっていったかを見ていきます。

 実はどの区分でも、結局はお金の機能を維持するための要件の一つ、赤枠で囲んだ量の操作性、柔軟性がネックとなり、ついに金本位制を維持することができなくなったと理解しているのですが、それを確認していきましょう。


●こうして貨幣の流動性は低下する


 まず左の金貨の時代ですが、一度見たように経済活動の拡大に合わせた貨幣供給が困難になって機能が低下していきました。下の要件・機能の整理でいえば、量の操作性、柔軟性が低いため、質の安定性が低下、そして価値の保存、価値を測る尺度という機能も落ちていったという整理です。

 例として、先ほど(第1話で)、新井白石の「正徳の治」の際、貨幣の質を維持するあまり供給量が追い付かずデフレとなったお話をさせていただきました。一方、供給量を増やすには、金や銀の希少性ゆえ、含有量を減らして質を落とさざるを得ず、その程度が過ぎるとインフレとなってしまった幕末の例もお話ししました。

 また、金属貨幣は重いので持ち運びコストの上昇もネックとなりました。これは、要件の中の流動性が低下したことで、交換手段としての機能も落ちていったと理解できるでしょう。

 続いて真ん中と右側、金本位制の時代を見ていきます。金貨の代わりに、金を裏付けとした紙幣を発行するようになったので、量の操作性、柔軟性は向上しました。しかしこの場合も結局は、さらなる経済の発展拡大とともに、量のコントロールが難しくなっていきます。

 特に第一次世界大戦の時は、...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
(会員の方に広告は表示されません)
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
デジタル全体主義を哲学的に考える(1)デジタル全体主義とは何か
20世紀型の全体主義とは違う現代の「デジタル全体主義」
中島隆博
アメリカの理念と本質(1)西洋文明の行き着いた先と三つの建国
アメリカの理念と本質とは?…まず「三つの建国」から原点に迫る
中西輝政
紛争が絶えない世界~私たちは何ができるか(1)「戦争の世紀」から再び戦争の時代へ
再び戦争の時代へ――私たちは何を考え、どう動くべきか
小原雅博
マルクス入門と資本主義の未来(1)マルクスとはどんな人物なのか
マルクスを理解するための4つの重要ポイント
橋爪大三郎
独立と在野を支える中間団体(1)「中間団体」とは何か
国家の中で個人が楽しく生きるために、なぜ「中間団体」が重要か
片山杜秀
資産運用の思考法…経済や市場の動きをどう読むか
市場予測のポイント…短期・中期・長期の視点と歴史的洞察
養田功一郎

人気の講義ランキングTOP10
戦前日本の「未完のファシズム」と現代(1)シラス論と日本の政治
独裁ができない戦前日本…大日本帝国憲法とシラスの論理
片山杜秀
編集部ラジオ2026(26)お盆とあの世を考える
【10min解説】特集で考える《お盆とあの世》の本質
テンミニッツ・アカデミー編集部
資本主義の再定義…哲学で考える(3)害なき利とコミュニティの時代
強欲資本主義は死んだ…他者を助けることのできる他者を助ける
中島隆博
死と宗教~教養としての「死の講義」(5)仏教の死:日本編
極楽往生、坐禅、法華経…日本人はいかに死を乗り越えるか
橋爪大三郎
日本の財政の真実を検証する(7)AIと長寿化&質疑応答
AI時代にこそ「熟達者の経験」が生きる&現状の日本経済の実情は
宮本弘曉
教養としての「ユダヤ人の歴史とユダヤ教」(1)ユダヤ人とは誰のことか
ユダヤ人とは?なぜ差別?お金持ち?…『ユダヤ人の歴史』に学ぶ
鶴見太郎
中国春秋戦国時代と始皇帝(4)秦と周辺国の激烈な戦い
秦と周辺国の激戦の真実に迫る…各国の兵力と秦の戦略とは?
鶴間和幸
中国史概説~『皇帝たちの中国』を読む(1)なぜ「中国史はつまらない」のか?
驚きの中国史~「中国史はつまらない」という通説の裏の波乱の真実
宮脇淳子
大統領に告ぐ…硫黄島からの手紙の真実(2)翻訳に込めた日米の架け橋への夢
アメリカ人の心を震わせた20歳の日系二世・三上弘文の翻訳
門田隆将
昭和の名将・根本博…台湾での恩義の戦い(3)共産軍を殲滅――金門島での戦い
共産軍2万を金門島で殲滅…ただし一般人の命を守る軍人の本義を重視
門田隆将