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最低限知っておくべき「ネットリテラシー」
インターネットが一般に普及し始めたのは、高速・定額・常時接続のブロードバンドが普及した2000年以降です。つまり私たちの付き合いは20年程度。多くの人はネットリテラシーに関する教育は受けていませんが、昨今、ネットリテラシーの欠如によるさまざまな問題が起きています。私たちは何に気をつければ、インターネットをトラブルなく活用できるのでしょうか、ここで具体的な事例を見ながら整理しておきましょう。
2019年には、アイドルがアップした写真から読み取った情報を元に待ち伏せし、わいせつな行為をするという事件が発生しました。犯人はアップされた写真について、その瞳に映った景色から住所を特定したり、「グーグル・ストリートビュー」を使って駅を特定したりしています。また被害者が自宅で撮影した動画を分析したりして、どの階に住んでいるかといった情報までを把握していたそうです。
スマホのカメラなどは日々進化し、かなり細かい情報まで読み取れるようになっています。アップする際には余計な情報が写り込んでいないか、しっかり確認する必要があると言えるでしょう。また、自分以外の家族や友人の写真をアップすることでも、同様のリスクがある点は理解しておく必要があります。
この声に煽られ、大量の請求が起きます。業務に支障をきたした弁護士たちは各地で請求者を相手取って訴訟を起こします。これにより最初に判決の確定した2020年10月の訴訟では、情報を鵜呑みにして懲戒請求をした6人は396万円の損害賠償を支払わなければならないことになりました。
ネット上には真偽不明の過激な言葉がたくさんあります。ネット上の言葉に自分の心が反応したら、まずは冷静に。それから、発信源はどこか(誰の言葉なのか、またどんな組織のサイトに掲載されているのか)、情報は正確かといったことをまず確認しましょう。
調べてみれば単なるデマであったりする可能性は多々あります。もちろん意見を持つこと、また自身の意見を表明する自由は侵害されてはならないでしょう。ただし、言葉や意見に対する責任、またその意見に基づく行動の責任は、ネット上であっても「知らなかった」では済みません。
セキュリティ面のリスクも十分意識しましょう。コンピュータウイルスに感染すると個人情報が流出し、悪用されるリスクがあります。さらにウイルスに感染した機器は他の機器にウイルスを送ります。安心のためにも、セキュリティソフトを導入することが一番の近道かもしれません。
情報を客観的に知る意識をもっておくことが、トラブルを避ける一助になるはずです。X(旧Twitter)やSNS、また一般のインターネット上などの意見に心が反応したら、一旦スマホを置いて落ち着きましょう。その上で自分の感覚と異なる意見を探してみる、というのはどうでしょうか。
SNSに写真を掲載するリスク
まずは、自身が被害者となる状況について考えてみましょう。SNSに何気なく写真をアップするというだけでも実はリスクが潜んでいます。写真には様々な情報が隠れています。たとえば背景から住んでいる場所や利用している駅が特定されたり、いつも同じ時間に投稿したりすることで行動パターンが読み取られたりします。2019年には、アイドルがアップした写真から読み取った情報を元に待ち伏せし、わいせつな行為をするという事件が発生しました。犯人はアップされた写真について、その瞳に映った景色から住所を特定したり、「グーグル・ストリートビュー」を使って駅を特定したりしています。また被害者が自宅で撮影した動画を分析したりして、どの階に住んでいるかといった情報までを把握していたそうです。
スマホのカメラなどは日々進化し、かなり細かい情報まで読み取れるようになっています。アップする際には余計な情報が写り込んでいないか、しっかり確認する必要があると言えるでしょう。また、自分以外の家族や友人の写真をアップすることでも、同様のリスクがある点は理解しておく必要があります。
信ぴょう性のない情報を鵜呑みにするリスク
二つ目は自分が加害者になってしまうリスクです。ここに挙げるのは、信ぴょう性のない情報を鵜呑みにしてしまったことによる問題です。2016年4月に東京弁護士会は朝鮮学校に対する補助金を巡る声明を発表しました。これに反発した匿名のブロガーが、同弁護士会の所属弁護士らを懲戒請求するよう全国に呼びかけました。この声に煽られ、大量の請求が起きます。業務に支障をきたした弁護士たちは各地で請求者を相手取って訴訟を起こします。これにより最初に判決の確定した2020年10月の訴訟では、情報を鵜呑みにして懲戒請求をした6人は396万円の損害賠償を支払わなければならないことになりました。
ネット上には真偽不明の過激な言葉がたくさんあります。ネット上の言葉に自分の心が反応したら、まずは冷静に。それから、発信源はどこか(誰の言葉なのか、またどんな組織のサイトに掲載されているのか)、情報は正確かといったことをまず確認しましょう。
調べてみれば単なるデマであったりする可能性は多々あります。もちろん意見を持つこと、また自身の意見を表明する自由は侵害されてはならないでしょう。ただし、言葉や意見に対する責任、またその意見に基づく行動の責任は、ネット上であっても「知らなかった」では済みません。
著作権・肖像権、コンピュータウイルス
SNSで他のサイトの情報や画像を無断転載するといったことも大きなリスクです。人が生み出したもの(文章、画像や映像、音楽、プログラムなどなど)には全て著作権があります。掲載するには許可が必要です。また人には肖像権があります。その人と判別できる写真を公開する場合、本人の許可がなければ肖像権の侵害となる点も注意しておく必要があります。写真にはさまざまなリスクが伴うことは先に示しました。自分以外にも人が写っている写真をアップするには承諾を得る、もしくは本人とわからない程度までトリミングしたり加工したりする必要はありそうです。幸い、最近はスマホの写真加工アプリでもこういった加工は簡単にできるようです。セキュリティ面のリスクも十分意識しましょう。コンピュータウイルスに感染すると個人情報が流出し、悪用されるリスクがあります。さらにウイルスに感染した機器は他の機器にウイルスを送ります。安心のためにも、セキュリティソフトを導入することが一番の近道かもしれません。
「確証バイアス」を避けるために
ネットリテラシーに関して、ここでは「写真のリスク」「情報の信ぴょう性」の2つをやや詳しく取り上げました。特に「情報の信ぴょう性」に関するものは大事ではないでしょうか。一般的に人は自分に都合のいい情報だけを集める傾向があります。これは「確証バイアス」と呼ばれますが、もちろんこれだけに従っていると考え方が偏ります。情報を客観的に知る意識をもっておくことが、トラブルを避ける一助になるはずです。X(旧Twitter)やSNS、また一般のインターネット上などの意見に心が反応したら、一旦スマホを置いて落ち着きましょう。その上で自分の感覚と異なる意見を探してみる、というのはどうでしょうか。
<参考サイト>
情報通信白書令和元年版ポイント 第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd111120.html
朝鮮学校補助金巡り弁護士懲戒請求、損賠命令確定|日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65610480Z21C20A0CC1000/
確証バイアス|日本の人事部
https://jinjibu.jp/keyword/detl/1144/
情報通信白書令和元年版ポイント 第1部 特集 進化するデジタル経済とその先にあるSociety 5.0|総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r01/html/nd111120.html
朝鮮学校補助金巡り弁護士懲戒請求、損賠命令確定|日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO65610480Z21C20A0CC1000/
確証バイアス|日本の人事部
https://jinjibu.jp/keyword/detl/1144/
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