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社会人が使うと恥ずかしい「バイト敬語」とは?
「御注文は以上でよろしかったでしょうか?」「メニューのほう、おさげします」「御注文のコーヒーになります」……しばしば耳にするこれら言い回しは「アルバイト敬語」、ファミレスやコンビニで多く使われているため「ファミ・コン言葉」とも呼ばれています。敬語については文法として学校教育の中で教わりますが、実際に使って話すことに不慣れなアルバイトの若者や学生のマニュアルになったものですね。
あまりによく耳にしているので、接客としては正しいのかなと思われがちですが、「アルバイト敬語」、文法としてはやはりおかしいところがあるようです。社会人になっても使い続けている人はいませんか?
1 ×「御注文は以上でよろしかったでしょうか」→○「御注文は以上でよろしいでしょうか」
たった今受けた注文を過去形で確認するのは誤りです。そのまま「よろしいでしょうか」で問題ありません。
2 ×「メニューのほう、お下げします」→○「メニューをお下げします」
?「コーヒーのほうをお持ちしてもよろしいですか」→△状況による
「のほう」は本来方角を表している言葉なので、メニューなどを下げる場合には当てはまりません。しかし、食後のコーヒーなどを持ってきて良いかと尋ねるなど、複数あった注文のひとつを示している場合は、用法としてあっています。ただし、注文がコーヒーだけで他がない場合に使うと誤りになるなど、状況によっての使い分けが必要です。
3 ×「コーヒーになります」→○「コーヒーでございます」
「コーヒーになりますってお前がコーヒーになるのか、変身してみろ」とお客に絡まれたというエピソードは飲食店でのアルバイト経験者にはよくある話だそうです。「なる」という動詞は「状態が変化する」という意味を持つので、そう突っ込まれるのでしょう。
このようなトラブルを避けるには「~になります」を「~でございます」と言い換えるのが勧められています。が、「~でございます」を使うよう徹底させたせいで、馬鹿丁寧だという印象を与えてしまい、かえって辟易されるケースもあるとか……アルバイト敬語が問題なのは文法の正誤以上に、状況に応じての使い分けがない紋切り型なことにあるのかもしれません。
以上が「アルバイト敬語」の代表的なものですが、文法上の正誤については専門家間では論争があるようです。また、「~になります」などは細かなニュアンスの違いや、明治の頃からも用例があるなど、間違いというよりは言葉の使われ方の変化そのものではないかという指摘も出ています。
5 ×「拝見いたします」→○「拝見します」
6 ×「部長がそのように申されました」→○「部長がそのようにおっしゃっていました」
アルバイト敬語は使わないようになっても、日本語の使い分けはネイティブであっても難しいです。また、文法としてはおかしくても、慣習として使われている言い回しも多くあります。上記の×印が付いているものは、二重敬語、一見正しいように見える間違いの用例です。
4番は「なさる」と「~れる」が両方とも尊敬語になっています。5番は「拝見」は「見る」の謙譲語、「いたします」は「する」謙譲語なので、こちらも二重敬語になってしまいます。6番は「申す」は「話す」の丁寧語で、自分側の行為や物事に対して使う言い回しなので、目上の人には使えないので間違い……感覚的にはわかっていても文法としてミスを説明するのは知識が要りますね。
とはいえ、社会人になってもアルバイト敬語では困ることも事実です。個人の言葉遣いが組織全体のイメージを悪くしてしまう可能性も少なくありません。実際に社会人として必要な敬語を覚えるのは勤め先に入ってからという若者がほとんどの時代、恥ずかしくない敬語の使い方を指導することも、先輩としての務めですね。
あまりによく耳にしているので、接客としては正しいのかなと思われがちですが、「アルバイト敬語」、文法としてはやはりおかしいところがあるようです。社会人になっても使い続けている人はいませんか?
