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最も「睡眠時間の長い」&「早起き」な都道府県は?
朝に強い「朝型」の人と、その逆に朝は弱いけれど夜になると冴えてくる「夜型」の人がいるとよく言われます。雑談の流れで、「朝型ですか? それとも夜型ですか?」なんて質問もしばしば。
けれども、「早起きは三文の得」という有名なことわざがあるように、大部分の人にとっては「朝型」の方が健康的にも経済的にも得があると考えられています。「夜型」を自称している人にとってはきっと耳をおおいたくなる類の話でしょう。
「朝型」になるためは「早起き」という超難題を突破しなければなりません。その「早起き」が同じ日本でも都道府県ごとにちょっと違うことを知っていますか。つまり、かなり「早起き」だと自負していても別の県に行ったらそれほど「早起き」でもなかったり、その逆も起こりうるということです。
総務省統計局が発表している「睡眠時間たっぷり!?ランキング」「早起き!?ランキング」をもとにして、各都道府県の睡眠・起床事情をお伝えします。
昭和51年以来、5年ごとにおこなわれていて、この平成28年調査はその9回目に当たります。「平成28年版」というと、ちょっと古いと思われるかもしれませんが、次の調査結果が出るまではまだちょっと待たないといけません。
平成28年というと、熊本地震があった年です。そのため、熊本地震の影響が大きかった地域は調査対象から除外されました。その被災地域を除外した全国約7300調査区内の世帯のうちから、無作為に選定した約8万8千世帯の10歳以上の世帯員約20万人が調査対象となっています。回答は、配布された調査票を提出するか、インターネットで回答する方法によりおこなわれました。
<トップ10順位:都道府県:時間>
1位:秋田県:8.02
2位:青森県:7.59
3位:山形県:7.56
4位:岩手県:7.54
5位:島根県:7.53
5位:宮崎県:7.53
7位:高知県:7.52
8位:北海道:7.51
9位:福島県:7.50
10位:新潟県:7.48
10位:鹿児島県:7.48
1位秋田県から同列10位の新潟県、鹿児島県まででも15分もの差があります。「朝の15分」がどれほど貴重かは皆さんご承知のことと思います。とくに早起きが苦手な人ほど、「あと10分あれば」「あと15分ほしい」と願ったり祈ったりした経験も少なくないのではないでしょうか。
傾向としては、秋田県、青森県、山形県、福島県、新潟県、それから北海道と冬には必ず雪の降る寒冷地帯が多くなっています。
<ワースト10順位:都道府県:時間>
1位:埼玉県:7.31
2位:千葉県:7.32
3位:神奈川県:7.33
4位:奈良県:7.35
4位:兵庫県:7.35
4位:愛知県:7.35
4位:東京都:7.35
8位:大阪府:7.36
9位:茨城県:7.37
10位:静岡県:7.38
10位:長崎県:7.38
下位はかなり拮抗しています。同列4位が4県もあり、同列10位も2県あって、1位から10位までたったの7分差です。ワーストのトップ10は埼玉県、千葉県、神奈川県、東京都の東京圏、それから奈良県、兵庫県、大阪府の関西圏、また名古屋を抱える愛知県といった大都市が多いのが特徴です。
<トップ10順位:都道府県:時間>
1位:岩手県:6:17
2位:青森県:6:18
2位:静岡県:6:18
4位:富山県:6:19
4位:岐阜県:6:19
6位:秋田県:6:20
6位:福島県:6:20
6位:栃木県:6:20
9位:石川県:6:22
10位:新潟県:6:23
10位:福井県:6:23
10位:香川県:6:23
10位:鹿児島県:6:23
<ワースト10順位:都道府県:時間>
1位:京都府:6:52
2位:東京都:6:47
3位:大阪府:6:46
4位:愛媛県:6:40
5位:沖縄県:6:36
5位:福岡県:6:36
5位:兵庫県:6:36
8位:広島県:6:35
8位:和歌山県:6:35
10位:佐賀県:6:33
10位:徳島県:6:33
10位:奈良県:6:33
10位:滋賀県:6:33
10位:三重県:6:33
「睡眠時間」は1位と最下位で31分の差がありましたが、「早起き」の時刻もだいたい同じで35分の差でした。そして、「睡眠時間」が長い都道府県と「早起き」の都道府県は、どちらも寒冷地域が多く、大まかに一致しています。
ただし、下位に関して「早起き」の時刻は、「睡眠時間」とは若干異なる傾向があらわれています。愛媛県、沖縄県、福岡県、佐賀県、徳島県など四国、九州、沖縄といった南方の地域がランクインしていることです。「早起き」を困難にする要因も気温との関係があるのかもしれません。
「睡眠時間」と「早起き」の時刻を重ね合わせると、だいたいの就寝時間も推測することができます。例えば、睡眠時間の最も長い秋田県は22時15分頃、東京都は23時10分頃が平均的な就寝時間です。起床時刻の平均時間が早い地域は、「早起き」のセットとなる「早寝」もおこなっていることがわかります。
それにしても同じ日本でも睡眠の時間差が約30分もあることは驚きです。やみくもに「朝型」に変わろうとしたり、推奨したりする前に、まずこの地域差という事実をきちんと受けとめることが大切なのではないでしょうか。
けれども、「早起きは三文の得」という有名なことわざがあるように、大部分の人にとっては「朝型」の方が健康的にも経済的にも得があると考えられています。「夜型」を自称している人にとってはきっと耳をおおいたくなる類の話でしょう。
「朝型」になるためは「早起き」という超難題を突破しなければなりません。その「早起き」が同じ日本でも都道府県ごとにちょっと違うことを知っていますか。つまり、かなり「早起き」だと自負していても別の県に行ったらそれほど「早起き」でもなかったり、その逆も起こりうるということです。
総務省統計局が発表している「睡眠時間たっぷり!?ランキング」「早起き!?ランキング」をもとにして、各都道府県の睡眠・起床事情をお伝えします。
