社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
飲酒後の運転は何時間後にできるのか?
政府広報オンラインのデータ(平成27年中)によると、飲酒運転における死亡事故率(事故発生時に死亡事故となる割合)は、飲酒していない場合と比べて7.8倍高いことがわかっています。2019年には航空パイロットや客室乗務員の飲酒が問題となりました。報道によれば、パイロットは乗務前24時間以内の飲酒を禁止されていたようですが、守っていなかったようです。飲酒運転の事例でも「もうお酒は抜けていると思って運転してしまった」という話もよく聞きます。これらは飲んでから時間が経ったから大丈夫だろう、という考えで問題が起こった事例です。では飲酒後、実際どれくらいの時間がたてば人はアルコールを分解できるのでしょうか。
純アルコール20g程度の例としては、度数5%のビールでおよそ500ml(中ビン1本)、度数7%のチューハイでおよそ350ml(1缶)、度数15%の日本酒だとおよそ180ml(1合)、度数43%のウイスキーで60mlといったところが示されています。量として多くはありませんが、この量で4時間から5時間は酔いが続いているということです。さらに日本酒2合(360ml)を飲んだ場合、アルコール量は54ml(360×0.15)なので、およそ8時間から10時間はアルコールが残っていることになります。かなり長い時間がかかると考えていいでしょう。
つまり、「起きていた場合に比べて、寝ていた場合アルコールの分解は遅くなる」ということです。「仮眠すればアルコールは抜ける」は間違いです。眠ってスッキリする感覚があるのは、アルコールが抜けたのではなく、単に眠気が解消されたというだけとのこと。上記の日本酒2合を飲んだ場合、起きていた状態で8時間から10時間です。眠っていてアルコールの分解が遅くなった場合、さらに酔った状態は続いています。
改正道路交通法における「酒気帯び運転」の基準は呼気1L中に0.15mg以上のアルコールが検知された場合です。量が0.15mg以上、0.25mg未満なら免許停止(停止期間90日)、0.25mg以上なら免許取消(欠格期間2年)となります。さらに、アルコールにより正常に運転できない恐れのある状態となると「酒酔い運転」となります。こうなると免許取消(欠格期間3年)、さらに5年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。自分はお酒に強いから大丈夫だという過信は禁物です。
15度の日本酒180mlで4時間から5時間
日本アルコール関連問題学会などが提示しているデータでは、アルコール分解速度の目安は1時間に4gと捉えるそうです。つまりこれでいくと20gのアルコールを分解するのにかかる時間は5時間となります。一方、政府広報オンラインでは、純アルコール20gを体重60kgの人が分解処理するのにかかる時間は約4時間と示されています。幅はありそうですが、おおよそ20gのアルコールの分解にかかる時間は4、5時間くらい考えていいかもしれません。純アルコール20g程度の例としては、度数5%のビールでおよそ500ml(中ビン1本)、度数7%のチューハイでおよそ350ml(1缶)、度数15%の日本酒だとおよそ180ml(1合)、度数43%のウイスキーで60mlといったところが示されています。量として多くはありませんが、この量で4時間から5時間は酔いが続いているということです。さらに日本酒2合(360ml)を飲んだ場合、アルコール量は54ml(360×0.15)なので、およそ8時間から10時間はアルコールが残っていることになります。かなり長い時間がかかると考えていいでしょう。
眠るとアルコールの分解は遅くなる
仮眠すれば大丈夫、という話もよく聞きますが、この点については久里浜医療センターと札幌医科大学との共同実験で逆の結果が出ています。20代の男女計24人を対象に、体重1kg当たり0.75gのアルコール(体重60kgの人でアルコール45g=ビール約1Lに相当)を摂取し、4時間眠ったグループと4時間眠らずにいたグループの呼気中のアルコール濃度を調べた実験です。これによると、眠ったグループの呼気中のアルコール濃度は、眠らずにいたグループの約2倍となったそうです。つまり、「起きていた場合に比べて、寝ていた場合アルコールの分解は遅くなる」ということです。「仮眠すればアルコールは抜ける」は間違いです。眠ってスッキリする感覚があるのは、アルコールが抜けたのではなく、単に眠気が解消されたというだけとのこと。上記の日本酒2合を飲んだ場合、起きていた状態で8時間から10時間です。眠っていてアルコールの分解が遅くなった場合、さらに酔った状態は続いています。
