社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
最も平和な国は?世界平和度指数ランキング
「最も平和な国は?」と問われたとき、あなたならどの国を思い浮かべるでしょうか。
「最も平和な国」といった大きな問いを考える際に参考となる、世界の163カ国の国・地域の「世界平和度指数」を評価した世界平和度指数ランキング(2022年)が、2022年6月発表されました。
「世界平和度指数」の算出方法は、まず、イギリスの経済誌『エコノミスト』傘下の調査機関「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」を中心とする研究機関や国際機関が収集したデータをもとに、政治的安定、近隣国との関係、外戦・内戦の数、テロ活動の潜在的可能性、国内総生産に占める軍事支出など、23項目の指標を数値化します。
さらに指標を「安全と治安のレベル」「進行中の国内・国際紛争の程度」「軍事化の度合い」の主要3分野に分類し、評価しています。指数が低いほど平和な国・地域と評価されます。
なお、治安がよく犯罪が少ない国・地域であっても、潜在的にテロに巻き込まれるリスクがあったり、周辺諸国との間に緊張があったり、深刻な人権問題がある場合などは、評価が下がります。また、十分なデータを得られなかった国は除外されます。
【「世界平和度指数」(2022年)・トップ20】
[順位(前年比)国・地域(スコア)]
1位(-)アイスランド(1.107)
2位(-)ニュージーランド(1.269)
3位(+5)アイルランド(1.288)
4位(-1)デンマーク(1.296)
5位(+1)オーストリア(1.300)
6位(-2)ポルトガル(1.301)
7位(-2)スロベニア(1.316)
8位(+1)チェコ(1.318)
9位(+2)シンガポール(1.326)
10位(+2)日本(1.336)
11位(-4)スイス(1.357)
12位(-2)カナダ(1.389)
13位(+6)ハンガリー(1.411)
14位(-1)フィンランド(1.439)
15位(+2)クロアチア(1.440)
16位(+1)ドイツ(1.462)
17位(-3)ノルウェー(1.465)
18位(+5)マレーシア(1.471)
19位(+3)ブータン(1.481)
20位(+6)スロバキア(1.499)
アイスランドは、1949年にNATOに加盟していますが、NATO加盟国のなかでは唯一自国の軍隊を持たない国です。そして、非常に治安がよく、犯罪率が極めて低く、また、近代的な高福祉国家としても有名です。
2位のニュージーランドも前年同様の順位をキープしています。そして、3位のアイルランドは前年より5位順位を上げてのトップ3入りを、13位のハンガリーと20位のスロバキアは前年より6位も順位を上げています。
地域別に見ると、トップ20中最多は欧州で14カ国。10位の日本のほか、2位ニュージーランド、9位シンガポール、18位マレーシア、19位ブータンのアジア・太平洋地域は5カ国。そして、12位にランクインしたカナダが北米として1カ国となっています。
なお、2022年の「世界平和度指数」の平和度はレベル別に、(1)最高:1位~15位、(2)高い:16位~67位、(3)中:68位~126位、(4)低い:127位~149位、(5)とても低い:150位~163位――となっています。
ただし、日本の「安全と治安のレベル」は全体の3位にランクインしていますが、「近隣諸国との関係」が1~5の5レベルの真ん中の3と、1ポイント台が多い他の指標より際立って悪く、順位を下げる要因となっています。
また、2021年の評価となりますが、日本は「安心感の欠如」や「自殺者の増加」が目立つ点も指摘されていました。2022年現在、どちらも改善することなく社会的に大きな課題のままとなっています。
いかがでしたでしょうか。冒頭に思い浮かべた「最も平和な国」は変わっていないでしょうか。それとも変わったでしょうか。
「世界平和度指数」には、日本が「平和な国」となるための、さらには世界の国・地域の指標が協調して低くなり、ひいては世界中が「平和な国」となるための、貴重な生きた情報が掲載されています。今日と未来のために、ぜひアクセスしてみてください。
「最も平和な国」といった大きな問いを考える際に参考となる、世界の163カ国の国・地域の「世界平和度指数」を評価した世界平和度指数ランキング(2022年)が、2022年6月発表されました。
「世界平和度指数」とは?
