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DATE/ 2018.09.16

【仕事と年収】看護師(24歳女性)

 今回は「手術室看護師」の方に年収などのリアルなお金事情、その仕事の内容をうかがいました。

【年齢】24歳(女性)
【住まい】東京都
【独身or既婚】独身

経歴を教えてください。

 4年制の専門学校卒で転職歴なし。この職業を選んだ理由は、現実的に就職に困らないと考えたため。2年目です。

年収/月収/賞与について教えてください。

 年収400万円、月収25万、賞与は70万(夏と秋)。経験年数1年ごとに5,000円ずつ昇給。オンコール待機手当2,000円/回。(緊急手術の場合などにすぐに病院に駆けつけられるようにしておくことに対する手当)

貯蓄額はおいくらですか?

 30万円。

年間休日は?

 110日前後。基本的には、カレンダー通りの休日(月に数回は土曜出勤あり)。

仕事の内容は?残業はどれぐらい?

 手術室に配属されてまず学ぶのが【器械出し】です。医師に「メス」と言われて渡す、アレです。最初は必死に参考書で解剖を学び、手術の流れを徹夜で覚えたりもしましたが、これがなかなか実を結ばず。もちろん何もわからない状態もマズイですが、それよりもこれらのことをざっくりと理解した上で、このタイミングでこの器械を渡すんだな…と勘(?)を働かせたり、医師によってお気に入りの器械があるので、それを覚えたり、といったことの方が大切でした。ある程度、センスがいるのかもしれません…。

 器械出し以外には患者の観察や記録、薬品の準備等を行う外回り業務もメインの仕事内容です。その他、手術室内セッティングや物品補充などなど。

 オペ時間延長等で残業になることもありますが、ほぼ定時上がりです。

この仕事の良い点は?

 入院中の患者に対して手術前・中・後の経過を追って関わることができます。また当たり前ではありますが、○○の疾患や骨折等の状態を治す、改善するといった目的が明確な仕事なので、やりがいが感じられる場面も多いと思います。

この仕事の悪い点は?

 とにかく医師の機嫌を損ねてはいけないことです。手術中は意外なことに流行りの音楽や医師のお気に入りの音楽が流れていたりします。そのような中で医師や周囲の看護師と雑談しながら、調和をとる必要があります。もちろん楽しいことも多いですが、雰囲気を悪くすると、立場が厳しくなる一面もあります。なので、良し悪しですかね…。

 あとは、刃物を使うアナログな現場だからか、体質が古いところです。根性論、いじめ体質など、昔からある負の側面が今でも残っています。

――――――――――

 「看護師」の仕事と年収、いかがでしたでしょうか?

 国税庁の平成28年度の民間給与実態統計調査では、20代前半女性の平均年収は241万円。この方の年収は400万円と同世代の平均を大きく上回っています。仕事の悪い点で、医師の機嫌を損ねてはいけないことを挙げていますが、手術がうまくいくかどうかは医師次第という意味では、医師の機嫌をとるというのは、間違っていないのかもしれません。

<参考サイト>
・国税庁HP「民間給与実態統計調査」より
https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2016/pdf/001.pdf

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