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DATE/ 2022.02.27

信号待ち中でも「スマホ操作」は違反なのか?

 さまざまな事故の原因にもなる「ながらスマホ」。2019年12月に道路交通法が改正されて、運転中のスマホ操作に厳しい罰則が設けられました。ただ、運転中ではなく停車中であれば問題ないと、信号待ちや渋滞中にスマホをチェックする人も少なくないでしょう。しかし、こうしたタイミングでスマホを操作することは本当に問題ないのでしょうか?

道路交通法に定められた罰則とは

 道路交通法で禁じているのは、運転中に携帯電話を手に持って通話すること、携帯電話やカーナビなどの装置の画像を注視することの2つになります。これらに違反すると、改正前は5万円以下の罰金、普通車は6,000円の反則金、1点の違反点数が課されていましたが、改正後は6ヶ月以下の懲役または10万円の罰金、普通車は18,000円の反則金、3点の違反点数が課されるようになりました。

 また、携帯電話の使用で事故を起こすなど交通の危険を引き起こした場合、改正前は3ヶ月以下の懲役または5万円以下の罰金、2点の違反点数が課され、刑事罰の適用対象ではなく普通車は9,000円の反則金となっていましたが、改正後は1年以下の懲役又は30万円以下の罰金、6点の違反点数が課され、非反則行為と見なされて刑事罰の適用対象とされることになりました。違反点数6点は一発で免許停止になってしまう点数なので、かなり厳しい罰則が定められていることが分かります。

停車中の操作は違反にはならないが…

 上記の通り、運転中の携帯電話の操作には厳しい罰則が定められていますが、いずれも「自動車が停止しているときを除き」という記述があります。つまり、エンジンがかかっていたとしても、車が動いていない状態であれば法に抵触していないといえます。

 とはいえ、信号待ちや渋滞での携帯電話の使用は危険であることに違いありません。スマホに集中していて信号が変わったことに気付かなかった、渋滞で前の車が進んだことに気付かなかったということは起こりえますし、そのことが原因で周囲のドライバーとのトラブルに発展することもあります。

 また、信号待ちではギアをドライブにしたままブレーキペダルを踏んで停車していることが多いと思いますが、ペダルの踏み方が甘いとクリープ現象が起こって少しずつ前進してしまうこともあります。スマホに集中していたらペダルをしっかり踏めておらず、前の車に追突してしまった、歩行者との事故になってしまったということも起こりかねないのです。

運転席に座ったら安全第一に

 運転中のながらスマホによる事故は、2019年まで年々増加していましたが、道路交通法の改正によってその数は激減しました。それでも決してゼロにはなっていないのが現状です。運転席に座っているときには安全を第一に考え、どうしてもスマホでの操作が必要になったときは安全な場所に車を停めてから行うようにしましょう。

<参考サイト>
・信号待ちでのスマホ(携帯電話)操作は違反?│チューリッヒ保険会社
https://www.zurich.co.jp/car/useful/guide/cc-smartphone-waiting-signal/
・やめよう!運転中の「ながらスマホ」違反すると一発免停も!│政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201707/2.html
・やめよう!運転中のスマートフォン・携帯電話等使用│警察庁
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/keitai/info.html
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