県知事として大切にしていること-「自分が前に出ていく」
この講義の続きはもちろん、
5,000本以上の動画を好きなだけ見られる。
スキマ時間に“一流の教養”が身につく
まずは72時間¥0で体験
スズキ自動車社長に教わった「中小企業のおやじ」の心構え
県知事として大切にしていること-「自分が前に出ていく」
村井嘉浩(宮城県知事)
東日本大震災で甚大な被害をこうむった宮城県は、村井知事のもと驚くべきスピードで復興計画を立て、着実にそれを実行に移している。「ピンチをチャンスへ」との決意のもと、宮城県を復興へと導く村井知事の信条とは? 
時間:14分12秒
収録日:2014年2月14日
追加日:2014年3月13日
カテゴリー:
≪全文≫

●震災復興計画策定の決め手は「スピード」と「全国レベルの衆知の結集」


---- (宮城県の震災復興計画は、宮城県震災復興会議に外部の有識者を集めて)2ヶ月半で作ってしまった。あのスピード感ですね。

村井 そうですね。あれが非常に大きかったと私も思っています。当然、県議会でも、「宮城県には優秀な人がいるのに、なぜ県外の人ばかり集めたのか」という批判もありました。
でも、私は、まずは全国からいろいろな衆知を集めて、ベースとなるものを作り、その上で県内にあるいろいろな組織の人たちに相談をして、それに肉付けをしていこうと思って実行しました。まず骨格の部分は、それこそ全国レベルから衆知を集めるということをやったのです。それは非常によかったと、今、思っています。

---- 本当にすばらしいスピード感でしたね。外部から衆知を集めて、しかも開催4回で計画の幹を立てるところまで持ってくるというのはすごいと思います。

村井 あのときは突貫工事で大変でした。

---- 岡田(新一)先生などがいい絵を描いてくれましたね。あのようなことは、やはりすごいと思うのですが、県内の人、県庁や県議の人たちにとっては、基本的におもしろくないでしょう。けれども、それを待っていたらずるずるいってしまいますね。

村井 そうなのです。ですから、同じように被災を受けた県では、まったく従来と同じやり方で、県の中の、例えば何々長や何々会長さんといった肩書きのある人たちだけを集めて、復興計画を作った県もあるのです。私のところはまったく逆のやり方をしたので、「なぜほかの県のようなやり方でやらないのだ」というような批判はたしかにありました。
しかし、私はあのやり方は間違っていなかったなと、今、そう思っています。

---- しかし、実際問題として、宮城の復興計画は実際の進捗状況と合っていますよね。あのときに復興計画に盛り込んだ漁港の集約、公設民営、仙台の話、空港の話、片っ端から手を付けていきました。すごいですね。

村井 もう絵に描いた餅にはしたくなかったので、あの復興計画にはきちんと書き込みました。また、あとで検証したときに、「なんだ、書いただけだったな」と言われたくなかったのです。
やはり、水産業復興特区などは、やれるかどうか非常に微妙だったのです。もう本当に高い壁の上をそろりそろりと歩いているよ...

スキマ時間でも、ながら学びでも
第一人者による講義を1話10分でお届け
さっそく始めてみる
「政治と経済」でまず見るべき講義シリーズ
クーデターの条件~台湾を事例に考える(1)クーデターとは何か
台湾でクーデターは起きるのか?想定シナリオとその可能性
上杉勇司
多数派が多数でなくなるとき
悩める多数派…なぜ「多数は少数の集まり」と考えるべきか
曽根泰教
中国共産党と人権問題(1)中国共産党の思惑と歴史的背景
深刻化する中国の人権問題…中国共産党の思惑と人権の本質
橋爪大三郎
日本の財政政策の効果を評価する(1)「高齢化」による効果の低下
高齢化で財政政策の有効性が低下…財政乗数に与える影響
宮本弘曉
2025年、どん底日本を脱却する大戦略(1)日本が凋落した要因を総覧する
日本凋落の「7つの要因」と「10の復活大戦略」
島田晴雄
トランプ・ドクトリンと米国第一主義外交(1)リヤド演説とトランプ・ドクトリン
トランプ・ドクトリンの衝撃――民主主義からの大転換へ
東秀敏

人気の講義ランキングTOP10
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(2)バイアスの正体と情報の抑制
『100万回死んだねこ』って…!?記憶の限界とバイアスの役割
今井むつみ
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
島田晴雄
学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(5)AIに記号接地は可能か
人間とAIの本質的な違いは?記号接地から迫る理解の本質
今井むつみ
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(1)習近平の歴史的特徴とは?
一強独裁=1人独裁の光と影…「強い中国」への動機と限界
垂秀夫
経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本
成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ
松尾睦
徳と仏教の人生論(6)物事の本質を見極めるために
「境地は裏切らない」とは?禅の体験から見えてきたもの
田口佳史
戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(1)内戦と組織動乱の構造
カーク暗殺事件、戦争省、ユダヤ問題…米国内戦構造が逆転
東秀敏
大谷翔平の育て方・育ち方(1)花巻東高校までの歩み
大谷翔平の育ち方…「自分を高めてゆく考え方」の秘密とは
桑原晃弥
編集部ラジオ2025(26)ソニー流!多角化経営と人材論
ソニー流「人材の活かし方」「多角化経営の秘密」を学ぶ
テンミニッツ・アカデミー編集部
産業イニシアティブでつくるプラチナ社会(1)「プラチナ社会」構想と2050年問題
5つの産業で「資源自給・人財成長・住民出資」国家を実現
小宮山宏