巷で使われているアルバイト敬語
ファミリーレストランを舞台に想像してもらうとわかりやすいでしょう。ウェイター/ウェイトレスを呼んで注文をすませると……1 ×「御注文は以上でよろしかったでしょうか」→○「御注文は以上でよろしいでしょうか」
たった今受けた注文を過去形で確認するのは誤りです。そのまま「よろしいでしょうか」で問題ありません。
2 ×「メニューのほう、お下げします」→○「メニューをお下げします」
?「コーヒーのほうをお持ちしてもよろしいですか」→△状況による
「のほう」は本来方角を表している言葉なので、メニューなどを下げる場合には当てはまりません。しかし、食後のコーヒーなどを持ってきて良いかと尋ねるなど、複数あった注文のひとつを示している場合は、用法としてあっています。ただし、注文がコーヒーだけで他がない場合に使うと誤りになるなど、状況によっての使い分けが必要です。
3 ×「コーヒーになります」→○「コーヒーでございます」
「コーヒーになりますってお前がコーヒーになるのか、変身してみろ」とお客に絡まれたというエピソードは飲食店でのアルバイト経験者にはよくある話だそうです。「なる」という動詞は「状態が変化する」という意味を持つので、そう突っ込まれるのでしょう。
このようなトラブルを避けるには「~になります」を「~でございます」と言い換えるのが勧められています。が、「~でございます」を使うよう徹底させたせいで、馬鹿丁寧だという印象を与えてしまい、かえって辟易されるケースもあるとか……アルバイト敬語が問題なのは文法の正誤以上に、状況に応じての使い分けがない紋切り型なことにあるのかもしれません。
以上が「アルバイト敬語」の代表的なものですが、文法上の正誤については専門家間では論争があるようです。また、「~になります」などは細かなニュアンスの違いや、明治の頃からも用例があるなど、間違いというよりは言葉の使われ方の変化そのものではないかという指摘も出ています。
社会人になってからも間違いやすい敬語
4 ×「~をなされるのですか」→○「~をなさるのですか」5 ×「拝見いたします」→○「拝見します」
6 ×「部長がそのように申されました」→○「部長がそのようにおっしゃっていました」
アルバイト敬語は使わないようになっても、日本語の使い分けはネイティブであっても難しいです。また、文法としてはおかしくても、慣習として使われている言い回しも多くあります。上記の×印が付いているものは、二重敬語、一見正しいように見える間違いの用例です。
4番は「なさる」と「~れる」が両方とも尊敬語になっています。5番は「拝見」は「見る」の謙譲語、「いたします」は「する」謙譲語なので、こちらも二重敬語になってしまいます。6番は「申す」は「話す」の丁寧語で、自分側の行為や物事に対して使う言い回しなので、目上の人には使えないので間違い……感覚的にはわかっていても文法としてミスを説明するのは知識が要りますね。
言葉は生もの、敬語も土地や時代によって変化する
ご存知の通り、言葉の使われ方は日々変化します。それぞれの土地に方言があるように、時代によってニュアンスや用法が変わることも珍しくありません。2007年に文化庁によって発表された『敬語の指針』を読みますと、以前は「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の3種類に分けられていた「敬語」が、「尊敬語・謙譲語I・謙譲語II(丁重語)・丁寧語・美化語」と5種類に分類が増えるなど、時代によって文法自体が変わることがわかります。今は文法として「正しい/間違い」とされている言葉も、この先もそのままとは限りません。とはいえ、社会人になってもアルバイト敬語では困ることも事実です。個人の言葉遣いが組織全体のイメージを悪くしてしまう可能性も少なくありません。実際に社会人として必要な敬語を覚えるのは勤め先に入ってからという若者がほとんどの時代、恥ずかしくない敬語の使い方を指導することも、先輩としての務めですね。
<参考文献・参考サイト>
・「敬語の指針」文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/sokai/sokai_6/pdf/keigo_tousin.pdf
・「バイト言葉」wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/バイト敬語
・「させていただく」はNG! アルバイト敬語、使っていませんか?」マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/business_manners-5/
・『敬語は変わる』(井上史雄編、大修館書店)
・『オールカラー ビジネス敬語のマナー 完全版』(唐沢明監修、ナツメ社)
・「敬語の指針」文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/sokai/sokai_6/pdf/keigo_tousin.pdf
・「バイト言葉」wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/バイト敬語
・「させていただく」はNG! アルバイト敬語、使っていませんか?」マイナビニュース
https://news.mynavi.jp/article/business_manners-5/
・『敬語は変わる』(井上史雄編、大修館書店)
・『オールカラー ビジネス敬語のマナー 完全版』(唐沢明監修、ナツメ社)
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