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世界の「軍事費」ランキング
1990年代には冷戦が終わり大きな対立軸は消失しました。しかし、アフリカの内戦や中東の混乱、アジア地域の不安定な状況は続いています。世界の緊張関係はそう簡単には解けないようです。軍事費はこういった緊張関係を表す一つの指標と言えるでしょう。ここでは世界の軍事費についてランキングをみてみましょう。
1位 アメリカ 7780億ドル +4.4% 39%
2位 中国 2520億ドル +1.9% 13%
3位 インド 729億ドル +2.1% 3.7%
4位 ロシア617億ドル +2.5% 3.1%
5位 イギリス 592億ドル +2.9% 3.0%
6位 サウジアラビア 575億ドル -10% 2.9%
7位 ドイツ 528億ドル +5.2% 2.7%
8位 フランス 527億ドル +2.9% 2.7%
9位 日本 491億ドル +1.2% 2.5%
10位 韓国 457億ドル +4.9% 2.3%
1位はアメリカです。7780億ドルは世界の軍事支出の約4割。日経新聞の記事では「研究開発に加え、核兵器の近代化や大規模な武器調達などが主な要因で、中国やロシアと対立したトランプ前政権の米軍強化の姿勢を示している」とされています。2位の中国は26年連続の増加で、この10年間で76%増。日本は9位で前年比1.2%増です。10位の韓国までを合わせると、この上位10カ国で世界の軍事費の4分の3を占めています。2020年は新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界経済もマイナスでしたが、世界の軍事費全体は伸びています。
もっとも多く武器を輸入している地域は、アジアとオセアニア。世界の武器の42%を輸入しています。この地域で特に輸入の多い国としては、インド、中国、韓国、パキンスタンが挙げられています。日本の武器輸入量を世界全体のシェア率で見ると2011年から2015年は1.0%、2016年から2020年では2.2%と2倍以上になっています。ちなみに2016年から2020年の輸入のうち97%はアメリカからです。SIPRIはアジア・オセアニア地域での武器輸入が増えている背景を「中国の脅威の高まりが兵器輸入の大きな要因となっている」と分析しています。
2020年の軍事支出は過去最高額
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の発表によると、2020年時点における世界全体の軍事支出は1兆9810億ドル(約214兆円)となり、実質ベースで前年から2.6%増えています。この金額は統計を取り始めた1988年以降の最高額です。世界のGDPに占める軍事支出も、前年比0.2ポイント増の2.4%に増加。この点についてSIPRIは、新型コロナウイルスによるパンデミックは「世界の軍事支出に大きな影響を与えなかった」と分析しています。軍事費世界トップ10
以下、SIPRIの発表における軍事費が多い国ランキングトップ10です。数字は左から、軍事費、前年比、世界全体の軍事費に対するシェアとなっています。1位 アメリカ 7780億ドル +4.4% 39%
2位 中国 2520億ドル +1.9% 13%
3位 インド 729億ドル +2.1% 3.7%
4位 ロシア617億ドル +2.5% 3.1%
5位 イギリス 592億ドル +2.9% 3.0%
6位 サウジアラビア 575億ドル -10% 2.9%
7位 ドイツ 528億ドル +5.2% 2.7%
8位 フランス 527億ドル +2.9% 2.7%
9位 日本 491億ドル +1.2% 2.5%
10位 韓国 457億ドル +4.9% 2.3%
1位はアメリカです。7780億ドルは世界の軍事支出の約4割。日経新聞の記事では「研究開発に加え、核兵器の近代化や大規模な武器調達などが主な要因で、中国やロシアと対立したトランプ前政権の米軍強化の姿勢を示している」とされています。2位の中国は26年連続の増加で、この10年間で76%増。日本は9位で前年比1.2%増です。10位の韓国までを合わせると、この上位10カ国で世界の軍事費の4分の3を占めています。2020年は新型コロナウイルスが猛威を振るい、世界経済もマイナスでしたが、世界の軍事費全体は伸びています。
兵器取引量は横ばい
一方、2016年から2020年に世界で取引された兵器の量は5年前(2011年から2015年)と比べて0.5%減の「横ばい状態」とされています。また2020年の取引量は、新型コロナウイルスの影響により「群を抜いて少なかった」とする一方で、複数国が大型契約を結んだことに触れ「ここ20年ほど続いた取引の増加傾向が終わったとみるのは時期尚早」とSIPRIは説明しています。資料によると、アメリカは5年前に比べて、武器輸出の世界シェアを32%から37%に伸ばしています。またアメリカの武器輸出量自体は5年前に比べて15%の増加です。輸出の47%は中東に対して行われ、なかでもサウジアラビアはアメリカの武器輸出全体の24%を占めています。また世界シェア3位のフランスは輸出量を5年前に対して44%増やし世界シェアでは8.2%を占めています。輸出の59%はインド、エジプト、カタールに対してのものです。4位のドイツは5年前に対して21%増やし、世界シェアは5.5%。輸出先としては、韓国、アルジェリア、エジプトが上位とのこと。ロシアの武器輸出減少は一時的
