毎年の「流行色」は誰が決めるのか?
《今年の色》というトレンドカラーをご存知ですか? 2021年は「はじまりの色、パンデミックに混乱する社会の中で希望を胸にゼロから考え行動する」という意味を込めて《ゼロホワイト》と、「雲間からさす希望の光」というモチーフで《アルティメット・グレイ》と《イルミネイティング(明るめの黄色)》の組み合わせが選ばれました。
また、それとは別に2021年春夏のファッションカラートレンドもレディース、メンズウェア、インテリアまで幅広いジャンル向けに選出されています。
選ばれる……という言葉に違和感を抱いた方も居られるかもしれません。トレンドカラーとは言い換えてみれば流行色……自然発生するものなのではと思われがちですが、実は選定している専門の団体があるんです。
<インターカラー(国際流行色協会)>
1963年に発足した色彩についての情報を取り扱う国際的な民間団体インターカラー、日本は発足時から参加しています。年に2回、24ヶ月後の春夏と秋冬にメインに使用される色を選定する会議があり、2021年現在世界17カ国が参加している団体です。
その会議に参加する日本の代表団体は《日本流行色協会(JAFCA)》内の委員会です。JAFCAは1953年に設立、《今年の色》の選出と、インターカラーからが選出した色候補の中から、24ヶ月後の流行が日本ではどうなっているかを予測精査し、《ファッショントレンドカラー 》を選定しています。
<パントン社(PANTONE)>
世界基準とも呼べる色見本帳を手がけていることで有名なアメリカのパントン社も「トレンドカラー/今年の色」を発表しています。ファッションに限らずエンターテイメントやアート、生活様式からweb、インダストリアルデザインと、幅広い領域を調査して選定し、その影響力はあらゆるジャンルに波及しています。
<年:JAFCA/PANTONE>
2021:ゼロホワイト/アルティメット・グレイ&イルミネイティング
2020:ヒューマンレッド /クラシックブルー
2019:アウェイクニングオレンジ/リビングコーラル
2018:ビジョナリーミント/ウルトラバイオレット
いかがでしょう、印象に残っている色もあるでしょうか。
《今年の色》を提言する団体が2つあることからもわかる通り、流行色が単一の色に統一されることはありません。選出されたトレンドカラーを引き立たせるための色、ワンポイント添えにふさわしい色、あえての反対色なども同時に発表され、しばしば目に入るようにもなるため、流行色は複数のカラーグループとして存在すると言えるでしょう。
洋服をはじめあらゆるものはデザインして生産ラインに乗せるには手間と時間がかかります。その期間を考慮して、主軸になる色を前もって決めなければならないのがその理由です。もし、今後注目される色を事前におさえておきたいと思う人はJAFCAの会員になると1年半先のファッショントレンドカラーを知ることができます。
ちなみに実際に流行の色でコーディネートをしている人はどれくらい居るのでしょう? JAFCAの出版物によれば、「色全体の中で見れば流行色の占める割合はごく僅かで、誰が見ても流行していると感じるような色でも、全体のわずか3~5%に過ぎない」と記述されています。それでも街を歩いて100人すれ違う間に5人が同じ色の服を着ていたら、今年の流行りなんだなと感じるでしょう。
そんな《今年の色》と《ファッショントレンドカラー》ですが、プロにより選ばれたのだから必ず流行る……とは限りません。とりわけ現代は個人で選択し、そこに価値を発見、発信する人が注目される時代、誰も彼もが同じ流行色の服を着ている状況に以前よりもなりにくいとも推察されています。
流行色とは「時代の気分を象徴する色」、現代の世相を肌で感じようと思ったなら街に出て往来を眺めてみても良いかもしれません。
また、それとは別に2021年春夏のファッションカラートレンドもレディース、メンズウェア、インテリアまで幅広いジャンル向けに選出されています。
選ばれる……という言葉に違和感を抱いた方も居られるかもしれません。トレンドカラーとは言い換えてみれば流行色……自然発生するものなのではと思われがちですが、実は選定している専門の団体があるんです。
トレンドカラーを決める国際的なスペシャリストたち
《今年の色》を発表している団体は2つあります。正確には《来年を象徴する色》として前年の12月、2021年の色であれば2020年の年末に発表されるものなので、公開された翌月に《今年の色》になる仕組みです。<インターカラー(国際流行色協会)>
