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世界のそっくりな「国旗」と似ている理由
世界にはいろんな国旗がありますが、中にはパッと見そっくりな国旗も多く見かけます。特に日本の日の丸(日章旗)に似ている国旗を見ると、その由来が気になりますよね。
今回はごく一部ですが、似通った国旗の由来とその共通点について調べてみました。

まずパラオですが、日本の日の丸は白地に赤い円に対し、パラオは青地に黄色の円となっています。日本の赤い円は太陽を表していますが、パラオは太平洋に浮かぶ満月をイメージしています。海を表す爽やかなブルーの色に明るく映える月のコントラストは、長い統治下から独立を果たしたパラオの未来を表現しているのだそう。
なおパラオはかつて日本の統治下にあり、日本との関係が非常に深いことから国旗も日本の日の丸を参考にしたという説がありますが、これは残念ながら真実ではないとされています。とはいえパラオは、国の発展に寄与した日本への好感度が高く親日国であることで知られており、今も「アクシュ(握手)」「ムリ(無理)」「アジダイジョーブ(「おいしい」の意味)」など、日本語由来の言葉が多く使われています。

バングラデシュの国旗は緑に赤い円です。緑は豊かな自然と若さの力強さ、赤は独立戦争において流された血の色と、自由の象徴である昇る太陽を表しているといいます。
こちらも日の丸に似せたという説があります。当時の大統領が日本の自然の美しさを愛し、かつ農業国から工業国へと大発展を遂げた日本にならうためこのデザインに至ったという逸話があるのです。

そしてグリーランドですが、紅白の上下バイカラーの下地と、それに重なる紅白の円が印象的な国旗です。これは氷山から昇る朝日、または短い夏の太陽をイメージしたものだそうです。日本の日の丸との関連性はありませんが、国土の80%が氷河の国ならではのデザインといえますね。ちなみにグリーンランドはデンマーク領なので、配色はデンマークのそれと似通っています。
なお、日本の日の丸は旗の中心に描かれていますが、上記3国の円はやや左にずれたデザインになっているのがお分かりいただけますでしょうか。これは(諸説ありますが)旗がたなびいた時にちょうど円が中心に見えるようにするためだとか。
いずれの国旗も「大地から昇る太陽(または月)」を表しているという点で共通しています。これは昇る太陽や月が「独立」や「自由」、「発展」のイメージに重なるからかもしれません。なお日本の国旗の場合、太陽を神聖視してきた歴史から、日の丸が国旗に採用されたと考えられています。

