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DATE/ 2021.10.31

全国「交通事故多発交差点」ワースト10

 交通事故が発生する最も多発する場所は交差点です。一般社団法人 日本損害保険協会の発表によると、2020年に起きた人身事故のうち、56.1%は交差点とその付近で発生しているといいます。

 同協会では2008年から事故の低減を目的として、毎年「全国交通事故多発交差点マップ」を発表しています。今回は発表されたデータを参考に、交通事故が多発する交差点の特徴について考察していきます。

【2020年】交通事故の多い交差点ワースト10

1位/22件:法円坂交差点(大阪府)、針摺交差点(福岡県)
3位/18件:梅新東交差点(大阪府)
4位/16件:讃良川交差点(大阪府)、西本町交差点(大阪府)
6位/15件:谷町9丁目交差点(大阪府)、樋之口町交差点(大阪府)、 六本松交差点(福岡県)
9位/14件:七宮交差点(兵庫県)
10位/13件:大原交差点(東京都)、上天神西交差点(香川県)

 1位は大阪府の法円坂(ほうえんざか)交差点と、同率で福岡県の針摺(はりずり)交差点でした。大阪府の法円坂交差点は前年(2019年)ワースト2位(16件)となっており、特に事故の多い交差点として知られています。大阪府の交差点は、ワースト10位内に6箇所もランク入りしています。

ワースト1の交差点の特徴と事故原因

【大阪府 法円坂交差点】
 東西に走る片側2~8車線の築港深江線と、南北につらぬく片側2~4車線の赤川天王寺線が交差する大型交差点です。西側には阪神高速の入出路などもあり、車線が複雑に混み合っています。また中央分離帯上に高速道の橋脚が並んでいるため、見通しの悪さを感じます。

 朝夕のラッシュアワーでは阪神高速を使う車や大型トラックも出入りするうえ、周辺地域には官庁街や大きな病院があるため、自転車・歩行者の交通量もかなりのものです。

 この年は幸いにも命に関わる重大事故は起きていないものの、事故件数22件のうち半数の11件が追突事故で、その原因は前方の安全不確認、前車に対する動静不注視によるものとされています。

【福岡県 針摺交差点】
 南北にのびる国道3号、東に向かう県道福岡日田線、そして西に向かう県道福岡筑紫野線が交差する十字路に対し、北西へと向かう県道福岡日田線が斜めに交差した変則五差路交差点です。交差点の西側は高架橋で、中央分離帯には高架道路の橋脚が並んでいるため、こちらも見通しの悪さが問題となっています。

 計3本ある右折車線には、迷わないよう道路が色分けされているものの、朝夕の通勤時は右左折車で混み合い、事故件数も22件中12件が対抗車両への不注意による右折直進事故となっています。

最近の東京都の交差点の事故の状況は?

 交差点での交通事故は、やはり人口が集中する都市部で頻発している印象です。東京都ではワースト10位に杉並区の大原交差点がランクイン。同協会のデータによれば、東京都の交通事故全体のうち、52.2%が交差点または交差点付近で発生しています。

<【2020年】東京都における交通事故の多い交差点ワースト5>
1位/13件 大原交差点(杉並区)
2位/12件 板橋中央陸橋交差点(板橋区)
3位/11件 高円寺陸橋下交差点(杉並区)、熊野町交差点(板橋区)
5位/10件 お台場中央交差点(江東区)

 東京新聞の調べによると2020年東京都ワースト5の交差点で計57件の事故が発生、このうち16件が左折事故、13件が右折直進事故を占めているとしています。

 また、交通事故で亡くなった65歳以上の歩行者または自転車運転者数のうち60.4%がやはり交差点、交差点付近での事故により死亡しています。

事故が起きやすい交差点の特徴

 今回の全国ワースト10の交差点を見ると、事故の起きやすさについて以下のような共通点がありました。

【1】交通量が多い
 車両が増えれば当然、事故のリスクは高まります。特にラッシュアワーは車両が集中し、混雑具合や焦りから神経も高ぶりやすく、視界が狭くなりがちです。早朝・夜間でも、配送トラックなど物流関係の車両が増えて混み合ってしまう地域があります。

【2】車線が多い
 複数の車線が絡み合うような大型の交差点は、信号、対向車、渋滞情報など注意すべき箇所が多く、あちこちへと注意を向けなければなりません。そのため、前の車が停止しているのに気づかずそのまま追突してしまったり、手前の横断歩道を渡る歩行者に気づかなかったりと、確認が至らなかったがゆえの事故が起きやすくなります。

【3】見通しが悪い
 高速道の橋脚や駐輪防止柵、路上駐車の車両のために視野が阻害されやすいところは、必然的に事故も起きやすくなります。こうした場所では速度も落とさざるをえないため、渋滞が起きやすいのも特徴です。

【4】歩行者・自転車の通行が多い
 周辺に商店街がある、観光地であるなど、人の行き交いが多い場所の交差点では人身事故が増えやすくなります。自転車の巻き込み事故などにも注意が必要です。

 いかがでしたか。通勤でいつも使っている道だから、見慣れているからと、思い込みで運転すると大変危険です。もちろん自転車や、車に乗らない歩行者も同様です。交差点ではより慎重に、かつ十分に確認を行ってから通行するようにしましょう。

<参考サイト>
・一般社団法人 日本損害保険協会HP
最新の「全国交通事故多発交差点マップ」を公表 ~人身事故件数、2020年は大阪府の「法円坂交差点」、福岡県の「針摺交差点」が全国ワースト1に~
https://www.sonpo.or.jp/news/release/2021/2109_01.html
全国交通事故多発交差点マップ
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/kousaten/2020/
東京都 令和2年の交差点事故状況
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/kousaten/2020/13/index.html
大阪府 令和2年の交差点事故状況
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/kousaten/2020/27/index.html

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