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世界で「ゴミ排出量が多い国」ランキング
レジ袋の有料化など、環境を巡る変化は身近なものとなっています。これまでにも、3R(リデュース、リユース、リサイクル)と呼ばれる取り組みは行われてきました。しかし、ゴミを巡る問題は簡単には解決できないようです。ここではゴミの世界のどういった国がゴミを多く排出しているのかという観点から、ゴミ問題を見てみましょう。
ゴミの排出量の多い国は以下の通りです。排出量が高い順となっています。2列目の数字は「世界のごみ総量に対するその地域のおおよその排出量比率(グラフから読み取れる範囲の数値)」、3列目は「世界人口に対するおおよその人口比率」です。
1位 中国 15.5% 18%
2位 インド 12% 17.5%
3位 アメリカ 12% 4%
4位 インドネシア 3% 3%
5位 ブラジル 4% 3%
6位 ロシア 2.5% 1.8%
7位 メキシコ 2% 1.5%
8位 日本 2% 1.5%
9位 ドイツ 2% 1%
10位 トルコ 1.5% 1%
ゴミ排出総量では中国が1位。2位はインド。人口がずば抜けて多いアジアの2大国です。日本は8位です。グラフを見ても、おおよそごみ排出量は人口に比例していることがわかります。ただし、3位のアメリカに関しては、人口に対するゴミの排出量までよく見る必要がありそうです。
世界の人口はおよそ77億人です。このうち、中国に住む人はおよそ14億人で世界人口に対する人口比はおよそ18%、次のインドは13.5億人、およそ17.5%です。これに対してアメリカは3.3億人で、およそ4%。これに対して、アメリカのごみ排出量は、人口13.5億人のインドと並ぶ12%。アメリカの人口はインドの4分の1ですが、ごみ排出量は同程度です。つまり一人当たりのごみ排出量では、アメリカが突出していることがわかります。アメリカでは、一人当たり年間773kgのゴミをしており、これは世界平均の3倍とのことです。
現在、特にプラスチックゴミの廃棄や循環に関する問題については、世界的に規制する動きが強くなっています。マイクロプラスチック(5ミリ以下のプラスチック)となった微細なプラスチックは、海で食物連鎖に取り込まれることから、生態系への影響が懸念されていることが大きな理由のようです。
この点に関しても、2018年にカナダで開かれたG7シャルルボワ・サミットにおいて、自国でのプラスチック規制強化を進める「海洋プラスチック憲章」に、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの5カ国およびEUは署名しましたが、アメリカ(および日本)は署名しませんでした。
プラスチックゴミに対するアクションはヨーロッパを中心に様々な形で広がっています。一方、アメリカでは州や都市によって対応の差はありますが、大きな動きには至っていないようです。また、日本でもつい最近、レジ袋の有料化などで意識が盛り上がってきました。しかし、このあたりはヨーロッパ各国と比較すれば対応が遅れている部分も多いと考えていいでしょう。
ゴミの排出量が多い国は
イギリスの国際的なリスク分析会社Verisk Maplecroftが2019年に発表したデータに基づき、ゴミの排出量が多い国を見てみます。このレポートは世界194カ国における廃棄物とリサイクルの状況について調査したものです。レポートによると、世界全体で毎年21億トンの廃棄物が発生していますが、リサイクルされているのはこのうちのわずか16%、3億2300万トンとのことです。循環型社会に向けて、まだまだ課題が多いことがわかります。ゴミの排出量の多い国は以下の通りです。排出量が高い順となっています。2列目の数字は「世界のごみ総量に対するその地域のおおよその排出量比率(グラフから読み取れる範囲の数値)」、3列目は「世界人口に対するおおよその人口比率」です。
1位 中国 15.5% 18%
2位 インド 12% 17.5%
3位 アメリカ 12% 4%
4位 インドネシア 3% 3%
5位 ブラジル 4% 3%
6位 ロシア 2.5% 1.8%
7位 メキシコ 2% 1.5%
8位 日本 2% 1.5%
9位 ドイツ 2% 1%
10位 トルコ 1.5% 1%
ゴミ排出総量では中国が1位。2位はインド。人口がずば抜けて多いアジアの2大国です。日本は8位です。グラフを見ても、おおよそごみ排出量は人口に比例していることがわかります。ただし、3位のアメリカに関しては、人口に対するゴミの排出量までよく見る必要がありそうです。