インドネシアは東南アジア、モナコは西ヨーロッパとまったく別の国ですが、上半分が赤、下半分が白と、両国まったく同じといってよいデザインになっているのです。
モナコ国旗の場合、赤と白のカラーリングは700年以上モナコを統治していたグリマルディ家の紋章の色が由来となっています。いっぽうインドネシアの国旗も、13~16世紀に栄えたマジャパヒト朝を象徴した歴史ある配色だとしています。
国旗の制定時期としてはモナコのほうが古く、インドネシアが国旗を制定しようとした時にはモナコはその酷似した見た目から「待った」をかけたそうですが、インドネシアはこれをつっぱねており、変更には至っていません。
両国の国旗の唯一の違いは、旗の縦横比です。モナコが4:5、インドネシアが2:3と、モナコのほうがやや正方形に近い形となっています。けれども国連に掲げられる時やオリンピックの時などは国旗はすべて同じ比率にするよう定められているため、この時だけは国旗の見た目はまったく一緒になります。
時代背景は異なるのに同じ配色・デザインというのは、偶然とはいえどこか不思議なつながりを感じてしまいますよね。
いかがでしたか? 国旗のデザインはその国の成り立ち、歴史に深く関わっています。「この国とこの国の国旗、なんか似ているなあ」と思ったら、国旗の由来を調べてみると、意外な共通点や歴史背景を見いだせるかもしれませんよ。
今回はごく一部ですが、似通った国旗の由来とその共通点について調べてみました。
日の丸そっくり! パラオ、バングラデシュ、グリーンランドの国旗
日本の国旗にそっくりなのが、パラオとバングラデシュ、そしてグリーンランドの国旗です。まずパラオですが、日本の日の丸は白地に赤い円に対し、パラオは青地に黄色の円となっています。日本の赤い円は太陽を表していますが、パラオは太平洋に浮かぶ満月をイメージしています。海を表す爽やかなブルーの色に明るく映える月のコントラストは、長い統治下から独立を果たしたパラオの未来を表現しているのだそう。
なおパラオはかつて日本の統治下にあり、日本との関係が非常に深いことから国旗も日本の日の丸を参考にしたという説がありますが、これは残念ながら真実ではないとされています。とはいえパラオは、国の発展に寄与した日本への好感度が高く親日国であることで知られており、今も「アクシュ(握手)」「ムリ(無理)」「アジダイジョーブ(「おいしい」の意味)」など、日本語由来の言葉が多く使われています。
バングラデシュの国旗は緑に赤い円です。緑は豊かな自然と若さの力強さ、赤は独立戦争において流された血の色と、自由の象徴である昇る太陽を表しているといいます。
こちらも日の丸に似せたという説があります。当時の大統領が日本の自然の美しさを愛し、かつ農業国から工業国へと大発展を遂げた日本にならうためこのデザインに至ったという逸話があるのです。
そしてグリーランドですが、紅白の上下バイカラーの下地と、それに重なる紅白の円が印象的な国旗です。これは氷山から昇る朝日、または短い夏の太陽をイメージしたものだそうです。日本の日の丸との関連性はありませんが、国土の80%が氷河の国ならではのデザインといえますね。ちなみにグリーンランドはデンマーク領なので、配色はデンマークのそれと似通っています。
なお、日本の日の丸は旗の中心に描かれていますが、上記3国の円はやや左にずれたデザインになっているのがお分かりいただけますでしょうか。これは(諸説ありますが)旗がたなびいた時にちょうど円が中心に見えるようにするためだとか。
いずれの国旗も「大地から昇る太陽(または月)」を表しているという点で共通しています。これは昇る太陽や月が「独立」や「自由」、「発展」のイメージに重なるからかもしれません。なお日本の国旗の場合、太陽を神聖視してきた歴史から、日の丸が国旗に採用されたと考えられています。
色も柄もほぼ同じ!? インドネシアとモナコの国旗
世界の国旗の中でももっとも「いわくありげ」なのがインドネシアとモナコの国旗です。インドネシアは東南アジア、モナコは西ヨーロッパとまったく別の国ですが、上半分が赤、下半分が白と、両国まったく同じといってよいデザインになっているのです。
モナコ国旗の場合、赤と白のカラーリングは700年以上モナコを統治していたグリマルディ家の紋章の色が由来となっています。いっぽうインドネシアの国旗も、13~16世紀に栄えたマジャパヒト朝を象徴した歴史ある配色だとしています。
国旗の制定時期としてはモナコのほうが古く、インドネシアが国旗を制定しようとした時にはモナコはその酷似した見た目から「待った」をかけたそうですが、インドネシアはこれをつっぱねており、変更には至っていません。
両国の国旗の唯一の違いは、旗の縦横比です。モナコが4:5、インドネシアが2:3と、モナコのほうがやや正方形に近い形となっています。けれども国連に掲げられる時やオリンピックの時などは国旗はすべて同じ比率にするよう定められているため、この時だけは国旗の見た目はまったく一緒になります。
時代背景は異なるのに同じ配色・デザインというのは、偶然とはいえどこか不思議なつながりを感じてしまいますよね。
いかがでしたか? 国旗のデザインはその国の成り立ち、歴史に深く関わっています。「この国とこの国の国旗、なんか似ているなあ」と思ったら、国旗の由来を調べてみると、意外な共通点や歴史背景を見いだせるかもしれませんよ。
<参考サイト>
パラオは親日国?国旗の成り立ちや歴史から分かる日本との意外すぎる関係性(PALAU TIMES)
https://palautimes.jp/useful/969/
世界の国旗図鑑(株式会社さらごHP)
https://www.sarago.co.jp/idxrgon.html
数年後には独立? グリーンランド(世界の国旗・国歌研究協会)
http://kokkiken.or.jp/archives/336
パラオは親日国?国旗の成り立ちや歴史から分かる日本との意外すぎる関係性(PALAU TIMES)
https://palautimes.jp/useful/969/
世界の国旗図鑑(株式会社さらごHP)
https://www.sarago.co.jp/idxrgon.html
数年後には独立? グリーンランド(世界の国旗・国歌研究協会)
http://kokkiken.or.jp/archives/336
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