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コンビニのおにぎりが小さくなるってホント?
コンビニにずらりと並ぶ多種多様なおにぎり。みなさんにもお気に入りの具材や、「このコンビニのおにぎりがおいしい!」といったこだわりがあるかもしれません。自宅でも手軽に作れるファストフードですが、現代において、コンビニのおにぎりを食べたことがないという日本人は、ほとんどいないのではないでしょうか。
ところが、そんな身近なコンビニのおにぎりが、小さくなってしまうかもしれないのです。
今、この「業務用米」が従来の2割ほど値上がりしているのです。
原因は、レストランなどでの「外食」に加え、スーパーやコンビニなどでおにぎりや総菜を買い自宅で食べる、いわゆる「中食」の消費が増えたことにあります。農林水産省発表の「米の消費拡大について」の調査(平成28年11月)によると、「米の消費における家庭内、外食・中食の占める割合」では、外食・中食の割合が平成9年は18.9%でしたが、平成27年には31.0%と、20年弱のあいだに着々と増えています。
そして、今年2月のYahoo!ニュースでは、こうした外食産業やコンビニなどで必要とされている業務用米約250万トンのところ実際の供給量は約120万トンで、約130万トン不足していることが農水省の試算で分かった、と伝えています。つまり、必要量に対して半分にも満たない生産量ということです。こうして需要と供給のバランスが崩れてしまい、値上がりに繋がってしまいました。
おにぎりの魅力のひとつは、価格の手軽さにあります。一般的にコンビニやスーパーで取り扱っているおにぎりは100~200円程度。メーカー側としては値段を上げることは極力避けたいでしょう。すでに1割ほど米の量を減らしておにぎりを作っている工場も出て来ていると聞いていますし、少しずつ「おにぎり縮小化」の波は広まりつつあるのです。
中学校や高校で「減反政策」という言葉を習ったことがあるのではないでしょうか。「減反政策」とは、米を作りすぎて価格破壊を招かないように、お米の生産を制限する政策のことです。平成30年にこの政策は廃止される予定ですが、生産量が突然増えるのは問題です。そこで国は、家畜のエサとなる「飼料用米」の生産に補助金を出すことを決めたのです。
それは、食用の米の作りすぎを防ぎ、価格の安定化を狙っての政策ですが、年ごとに価格に差の出る業務用米よりも飼料用米の方が安定した経営ができ、補助金までもらえる。農家の方々にも生活がありますから、飼料用米の生産に移行する農家が増えました。
市場では必要とされているはずの業務用米ですが、実際に生産する農家は減っているというのが現状なのです。
外食や中食が一般化し、業務用米が必要とされているなか、お米本来の価格を崩してしまったり、生産量を減らしてしまうことは得策ではありません。この状況に国も危機感を募らせ、業務用米の生産を各地の農家に呼びかけているのです。
ということで、コンビニのおにぎり一つにも、日本経済、日本社会の変化が現れるのです。この問題、今後どういった方向に進んでいくのか、日本人にとって大事な主食であるお米だけに目が離せませんね。
ところが、そんな身近なコンビニのおにぎりが、小さくなってしまうかもしれないのです。
おにぎり縮小化の原因は「業務用米」の不足
家庭向けに販売される米は「家庭用米」といわれ、名前のついたブランド米などが流通しています。対して、コンビニのおにぎりに使われているお米は「業務用米」といって、比較的安価な米です。今、この「業務用米」が従来の2割ほど値上がりしているのです。
原因は、レストランなどでの「外食」に加え、スーパーやコンビニなどでおにぎりや総菜を買い自宅で食べる、いわゆる「中食」の消費が増えたことにあります。農林水産省発表の「米の消費拡大について」の調査(平成28年11月)によると、「米の消費における家庭内、外食・中食の占める割合」では、外食・中食の割合が平成9年は18.9%でしたが、平成27年には31.0%と、20年弱のあいだに着々と増えています。
そして、今年2月のYahoo!ニュースでは、こうした外食産業やコンビニなどで必要とされている業務用米約250万トンのところ実際の供給量は約120万トンで、約130万トン不足していることが農水省の試算で分かった、と伝えています。つまり、必要量に対して半分にも満たない生産量ということです。こうして需要と供給のバランスが崩れてしまい、値上がりに繋がってしまいました。
おにぎりの魅力のひとつは、価格の手軽さにあります。一般的にコンビニやスーパーで取り扱っているおにぎりは100~200円程度。メーカー側としては値段を上げることは極力避けたいでしょう。すでに1割ほど米の量を減らしておにぎりを作っている工場も出て来ていると聞いていますし、少しずつ「おにぎり縮小化」の波は広まりつつあるのです。
国の政策が、複雑に絡んだ結果の生産減
ならば純粋に「米の生産量を増やせばいいのでは?」と思われる方も多いかもしれません。ところが、業務用米の不足は、外食・中食の増加だけが原因ではないのです。この問題には、米の生産を担っている農家の方々の事情も絡んできます。中学校や高校で「減反政策」という言葉を習ったことがあるのではないでしょうか。「減反政策」とは、米を作りすぎて価格破壊を招かないように、お米の生産を制限する政策のことです。平成30年にこの政策は廃止される予定ですが、生産量が突然増えるのは問題です。そこで国は、家畜のエサとなる「飼料用米」の生産に補助金を出すことを決めたのです。
それは、食用の米の作りすぎを防ぎ、価格の安定化を狙っての政策ですが、年ごとに価格に差の出る業務用米よりも飼料用米の方が安定した経営ができ、補助金までもらえる。農家の方々にも生活がありますから、飼料用米の生産に移行する農家が増えました。
市場では必要とされているはずの業務用米ですが、実際に生産する農家は減っているというのが現状なのです。
おにぎりに現れる社会の変化
また、飼料用米の生産とは別に、ブランド米の生産に力を入れる農家も増えています。家庭用米の供給量は年々下がっているものの、ブランド米の需要は高く、また米そのものに高い価値がつくため、新たに参入を試みる農家も多いのです。こちらも業務用米の生産量低下に影響を与えています。外食や中食が一般化し、業務用米が必要とされているなか、お米本来の価格を崩してしまったり、生産量を減らしてしまうことは得策ではありません。この状況に国も危機感を募らせ、業務用米の生産を各地の農家に呼びかけているのです。
ということで、コンビニのおにぎり一つにも、日本経済、日本社会の変化が現れるのです。この問題、今後どういった方向に進んでいくのか、日本人にとって大事な主食であるお米だけに目が離せませんね。
<参考サイト>
・農林水産省:「米の消費拡大について」(平成28年11月)
・Yahoo!ニュース:主食用16年産米用途 130万トン不均衡 家庭用過剰に 業務への誘導課題
・農林水産省:「米の消費拡大について」(平成28年11月)
・Yahoo!ニュース:主食用16年産米用途 130万トン不均衡 家庭用過剰に 業務への誘導課題
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