改正道路交通法における「酒気帯び運転」の基準は呼気1L中に0.15mg以上のアルコールが検知された場合です。量が0.15mg以上、0.25mg未満なら免許停止(停止期間90日)、0.25mg以上なら免許取消(欠格期間2年)となります。さらに、アルコールにより正常に運転できない恐れのある状態となると「酒酔い運転」となります。こうなると免許取消(欠格期間3年)、さらに5年以下の懲役又は100万円以下の罰金です。自分はお酒に強いから大丈夫だという過信は禁物です。
<参考サイト>
飲酒運転は絶対に「しない!」「させない!」みんなで守ろう 3つの約束|政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201312/1.html
飲酒後の運転は何時間後に出来る?アルコールが抜ける時間とは?|グーネットマガジン
https://www.goo-net.com/magazine/108842.html
全日空に事業改善命令へ パイロット飲酒問題で国交省|朝日新聞DIGITAL
https://www.asahi.com/articles/ASN513S5YN51UTIL006.html
飲酒運転は絶対に「しない!」「させない!」みんなで守ろう 3つの約束|政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201312/1.html
飲酒後の運転は何時間後に出来る?アルコールが抜ける時間とは?|グーネットマガジン
https://www.goo-net.com/magazine/108842.html
全日空に事業改善命令へ パイロット飲酒問題で国交省|朝日新聞DIGITAL
https://www.asahi.com/articles/ASN513S5YN51UTIL006.html
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。
『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
習近平への権力集中…習近平思想と中国の夢と強国強軍
習近平―その政治の「核心」とは何か?(1)習近平政権の特徴
国際社会における中国の動きに注目が集まっている。新冷戦ともいわれる米中摩擦が激化する中、2021年7月に中国共産党は創立100周年を迎えた。毛沢東以来、初めて「思想」という言葉を党規約に盛り込んだ習近平。彼が唱える「中...
収録日:2021/07/07
追加日:2021/09/07
ネット古書店で便利に買える時代…「歴史探索」の意義とは
歴史の探り方、活かし方(3)古書店巡りからネット書店へ
古本のインターネット書店が充実し、史料探しはずいぶん楽になった現在だが、地方にある書店の地元出版コーナーも見逃せない。新書などの文献目録を参考にするという手もあると中村氏は言う。ではそうして歴史を調べ、たどって...
収録日:2025/04/26
追加日:2025/11/21
日本でも中国でもない…ラストベルトをつくった張本人は?
内側から見たアメリカと日本(1)ラストベルトをつくったのは誰か
アメリカは一体どうなってしまったのか。今後どうなるのか。重要な同盟国として緊密な関係を結んできた日本にとって、避けては通れない問題である。このシリーズ講義では、ほぼ1世紀にわたるアメリカ近現代史の中で大きな結節点...
収録日:2025/09/02
追加日:2025/11/10
密教の世界観は全宇宙を分割せずに「つないでいく」
エネルギーと医学から考える空海が拓く未来(4)全てをつなぐ密教の世界観
岡本浩氏、長谷川敏彦氏の話を受けて、今回から鎌田氏による講義となる。まず指摘するのは、空海が説く『弁顕密二教論』の考え方である。この著書で空海は、仏教の顕教は「中論」「唯識論」「空観」など世界を分割して見ていく...
収録日:2025/03/03
追加日:2025/11/20
浸透工作…台湾でスパイ裁判が約70件、それも氷山の一角
習近平中国の真実…米中関係・台湾問題(5)恐るべき台湾への「浸透」
日本では「台湾有事」における日本への影響を口にする人が多いが、事態はより複雑である。中国の浸透により台湾は分断を深め、内側から崩壊しようとしている。浸透しているのは軍や政府内部の大量のスパイ、反社会組織を通じた...
収録日:2025/07/01
追加日:2025/10/15


