政策研究大学院大学とは
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
国の中枢を担う幹部にふさわしい教育を施す
政策研究大学院大学とは(2)真の「エリートスクール」を目指す
白石隆(公立大学法人熊本県立大学 第3代理事長/国際政治学者)
政策研究大学院大学(GRIPS)学長・白石隆氏は、「うちは幹部候補の人材を育成するエリートスクール」と明言する。「真のエリートスクール」を自負するGRIPSとは、どのような組織体であり、学生はここで何を得るのか? GRIPSの独自性を明かす。(後編)
時間:5分23秒
収録日:2015年1月21日
追加日:2015年4月14日
≪全文≫

●チームメンバーのおかげで国際化と自由な動きを両立


―― 前回、お話しされていたような、柔軟性のあるカリキュラムによく切り替えられましたね。

白石 政策研究大学院大学(GRIPS)は新しい大学ですし、このようなことはあまり大きい声では言えないのですが、教授会がないのです。80人ぐらいの小さい所帯なのですが、幸いにして、副学長や学長補佐など、非常にフットワークの良い人たちが全部合わせると10数名いて、私が何か言うと、本当にその通りにやってくれるようなチームのメンバーがいます。

―― 東京大学では考えられないですね。

白石 ですから、それでうまく回っています。実際問題として、80人のうち10人が動けば、アドミニストレーション(管理)はできます。もちろん、あとの人も教育はきちんとやってくれます。皆、ちゃんと動いて、研究成果などもかなり国際的な成果を出していますので、なかなか恵まれてはいると思います。

―― そういう大学はめったにないですよね。

白石 正直に言って、国立大学のレベルでここまで国際化していて、かなり自由に動ける組織というのは、うちがやはりトップではないでしょうか。別に自慢するつもりはありませんが。


●幹部候補にターゲットを絞り、「エリートスクール」であることを明言


―― すごいところだなという感じがします。年間の予算はどれくらいですか。

白石 そんなに大きくありません。今、33億円ぐらいでしょうか。

―― でも、33億円でものすごい効果を出していますよね。

白石 やはり一種のターゲティングだろうと思うのです。このような言い方は日本ではあまり評判は良くないですが、「うちはエリートスクールです」と言っています。ですから、例えば日本人についても、公務員になりたい人はいらない。すでに公務員になって、中堅になって、これから幹部になる人を教育する所だ、と言っています。

―― 分かりやすいですね。

白石 そのようなことを、はっきり言っています。

 それから、特に外国の政府と話をする時ですが、実は私、非常に人物が良く恰幅のいい貫禄のあるアメリカ人に、学長特別補佐ということで、プロモーション専門でお願いしています。彼が外国に行くと、結構大臣クラスの人が会ってくれるので、「うちはエリートスクールで、将来幹部になる人を教育するところだから、人を送ってくだ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「哲学と生き方」でまず見るべき講義シリーズ
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
老荘思想に学ぶ(1)力のメカニズム
老荘思想は今の時代に人類の指針となる
田口佳史
死と宗教~教養としての「死の講義」(1)「自分が死ぬ」ということ
世界の宗教は死をどう考えるか…科学では死はわからない
橋爪大三郎
禅とは何か~禅と仏教の心(1)アメリカの禅と日本の禅
自発性を重んじる――藤田一照師が禅と仏教の心を説く
藤田一照
「50歳からの勉強法」を学ぶ(1)大人の学びの心得三箇条
大人の学び・3つの心得=自由、世間が教科書、孤独を覚悟
童門冬二
世界神話の中の古事記・日本書紀(1)人間の位置づけ
世界神話と日本神話の違いの特徴は「人間の格づけ」にある
鎌田東二

人気の講義ランキングTOP10
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
歴史の探り方、活かし方(7)史料の真贋を見極めるために
質疑編…司馬遼太郎の「史料読解」をどう評価する?
中村彰彦
内側から見たアメリカと日本(7)ジャパン・アズ・ナンバーワンの弊害
ジャパン・アズ・ナンバーワンで満足!?学ばない日本の弊害
島田晴雄
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(1)サイバー・フィジカル融合と心身一如
なぜ空海が現代社会に重要か――新しい社会の創造のために
鎌田東二
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
今井むつみ
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
小原雅博
熟睡できる環境・習慣とは(2)酒、コーヒー、ブルーライトは悪者か
ブルーライトは悪者か?近年分かった「第3の眼」との関係
西野精治
経験学習を促すリーダーシップ(3)成功の再現性と教え上手の指導法
教え上手の指導法に学ぶ!成功の再現性を高める4ステップ
松尾睦
危機のデモクラシー…公共哲学から考える(1)ポピュリズムの台頭と社会の分断化
デモクラシーは大丈夫か…ポピュリズムの「反多元性」問題
齋藤純一
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