一方、武器輸出世界シェア2位のロシアは、5年前に対して22%減らして世界シェアは20%。減少の理由はインドの武器輸出が53%減少したことによるもののようです。この背景にはインドの、ロシア製兵器への依存度を下げる意図や複雑な調達プロセスを避けたい思惑があるようです。ロシアからの輸出を受け入れた国は中国、アルジェリア、エジプトが大幅に伸びている様子。また大型武器取引にも署名したので、今後また増加することが予想されています。5位の中国も5年前に対して7.8%減らしています。主な輸出国はパキスタン、バングラデシュ、アルジェリアとなっています。もっとも多く武器を輸入している地域は、アジアとオセアニア。世界の武器の42%を輸入しています。この地域で特に輸入の多い国としては、インド、中国、韓国、パキンスタンが挙げられています。日本の武器輸入量を世界全体のシェア率で見ると2011年から2015年は1.0%、2016年から2020年では2.2%と2倍以上になっています。ちなみに2016年から2020年の輸入のうち97%はアメリカからです。SIPRIはアジア・オセアニア地域での武器輸入が増えている背景を「中国の脅威の高まりが兵器輸入の大きな要因となっている」と分析しています。
<参考サイト>
・World military spending rises to almost $2 trillion in 2020|STOCKHOLM INTERNATIONAL
PEACE RESEARCH INSTITUTE
https://www.sipri.org/media/press-release/2021/world-military-spending-rises-almost-2-trillion-2020
・International arms transfers level off after years of sharp growth; Middle Eastern arms imports grow most, says SIPRI|STOCKHOLM INTERNATIONAL
PEACE RESEARCH INSTITUTE
https://www.sipri.org/media/press-release/2021/international-arms-transfers-level-after-years-sharp-growth-middle-eastern-arms-imports-grow-most
・TRENDS IN INTERNATIONAL ARMS TRANSFERS, 2020|SIPRI Fact Sheet March 2021
https://sipri.org/sites/default/files/2021-03/fs_2103_at_2020.pdf
・World military spending rises to almost $2 trillion in 2020|STOCKHOLM INTERNATIONAL
PEACE RESEARCH INSTITUTE
https://www.sipri.org/media/press-release/2021/world-military-spending-rises-almost-2-trillion-2020
・International arms transfers level off after years of sharp growth; Middle Eastern arms imports grow most, says SIPRI|STOCKHOLM INTERNATIONAL
PEACE RESEARCH INSTITUTE
https://www.sipri.org/media/press-release/2021/international-arms-transfers-level-after-years-sharp-growth-middle-eastern-arms-imports-grow-most
・TRENDS IN INTERNATIONAL ARMS TRANSFERS, 2020|SIPRI Fact Sheet March 2021
https://sipri.org/sites/default/files/2021-03/fs_2103_at_2020.pdf
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