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DATE/ 2017.05.17

サビオ?リバテープ?全国で違う〇〇の呼び方

 「所変われば品変わる」という諺がありますが、品は変わらずに名前が変わるというケースが多々あります。様々な地方から学生が集まる大学であるとか、大きな職場でのコミュニケーションでは定番のネタになるのではないでしょうか。

ばんそうこう

 ここ数年、話題となっているのが、血が出たり傷ついたところに貼るあのテープです。一般的には、絆創膏と呼ぶのがよいでしょうか。日本で最初に絆創膏つくったという九州は熊本のリバテープ製薬株式会社のサイトでは、全国の分布図つきで地方毎の呼び名を紹介しています。

【カットバン】
東北地方、山陰地方、山梨県、岡山県、鳥取県、島根県、山口県、愛媛県、高知県、長崎県、鹿児島県

【バンドエイド】
関東地方、岐阜県、愛知県、三重県、大阪府、滋賀県、京都府、兵庫県、香川県、徳島県

【リバテープ】
九州地方、奈良県

【絆創膏】
石川県、福井県、新潟県、長野県、静岡県

【サビオ】
北海道、和歌山県、広島県

【キズバン】
富山県

 やはり、流通している商品名の影響が強く出ているのでしょうか。家庭用置き薬で有名な富山県が独立しているのがとても興味深いです。出身地当てクイズにも使えそうなネタですね。

ホチキス

 次のテーマは貼るのではなく閉じるときに使う文房具「ホチキス」です。はじめて会社に入ったときに上司から「マックス」を持ってきてと言われて戸惑ったことがあります。

 「ホチキス」は、「ホッチキス」「ステープラー」「マックス」とさまざまな呼び名があります。Wikipediaでは、宮城県北部などでの「ジョイント」、北東北での呼び名「ガッチャンコ」といった例も紹介されています。

 もともとは「ステープラー」がJIS規格上の名称なのですが、日本においては米国より初めて輸入したステープラーが、E.H.ホッチキス社のモデルであったことから、商標の普通名称化より定着したようです。

「うなぎ」か「まむし」か

 絶滅が危惧され高騰してる「うなぎ」ですが、近畿圏では「まむし」と呼びます。はじめて聞いたときには、蛇の料理かとビックリすることひとしきり。

 「まむし」になった由来は諸説あり、「鰻飯」(まんめし)が「まむし」になまったという説とご飯の上にうなぎを置いてタレを「まぶす」ところから「まむし」になったという説が有名です。

「大判焼き」か「今川焼き」か

 食べ者つながりで、もうひとネタ。小麦粉の生地を円形の焼き型に流し込んで餡をいれて成形する和菓子の呼び名です。

 「大判焼き」か「今川焼き」かという二択にとどまらず、北海道、青森県では「おやき」。大阪市、堺市、九州では「回転焼き・回転饅頭」。形状や製法に基づいて、「小判焼き」「太鼓焼き」といった名称が知られています。

 また、商品名や地域毎の名称で覚えているケースも多いのではないでしょうか。昨年の大河ドラマ「真田幸村」の舞台となった上田市では「志゛まんやき」として、商標からの普通名称化して近隣の住民にとどまらず親しまれています。

 あげればキリがなく、ここにあげたのはごく一部です。その他、「自動車学校」から「トウモロコシ」など興味深い呼び名の違いもありますので、ローカルな話題をグローバルに転換する「あるある」ネタとして、初対面の人とのコミュニケーションのキッカケにしてみてはいかがでしょうか。

<参考サイト>
・リバテープ製薬株式会社 絆創膏の呼び方MAP
http://www.libatape.jp/about/namemap.html
・Wikipedia ステープラー
https://ja.wikipedia.org/wiki/ステープラー
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