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DATE/ 2020.08.28

水分のとりすぎ「水中毒」に要注意!

 今年の夏もとんでもない暑さが続き、最高気温が35℃を超えてもたいして驚かなくなった、と言っても過言ではないでしょう。屋内にいても熱中症予防には気をつけなければならず、重要なのは水分補給。ただし水も飲み過ぎると「水中毒」という症状に陥ることがあるため、要注意なのです。

重症化すると錯乱、昏睡のケースも

 では「水中毒」とはどんなものなのか。医師たちがつくるオンライン医療事典「MEDLEY」によると、「水分のとりすぎによってナトリウムという血液成分の1つが薄まり、頭痛や倦怠感、痙攣を起こす病気のこと」とあります。人間は尿や汗によって体内の水分を排泄していますが、そのスピードを超えて水を摂取してしまうと、血液中のナトリウムの濃度が低くなりすぎてしまいます。重症化すると錯乱、昏睡などを引き起こすケースもあります。「中毒」という言葉を見るとアルコール中毒、薬物中毒のように対象物を摂取せずにはいられなくなってしまうかのようにも見えますが、「水中毒」の場合は水が飲みたくてたまらないという症状を指すわけではありません。

 具体的にどの程度を「とりすぎ」というのか、が気になるところですよね。米国で行われた「水飲みコンテスト」では短時間に7リットル以上の水を飲んだ女性が亡くなる、という事件も起きています。日常的な生活では7リットルを飲むケースは基本的にないとは思いますが、1時間に1リットル近く飲むのは多いので注意、という指摘もあります。夏場でのどが渇いているとコップ何杯も一気飲みしたくなることはありますが、できるだけ少しずつ飲むように気をつけると良いでしょう。また、ナトリウムの濃度が低くなりすぎることが問題なので、電解質入りのスポーツドリンクを飲んだり、梅干し、塩飴などを食べることも対策として有効です。

「ペットボトル症候群」にもご注意を

 よし、スポーツドリンクならガブガブ飲んでいいのか、そう思ったら早計です。スポーツドリンクに限らずですが、糖分が多く入っている清涼飲料水を飲み過ぎると急激に血糖値が上がる症状になる「ペットボトル症候群」も存在します。こちらも具体的にどれくらいの量が危険なラインと定められているわけではないのですが、日本コカ・コーラ・お客様相談室の回答によると、「10%程度の糖分を含む清涼飲料水を1ヶ月以上にわたって毎日1.5L以上も多飲すると、急激に血糖値が上がってケトーシス(ケトーシスとは糖尿病の中でもケトン体が増えている重症な症状)になる場合があります」とのことです。

ではスポーツドリンクを薄めて飲めば安全なのでは…?そんな考えも浮かんだりしますが、ポカリスエット公式サイトでは、熱中症対策には薄めずに飲むことを強調しています。薄めることでスムーズな吸収がさまたげられてしまう可能性があるそうです。

 水分は摂れ、でも飲み過ぎたら危険。スポーツドリンクは熱中症対策に合うものの、大量に飲み続ける生活をすると血糖値が危険になることも。それでも薄めないで飲んだ方がいい――。流れだけ見るとたらいまわしというか、がんじがらめに縛られた飲料ライフにも感じられてしまいますが、一言で言ってしまえば「適量を」ということですね。大前提として水分はしっかり摂るべきなのですが、そのうえでとにかく量を飲めばいいというわけではないですよ、という忠告でした。

<参考サイト>
・水中毒 - 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)
https://medley.life/diseases/562df6c4f591e1cf06ac591f/
・水中毒を起こす5つの原因と対策方法!どれくらい飲んだら危険? | Medicalook(メディカルック)
https://epark.jp/medicalook/water-intoxication-treatment/
・Wii景品の水飲み大会で死亡女性、米裁判所が15億円の賠償金支払い判決 :AFPBB News
https://www.afpbb.com/articles/-/2658772
・10~30代に突然発症する「ペットボトル症候群」とは? | ライフネットジャーナル オンライン
https://media.lifenet-seimei.co.jp/2017/01/13/8832/
・ペットボトル症候群とは|日本コカ・コーラ お客様相談室
https://j.cocacola.co.jp/info/faq/detail.htm?faq=18064
・よくあるQ&A|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
https://pocarisweat.jp/products/faq/

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