世界の人口はおよそ77億人です。このうち、中国に住む人はおよそ14億人で世界人口に対する人口比はおよそ18%、次のインドは13.5億人、およそ17.5%です。これに対してアメリカは3.3億人で、およそ4%。これに対して、アメリカのごみ排出量は、人口13.5億人のインドと並ぶ12%。アメリカの人口はインドの4分の1ですが、ごみ排出量は同程度です。つまり一人当たりのごみ排出量では、アメリカが突出していることがわかります。アメリカでは、一人当たり年間773kgのゴミをしており、これは世界平均の3倍とのことです。
アメリカではなぜゴミ排出量が多くなるのか
ではなぜ、アメリカは人口に対するゴミの排出量が突出しているのでしょうか。資料では、リサイクルの遅れを理由の一つにあげています。リサイクルに先進的なドイツが68%であるのに対して、アメリカは35%と低いようです。アメリカではリサイクルインフラへの投資が必要であると述べられています。現在、特にプラスチックゴミの廃棄や循環に関する問題については、世界的に規制する動きが強くなっています。マイクロプラスチック(5ミリ以下のプラスチック)となった微細なプラスチックは、海で食物連鎖に取り込まれることから、生態系への影響が懸念されていることが大きな理由のようです。
この点に関しても、2018年にカナダで開かれたG7シャルルボワ・サミットにおいて、自国でのプラスチック規制強化を進める「海洋プラスチック憲章」に、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダの5カ国およびEUは署名しましたが、アメリカ(および日本)は署名しませんでした。
プラスチックゴミに対するアクションはヨーロッパを中心に様々な形で広がっています。一方、アメリカでは州や都市によって対応の差はありますが、大きな動きには至っていないようです。また、日本でもつい最近、レジ袋の有料化などで意識が盛り上がってきました。しかし、このあたりはヨーロッパ各国と比較すれば対応が遅れている部分も多いと考えていいでしょう。
<参考サイト>
・US tops list of countries fuelling the waste crisis |Verisk Maplecroft
https://www.maplecroft.com/insights/analysis/us-tops-list-of-countries-fuelling-the-mounting-waste-crisis/
・G20大阪サミットで問題となった海洋プラスチックごみとは?対策と課題について|産廃メディア
https://sanpai-media.com/column/556
・【国際】G7シャルルボワ・サミット、海洋プラスチック憲章発表。日本と米国は署名せず|Sustinable Japan
https://sustainablejapan.jp/2018/06/11/ocean-plastics-charter/32561
・プラスチックを取り巻く国内外の状況<資料集>2019年1月|環境省
http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-01/y031201-s1.pdf
・US tops list of countries fuelling the waste crisis |Verisk Maplecroft
https://www.maplecroft.com/insights/analysis/us-tops-list-of-countries-fuelling-the-mounting-waste-crisis/
・G20大阪サミットで問題となった海洋プラスチックごみとは?対策と課題について|産廃メディア
https://sanpai-media.com/column/556
・【国際】G7シャルルボワ・サミット、海洋プラスチック憲章発表。日本と米国は署名せず|Sustinable Japan
https://sustainablejapan.jp/2018/06/11/ocean-plastics-charter/32561
・プラスチックを取り巻く国内外の状況<資料集>2019年1月|環境省
http://www.env.go.jp/council/03recycle/y0312-01/y031201-s1.pdf
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