1963年に発足した色彩についての情報を取り扱う国際的な民間団体インターカラー、日本は発足時から参加しています。年に2回、24ヶ月後の春夏と秋冬にメインに使用される色を選定する会議があり、2021年現在世界17カ国が参加している団体です。
その会議に参加する日本の代表団体は《日本流行色協会(JAFCA)》内の委員会です。JAFCAは1953年に設立、《今年の色》の選出と、インターカラーからが選出した色候補の中から、24ヶ月後の流行が日本ではどうなっているかを予測精査し、《ファッショントレンドカラー 》を選定しています。
<パントン社(PANTONE)>
世界基準とも呼べる色見本帳を手がけていることで有名なアメリカのパントン社も「トレンドカラー/今年の色」を発表しています。ファッションに限らずエンターテイメントやアート、生活様式からweb、インダストリアルデザインと、幅広い領域を調査して選定し、その影響力はあらゆるジャンルに波及しています。
流行色はひとつではなく複数選ばれる
そんな2団体によるここ何年かのトレンドカラーを見てみると下記のようになっています。<年:JAFCA/PANTONE>
2021:ゼロホワイト/アルティメット・グレイ&イルミネイティング
2020:ヒューマンレッド /クラシックブルー
2019:アウェイクニングオレンジ/リビングコーラル
2018:ビジョナリーミント/ウルトラバイオレット
いかがでしょう、印象に残っている色もあるでしょうか。
《今年の色》を提言する団体が2つあることからもわかる通り、流行色が単一の色に統一されることはありません。選出されたトレンドカラーを引き立たせるための色、ワンポイント添えにふさわしい色、あえての反対色なども同時に発表され、しばしば目に入るようにもなるため、流行色は複数のカラーグループとして存在すると言えるでしょう。
ファッションの流行色は2年前に決まっている?
《この春のトレンドを先取り!》なんて踊り文句がファッション誌のキャッチコピーに使われるように、おしゃれの流行は常に一歩前を進んでいるイメージがありますね。「先取り」の言葉の通り、ファッショントレンドカラーは2年前から決定しているそうです。洋服をはじめあらゆるものはデザインして生産ラインに乗せるには手間と時間がかかります。その期間を考慮して、主軸になる色を前もって決めなければならないのがその理由です。もし、今後注目される色を事前におさえておきたいと思う人はJAFCAの会員になると1年半先のファッショントレンドカラーを知ることができます。
ちなみに実際に流行の色でコーディネートをしている人はどれくらい居るのでしょう? JAFCAの出版物によれば、「色全体の中で見れば流行色の占める割合はごく僅かで、誰が見ても流行していると感じるような色でも、全体のわずか3~5%に過ぎない」と記述されています。それでも街を歩いて100人すれ違う間に5人が同じ色の服を着ていたら、今年の流行りなんだなと感じるでしょう。
そんな《今年の色》と《ファッショントレンドカラー》ですが、プロにより選ばれたのだから必ず流行る……とは限りません。とりわけ現代は個人で選択し、そこに価値を発見、発信する人が注目される時代、誰も彼もが同じ流行色の服を着ている状況に以前よりもなりにくいとも推察されています。
流行色とは「時代の気分を象徴する色」、現代の世相を肌で感じようと思ったなら街に出て往来を眺めてみても良いかもしれません。
<参考サイト>
カラートレンド│一般社団法人 日本流行色協会
https://www.jafca.org/colortrend/
PANTONE COLOR OF THE YEAR 2021│PANTONE/JAPAN
https://www.pantone-store.jp/coy2021/
『日本のファッションカラー100 流行色とファッショントレンド』JAFCA
ビー・エヌ・エヌ新社
カラートレンド│一般社団法人 日本流行色協会
https://www.jafca.org/colortrend/
PANTONE COLOR OF THE YEAR 2021│PANTONE/JAPAN
https://www.pantone-store.jp/coy2021/
『日本のファッションカラー100 流行色とファッショントレンド』JAFCA
ビー・エヌ・エヌ新社