「世界平和度指数」(global peace index:略称GPI)は、オーストラリアのシドニーに本社を置く民間の国際的シンクタンク・経済平和研究所(Institute for Economics and Peace:略称IEP)が2007年から毎年発表している、世界各国・地域の平和度を数値化した指数です。「世界平和度指数」の算出方法は、まず、イギリスの経済誌『エコノミスト』傘下の調査機関「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」を中心とする研究機関や国際機関が収集したデータをもとに、政治的安定、近隣国との関係、外戦・内戦の数、テロ活動の潜在的可能性、国内総生産に占める軍事支出など、23項目の指標を数値化します。
さらに指標を「安全と治安のレベル」「進行中の国内・国際紛争の程度」「軍事化の度合い」の主要3分野に分類し、評価しています。指数が低いほど平和な国・地域と評価されます。
なお、治安がよく犯罪が少ない国・地域であっても、潜在的にテロに巻き込まれるリスクがあったり、周辺諸国との間に緊張があったり、深刻な人権問題がある場合などは、評価が下がります。また、十分なデータを得られなかった国は除外されます。
2022年「世界平和度指数」ランキング・トップ20
ではさっそく、『Global Peace Index 2022』より、2022年の「世界平和度指数」ランキング・トップ20を見てみましょう。【「世界平和度指数」(2022年)・トップ20】
[順位(前年比)国・地域(スコア)]
1位(-)アイスランド(1.107)
2位(-)ニュージーランド(1.269)
3位(+5)アイルランド(1.288)
4位(-1)デンマーク(1.296)
5位(+1)オーストリア(1.300)
6位(-2)ポルトガル(1.301)
7位(-2)スロベニア(1.316)
8位(+1)チェコ(1.318)
9位(+2)シンガポール(1.326)
10位(+2)日本(1.336)
11位(-4)スイス(1.357)
12位(-2)カナダ(1.389)
13位(+6)ハンガリー(1.411)
14位(-1)フィンランド(1.439)
15位(+2)クロアチア(1.440)
16位(+1)ドイツ(1.462)
17位(-3)ノルウェー(1.465)
18位(+5)マレーシア(1.471)
19位(+3)ブータン(1.481)
20位(+6)スロバキア(1.499)
「最も平和な国」はアイスランド!
1位のアイスランドは、2008年以来15年連続で「最も平和な国」でありつづけています。大西洋北部の島国で、1944年にアイスランド共和国として成立しました。人口は、約36万人(2020年1月現在)。アイスランドは、1949年にNATOに加盟していますが、NATO加盟国のなかでは唯一自国の軍隊を持たない国です。そして、非常に治安がよく、犯罪率が極めて低く、また、近代的な高福祉国家としても有名です。
2位のニュージーランドも前年同様の順位をキープしています。そして、3位のアイルランドは前年より5位順位を上げてのトップ3入りを、13位のハンガリーと20位のスロバキアは前年より6位も順位を上げています。
地域別に見ると、トップ20中最多は欧州で14カ国。10位の日本のほか、2位ニュージーランド、9位シンガポール、18位マレーシア、19位ブータンのアジア・太平洋地域は5カ国。そして、12位にランクインしたカナダが北米として1カ国となっています。
なお、2022年の「世界平和度指数」の平和度はレベル別に、(1)最高:1位~15位、(2)高い:16位~67位、(3)中:68位~126位、(4)低い:127位~149位、(5)とても低い:150位~163位――となっています。
日本と世界が「平和な国」となるために
前述したとおり日本は、2022年の「世界平和度指数」ランキングでは10位にランクイン。前年の12位より2位順位を上げた結果となりました。ただし、日本の「安全と治安のレベル」は全体の3位にランクインしていますが、「近隣諸国との関係」が1~5の5レベルの真ん中の3と、1ポイント台が多い他の指標より際立って悪く、順位を下げる要因となっています。
また、2021年の評価となりますが、日本は「安心感の欠如」や「自殺者の増加」が目立つ点も指摘されていました。2022年現在、どちらも改善することなく社会的に大きな課題のままとなっています。
いかがでしたでしょうか。冒頭に思い浮かべた「最も平和な国」は変わっていないでしょうか。それとも変わったでしょうか。
「世界平和度指数」には、日本が「平和な国」となるための、さらには世界の国・地域の指標が協調して低くなり、ひいては世界中が「平和な国」となるための、貴重な生きた情報が掲載されています。今日と未来のために、ぜひアクセスしてみてください。