5年に一度の社会生活基本調査
今回の記事では、総務省統計局の「平成28年社会生活基本調査」を参照します。この調査は、統計法という法律にもとづく統計調査で、生活時間や余暇の時間における活動状況など、日本国民の社会生活の実態を明らかにすることを目的としています。昭和51年以来、5年ごとにおこなわれていて、この平成28年調査はその9回目に当たります。「平成28年版」というと、ちょっと古いと思われるかもしれませんが、次の調査結果が出るまではまだちょっと待たないといけません。
熊本地震被災地域は調査対象外に
調査時期をもう少し詳しく書くと、平成28年10月20日に実施。生活時間については、10月15日~23日の9日間のうちから、調査区ごとに指定された連続する2日間についておこないました。平成28年というと、熊本地震があった年です。そのため、熊本地震の影響が大きかった地域は調査対象から除外されました。その被災地域を除外した全国約7300調査区内の世帯のうちから、無作為に選定した約8万8千世帯の10歳以上の世帯員約20万人が調査対象となっています。回答は、配布された調査票を提出するか、インターネットで回答する方法によりおこなわれました。
「睡眠時間」ランキング トップ10
さて本題に入ります。まずは「睡眠時間」ランキングのトップ10を発表します。<トップ10順位:都道府県:時間>
1位:秋田県:8.02
2位:青森県:7.59
3位:山形県:7.56
4位:岩手県:7.54
5位:島根県:7.53
5位:宮崎県:7.53
7位:高知県:7.52
8位:北海道:7.51
9位:福島県:7.50
10位:新潟県:7.48
10位:鹿児島県:7.48
1位秋田県から同列10位の新潟県、鹿児島県まででも15分もの差があります。「朝の15分」がどれほど貴重かは皆さんご承知のことと思います。とくに早起きが苦手な人ほど、「あと10分あれば」「あと15分ほしい」と願ったり祈ったりした経験も少なくないのではないでしょうか。
傾向としては、秋田県、青森県、山形県、福島県、新潟県、それから北海道と冬には必ず雪の降る寒冷地帯が多くなっています。
「睡眠時間」ワーストランキング トップ10
次に「睡眠時間」のワーストランキングも発表します。<ワースト10順位:都道府県:時間>
1位:埼玉県:7.31
2位:千葉県:7.32
3位:神奈川県:7.33
4位:奈良県:7.35
4位:兵庫県:7.35
4位:愛知県:7.35
4位:東京都:7.35
8位:大阪府:7.36
9位:茨城県:7.37
10位:静岡県:7.38
10位:長崎県:7.38
下位はかなり拮抗しています。同列4位が4県もあり、同列10位も2県あって、1位から10位までたったの7分差です。ワーストのトップ10は埼玉県、千葉県、神奈川県、東京都の東京圏、それから奈良県、兵庫県、大阪府の関西圏、また名古屋を抱える愛知県といった大都市が多いのが特徴です。
「早起き」ランキング トップ10
続けて、早起きランキングのトップ10とワースト10を一気に発表します。<トップ10順位:都道府県:時間>
1位:岩手県:6:17
2位:青森県:6:18
2位:静岡県:6:18
4位:富山県:6:19
4位:岐阜県:6:19
6位:秋田県:6:20
6位:福島県:6:20
6位:栃木県:6:20
9位:石川県:6:22
10位:新潟県:6:23
10位:福井県:6:23
10位:香川県:6:23
10位:鹿児島県:6:23
<ワースト10順位:都道府県:時間>
1位:京都府:6:52
2位:東京都:6:47
3位:大阪府:6:46
4位:愛媛県:6:40
5位:沖縄県:6:36
5位:福岡県:6:36
5位:兵庫県:6:36
8位:広島県:6:35
8位:和歌山県:6:35
10位:佐賀県:6:33
10位:徳島県:6:33
10位:奈良県:6:33
10位:滋賀県:6:33
10位:三重県:6:33
「睡眠時間」は1位と最下位で31分の差がありましたが、「早起き」の時刻もだいたい同じで35分の差でした。そして、「睡眠時間」が長い都道府県と「早起き」の都道府県は、どちらも寒冷地域が多く、大まかに一致しています。
ただし、下位に関して「早起き」の時刻は、「睡眠時間」とは若干異なる傾向があらわれています。愛媛県、沖縄県、福岡県、佐賀県、徳島県など四国、九州、沖縄といった南方の地域がランクインしていることです。「早起き」を困難にする要因も気温との関係があるのかもしれません。
「睡眠時間」と「早起き」の時刻を重ね合わせると、だいたいの就寝時間も推測することができます。例えば、睡眠時間の最も長い秋田県は22時15分頃、東京都は23時10分頃が平均的な就寝時間です。起床時刻の平均時間が早い地域は、「早起き」のセットとなる「早寝」もおこなっていることがわかります。
それにしても同じ日本でも睡眠の時間差が約30分もあることは驚きです。やみくもに「朝型」に変わろうとしたり、推奨したりする前に、まずこの地域差という事実をきちんと受けとめることが大切なのではないでしょうか。
<参考サイト>
社会生活基本調査からわかる47都道府県ランキング│総務省統計局
・https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/rank/index.html
・https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/index.html
社会生活基本調査からわかる47都道府県ランキング│総務省統計局
・https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/rank/index.html
・https://www.stat.go.jp/data/shakai/2016/index.html
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