社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
	
消費カロリーでみる日常生活でできるエクササイズ
		        	    
 大人になるとどうしても運動不足になりがち。ダイエットのためにも運動はしなきゃ、と考えている人は少なくないと思います。でもジョギングをしたりジムに通ったりするほどのモチベーションもないし…、それもわかります。そんな人のために、日常生活のちょっとした意識改革がどれだけの効果をもたらすか紹介したいと思います。
METsとは、「Metabolic equivalents」の略で、上に挙げた階段登りや歩行など様々な運動を行った時に、何もしない安静状態と比べて何倍カロリーを消費しているか示したものです。ちなみに安静時(例:横になって静かにテレビを観る)が1.0METsで、時速4kmで平らな道を歩行した場合は3.0METs。カロリー計算は以下の式から導き出せます。
METs × 体重 × 運動時間 × 1.05=消費カロリー(kcal)
例:体重60kgの人が3.0METsの強度で30分歩行した場合、
3.0 × 60 × 0.5 × 1.05=94.5(kcal)
となります。
METs表を見ると、非常に多くの運動に対する数値が載っており、なんと歩行だけでも56種類。先ほどは時速4kmかつ平らな道を例に出しましたが、早歩き(時速6.4km、5.0METs)や、バックパックを背負って歩く(7.0METs。重さによって強度は違うと思うのですが、何kgのバックパックかは書かれていません…)など細分化されています。日常であまり運動とは意識されていないような動作もMETs表はしっかりカバーしています。「家での活動」部門では部屋の片づけ(4.8METs)、洗濯物干しや衣類の手洗い(4.0METs)など。家事だって立派なエクササイズだということがわかりますね。
本題の「日常生活のちょっとした意識改革」ですが、例えば通勤時の歩くスピードを速くしただけで2.0METsプラスに、エスカレーターを使わずに階段を使うことで8.0METsの運動をすることになります。階段登りの8.0METsは時速8kmのジョギングと同程度なので、実はなかなかの強度なのです。
Aさんが日常で歩く時間は自宅から駅までの15分、駅からオフィスまでの5分です。まずは行きの20分を通常のスピードから早歩きに変えたとしましょう(早歩きにした分、歩行時間は15分に短縮されます)。さらにオフィスでエスカレーター、エレベーターに乗らず、階段を登ることにしました。6階まで登って3分。ランチで外出した後もまた3分登ります。帰宅時は1駅遠い駅で降り、オフィス→駅の歩行時間も含め30分早歩きで帰宅することにします。すべて計算してみると以下の通りです。
[意識改革前]
3.0 × 80 × 0.67 × 1.05=168(kcal)通勤、帰宅時
↓
[意識改革後]
5.0 × 80 × 0.25 × 1.05=105(kcal)通勤時
8.0 × 80 × 0.1 × 1.05=67(kcal)階段登り(2回)
5.0 × 80 × 0.5 × 1.05=210(kcal)帰宅時
105+67+210(意識改革後の消費カロリー)-168(従来のカロリー)=214(kcal)
1日あたり214kcal消費が増えるわけです。ダイエットの原則は簡単で、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば痩せます。1kgの体脂肪を落とすために必要な消費カロリーは7200kcalなので、30日強この生活を続けることで1kg痩せるということになります。1ヵ月だと目に見えた変化はないかもしれませんが、半年、1年と続ければどうなるか―。5kg、10kg痩せることだって夢ではありません。
また、ジョギング並みの強度になる階段登りですが、1段飛ばしで登るよりも1段ずつ登った方がカロリーの消費量が多いそうです。イギリスのローハンプトン大学が研究したところによると、1段ずつの方が1割強消費カロリーが多かったのだとか。1段飛ばしの方が疲れるのに消費カロリーは少ない、ある意味疲れ損とも言えるかもしれません。
		        消費カロリーは全てMETsでわかる!
歩いたら、階段登ったら、自転車に乗ったら。それぞれカロリーをどれだけ消費するのか、独立行政法人国立健康・栄養研究所が発表している「身体活動のメッツ(METs)表」を利用すると便利です。METsとは、「Metabolic equivalents」の略で、上に挙げた階段登りや歩行など様々な運動を行った時に、何もしない安静状態と比べて何倍カロリーを消費しているか示したものです。ちなみに安静時(例:横になって静かにテレビを観る)が1.0METsで、時速4kmで平らな道を歩行した場合は3.0METs。カロリー計算は以下の式から導き出せます。
METs × 体重 × 運動時間 × 1.05=消費カロリー(kcal)
例:体重60kgの人が3.0METsの強度で30分歩行した場合、
3.0 × 60 × 0.5 × 1.05=94.5(kcal)
となります。
METs表を見ると、非常に多くの運動に対する数値が載っており、なんと歩行だけでも56種類。先ほどは時速4kmかつ平らな道を例に出しましたが、早歩き(時速6.4km、5.0METs)や、バックパックを背負って歩く(7.0METs。重さによって強度は違うと思うのですが、何kgのバックパックかは書かれていません…)など細分化されています。日常であまり運動とは意識されていないような動作もMETs表はしっかりカバーしています。「家での活動」部門では部屋の片づけ(4.8METs)、洗濯物干しや衣類の手洗い(4.0METs)など。家事だって立派なエクササイズだということがわかりますね。
本題の「日常生活のちょっとした意識改革」ですが、例えば通勤時の歩くスピードを速くしただけで2.0METsプラスに、エスカレーターを使わずに階段を使うことで8.0METsの運動をすることになります。階段登りの8.0METsは時速8kmのジョギングと同程度なので、実はなかなかの強度なのです。
日常生活にちょっと運動を足してみると
METsで表現してもわかりづらいと思うので、消費カロリーと摂取カロリーが均衡している40歳で80kgのAさんを例に見てみましょう。Aさんが日常で歩く時間は自宅から駅までの15分、駅からオフィスまでの5分です。まずは行きの20分を通常のスピードから早歩きに変えたとしましょう(早歩きにした分、歩行時間は15分に短縮されます)。さらにオフィスでエスカレーター、エレベーターに乗らず、階段を登ることにしました。6階まで登って3分。ランチで外出した後もまた3分登ります。帰宅時は1駅遠い駅で降り、オフィス→駅の歩行時間も含め30分早歩きで帰宅することにします。すべて計算してみると以下の通りです。
[意識改革前]
3.0 × 80 × 0.67 × 1.05=168(kcal)通勤、帰宅時
↓
[意識改革後]
5.0 × 80 × 0.25 × 1.05=105(kcal)通勤時
8.0 × 80 × 0.1 × 1.05=67(kcal)階段登り(2回)
5.0 × 80 × 0.5 × 1.05=210(kcal)帰宅時
105+67+210(意識改革後の消費カロリー)-168(従来のカロリー)=214(kcal)
1日あたり214kcal消費が増えるわけです。ダイエットの原則は簡単で、消費カロリーが摂取カロリーを上回れば痩せます。1kgの体脂肪を落とすために必要な消費カロリーは7200kcalなので、30日強この生活を続けることで1kg痩せるということになります。1ヵ月だと目に見えた変化はないかもしれませんが、半年、1年と続ければどうなるか―。5kg、10kg痩せることだって夢ではありません。
マニアックな運動も網羅するMETs表
ちなみにこのMETs表、よく読んでみると結構面白い運動もいろいろあります。おそらく元々の数値は海外機関が出しているかと思うのですが、「ストーブの上でインドパンを焼く」(3.0METs)、「メープルシロップづくり」(5.0METs。早歩きと同程度)、狩猟:野生の豚(3.0METs)などなど。そこまで細分化するのか!と突っ込みたくなります。また、ジョギング並みの強度になる階段登りですが、1段飛ばしで登るよりも1段ずつ登った方がカロリーの消費量が多いそうです。イギリスのローハンプトン大学が研究したところによると、1段ずつの方が1割強消費カロリーが多かったのだとか。1段飛ばしの方が疲れるのに消費カロリーは少ない、ある意味疲れ損とも言えるかもしれません。
<参考サイト>
・改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』
http://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf#search=%27METs+%E8%A1%A8%27
・METs(メッツ)とは|運動の消費カロリー|エクササイズ | ダイエットナビ | CLUB Panasonic
http://club.panasonic.jp/diet/exercise/mets/about_mets.html
			            