<参考文献・参考サイト>
・「世界平和度指数」『日本大百科全書』(小学館)
・「世界平和度指数」『情報・知識 imidas』(集英社)
・「アイスランド」『日本大百科全書』(大塚光子・塚本明子著、小学館)
・Global Peace Index 2022
https://www.visionofhumanity.org/resources/
・Covid後の不安定な経済とウクライナ紛争で平和度は15年来の最低水準│株式会社共同通信社
https://www.kyodo.co.jp/pr/2022-06-15_3696774/
・2022年世界平和度指数 15年連続アイスランド1位、欧州上位にランクイン。日本は10位│やまとごころ.jp
https://yamatogokoro.jp/inbound_data/46902/
・アイスランド基礎データ|外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iceland/data.html
・「世界平和度指数」『日本大百科全書』(小学館)
・「世界平和度指数」『情報・知識 imidas』(集英社)
・「アイスランド」『日本大百科全書』(大塚光子・塚本明子著、小学館)
・Global Peace Index 2022
https://www.visionofhumanity.org/resources/
・Covid後の不安定な経済とウクライナ紛争で平和度は15年来の最低水準│株式会社共同通信社
https://www.kyodo.co.jp/pr/2022-06-15_3696774/
・2022年世界平和度指数 15年連続アイスランド1位、欧州上位にランクイン。日本は10位│やまとごころ.jp
https://yamatogokoro.jp/inbound_data/46902/
・アイスランド基礎データ|外務省
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/iceland/data.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
自分を豊かにする“教養の自己投資”始めてみませんか?
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
江戸時代の新宿…水辺の景勝地としての名残、熊野神社
『江戸名所図会』で歩く東京~上水と十二社(2)水辺の観光地としての新宿
世界でも有数の上水道が整備されていた江戸の街。とくに新宿エリアには、玉川上水のみならず、神田上水も流れていたが、そこは牧歌的な観光地としても人気を集めていた。『江戸名所図会』をひもときながら実際に新宿十二社 熊野...
収録日:2024/02/19
追加日:2024/05/12
日本の総人口は2080年まで減少が続く
人口減少と日本の未来(1)日本人口の歴史的推移と予測
「日本の歴史上、初めて急速に人口が減少する」――津田塾大学総合政策学部教授の森田朗氏によれば、日本はかつてないほどに人口が減少していくと予想される。いったいどういうことなのか。それに対してどのような対策が立てられ...
収録日:2018/03/29
追加日:2018/07/24
ノーベル賞受賞「オートファジー」とは?その仕組みに迫る
オートファジー入門~細胞内のリサイクル~(1)細胞と細胞内の入れ替え
2016年ノーベル医学・生理学賞の受賞テーマである「オートファジー」とは何か。私たちの体は無数の細胞でできているが、それが日々、どのようなプロセスで新鮮な状態を保っているかを知る機会は少ない。今シリーズでは、細胞が...
収録日:2023/12/15
追加日:2024/03/17
時空間を自由に移動!分散化で期待される電力消費の冗長性
日本のエネルギー&デジタル戦略の未来像(5)デジタルインフラと電力のこれから
人体における神経と血管の相互補完関係のような、デジタルインフラと電力供給網の密接な関係はいかに構築できるのか。既存の電力設備を活用する最もシンプルな方法や、消費者の近くに点在するデータセンターを活用した、分散型...
収録日:2024/02/07
追加日:2024/05/11
全ては運か!?良い運を引っ張ってくるために心がけること
運と歴史~人は運で決まるか(4)「全ては運で決まる」という疑問
「全ては運で決まる」という考え方がある。しかし、この見方に疑義を唱える山内氏。歴史を振り返ってみれば、「運をつかんだ」といえるケースでは、確実に運をつかむ、あるいは味方につけるための方法が見えてくるからだ。では...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/05/09