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DATE/ 2020.04.18

あなたが気になる電車での他人のマナーは?

 通勤や通学に欠かせない電車。乗ってしまえば目的地まで多くの人と限られた空間を共有するだけに、日頃はスルーしている「マナー違反」が目につきます。満員電車で許せないのは?乗り降りのときのお作法は?一度自分でもチェックしてみましょう。

「音」「匂い」「ゴツゴツ」が気になります

 電車の中で出会ってイラっとする代表格が「イヤホンから漏れ出るカシャカシャ音」だとよく言われます。大した音量ではないのですが、携帯の着信音よりも白い目で見られやすいのは、聞いている人が自覚すれば、なんとか対策ができるため。音量調節や音漏れしにくいタイプを選ぶなど、自分も周囲も快適に車内音楽を楽しむ方法を見つけている人にならってみましょう。

 音といえば、酔っ払った友達や知人同士が周囲を気にせず大声・高声を張り上げるのは、車内マナーとして最悪。夜の電車では、仮眠で疲れを癒したい人も多いことをお忘れなく。

 音と同様、逃げ場なく感じられるのが「匂い」です。お酒の匂いもそうですが、近くで香水の匂いがプンプンすると、耳元で大声で話しつづけられるぐらい苦痛になります。とくに梅雨どきから夏にかけては、汗臭さと制汗剤の匂い、どちらがマシ?とガマンくらべを強いられている気分にも。冬は冬で、シーズン終わりまでクリーニングされないダウンの匂いにも閉口します。

 ハンバーガーやポテト、餃子など、匂いが広がる食べ物は、「食べるか食べないか」以前に持ち込まれただけで気分が悪くなる人も多いはず。少なくとも満員電車では遠慮したいですね。

 電車の中の音や匂いは多少ガマンできても、ガマンできないのが痛み。PCを入れたブリーフケースや角のあるショルダーバッグなどがゴツゴツぶつかってくると、思わず声が出ます。リュックの前持ちをする人も増えましたが、自分がどのぐらいパーソナルスペースを占めているのか、車内では強く意識してみましょう。

「乗り降りの際は…」自分は例外と思ってない?

 ドア付近に立った人が駅に着いても動かないのは、マナー外れというより積極的な迷惑行為。その分乗り降りに無駄な時間を要するのでダイヤの乱れにまでつながります。

 ドア横の空間は「乗り降りに便利」で、多少揺れても落ち着ける場所ですが、ドア周辺だけが混んでいて中はガラガラということもよくあります。乗り降りの人だけでなく、中に入りたい人のじゃまにまでなっていることも想像してみたいです。

 さらにドア横で座席の仕切りにもたれかかりすぎると、端に座っている人に迷惑です。リュックやパーカーのフード、女性の長い髪が侵入してくると、ちょうど目のあたりにぶつかります。ぶつかってからあやまっても、手遅れですね。

 電車のドア横には、意外に多くの問題がひそんでいました。毎日流れるアナウンスにしたがい、「ドア付近は大きく開けて」「車内の中ほどまでお進み」するだけで、車内の空気が変わってきます。

「座席の座り方」に注目が集まっています

 日本民営鉄道協会(民鉄)では乗客のマナーアンケートに取り組み、2000年以来「駅と電車内の迷惑行為ランキング」を発表しています。

 2000年のワースト3は「携帯電話の使用」「座席の座り方」「荷物の持ち方・置き方」でしたが、20年後の2019年では「座席の座り方(詰めない・足を伸ばす等)」「乗降時のマナー(扉付近で妨げる等)」「荷物の持ち方・置き方」が評判の悪い行為です。新たに設けられた「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」もワースト6位を占めました。

 男女別では、男性が「スマートフォン等の使い方」に厳しく(3位)、女性は「周囲に配慮せず咳やくしゃみをする」(4位)に目を光らせていることもわかります。

 関東と関西では、ワースト1が「座席の座り方」で、ワースト3が「乗降時のマナー」なのは共通していますが、2位に違いが現れます。大手民鉄関東9社では「スマートフォン等の使い方(歩きスマホ・混雑時の操作等)」がワースト2、大手民鉄関西5社では「荷物の持ち方・置き方」がワースト2。「騒々しい会話・はしゃぎまわり」は、全国では5位、関東では5位、関西では4位との違いもあります。

 車内マナーを守って、快適・スムーズな通勤・通学をつづけたいものですね。

<参考サイト>
・日本民営鉄道協会「2019年度 駅と電車内の迷惑行為ランキング」
https://www.mintetsu.or.jp/activity/enquete/2019.html
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