		            ・改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』
http://www.nibiohn.go.jp/files/2011mets.pdf#search=%27METs+%E8%A1%A8%27
・METs(メッツ)とは|運動の消費カロリー|エクササイズ | ダイエットナビ | CLUB Panasonic
http://club.panasonic.jp/diet/exercise/mets/about_mets.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
		より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
		
			明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
			『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
		
	宇宙の理法――松下幸之助からの命題が50年後に解けた理由
徳と仏教の人生論(1)経営者の条件と50年間悩み続けた命題
半世紀ほど前、松下幸之助に経営者の条件について尋ねた田口氏は、「運と徳」、そして「人間の把握」と「宇宙の理法」という命題を受けた。その後50年間、その本質を東洋思想の観点から探究し続けてきた。その中で後藤新平の思...
		収録日:2025/05/21
		追加日:2025/10/24
							
	なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み
何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み
なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
		収録日:2025/05/12
		追加日:2025/11/02
							
	なぜ二本立ての評価制度が必要か…多種多様な人材の評価法
エンタテインメントビジネスと人的資本経営(6)評価制度設計と「夢」の重要性
人的資本経営で非常に大事なのが人事評価制度である。しかし、正解はなく、会社や環境に応じて、形を変える必要がある。ポイントは、短期評価と長期的人材育成を踏まえた二本立ての評価制度設計をすること。たとえばクリエイテ...
		収録日:2025/05/08
		追加日:2025/11/04
							
	メンタルが苦しくなったら?…今、夏目漱石を読み直す意味
いま夏目漱石の前期三部作を読む(1)夏目漱石を読み直す意味
反知性主義が跋扈する現代社会。21世紀も四半世紀が過ぎ、知性で社会を理解しようとすればするほど葛藤が生まれるこの時代、日本人にとってはもう一度読み直すべき作家が夏目漱石ではないだろうか。実は1世紀以上前の明治の終...
		収録日:2024/12/02
		追加日:2025/03/02
							
	ケルト神話とは…ダーナ神族、アルスター神話、フィアナ神話
ケルト神話の基本を知る(1)ケルト地域と3つの神話群
ケルト神話とは何か。ケルトという地域は広範囲にわたっており、一般的にアイルランドを中心にした「島のケルト」と、フランスやスペインの西北部などに広がった「大陸のケルト」があるが、神話が濃厚に残っているのはアイルラ...
		収録日:2022/04/12
		追加日:2023/07/23
							
	
				
	
				
			

