社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
アジアで影響力のある国ランキング
オーストラリアのシドニーに拠点を置くシンクタンク、ローウィー研究所は「ASIA POWER INDEX(アジアパワー指数)2021年版」を発表しました。この調査は2018年に始まり、今年で4回目となります。調査対象は26の国と地域です。今回はこのランキングを少し詳しく見てみましょう。
1位 82.2 アメリカ
2位 74.6 中国
3位 38.7 日本
4位 37.7 インド
5位 33.0 ロシア
6位 30.8 オーストラリア
7位 30.0 韓国
8位 26.2 シンガポール
9位 19.4 インドネシア
10位 19.2 タイ
1位はアメリカ。地理的には太平洋を挟んでほぼ反対側と言ってもいい国ですが、やはりアジアでの影響力は絶大です。2位は言わずと知れたアジアの大国、中国。ここからダブルスコア以上を離されて3位に日本が入っています。ちなみに日本は2020年でのスコアから2.4ポイント低くなっています。3位日本と4位のインドとの差はわずか1ポイント。人口の増減や今後の経済発展から考えれば、もしかしたら来年の順位は入れ替わっているかもしれません。調査では40ポイント以上を主要国のしきい値としています。つまりアジアの主要国はアメリカと中国のみということになります。
軍事力 7位 26.2
国防ネットワーク 3位 48.1
経済力 3位 31.9
経済的関係性 3位 40.3
外交的影響力 3位 84.5
文化的影響力 3位 43.5
復元力(レジリエンス) 9位 37.2
将来の資源 6位 11.5
3位に位置する大項目は「国防ネットワーク」「経済力」「経済的関係性」「外交的影響力」「文化的影響力」です。これらの分野では、日本はアジアの中でもまだある程度の影響力を維持していると言っていいのかもしれません。一方、前年度の調査からすると「国防ネットワーク」で0.7ポイント上昇して「経済力」が変化しなかった点以外、ほかの6項目すべてで力を落としています。
この要因について分析では「資源の安定性の低さと、エネルギー貿易収支がマイナスであるため」としています。「復元力(レジリエンス)」内の一階層下の項目まで見ると、特に「RESOURCE SECURITY(国の経済の機能に不可欠なエネルギーやその他の重要な資源への安全なアクセス)」での評価が低く、25位となっています。どのように資源やエネルギーを安定させるかということは、この国の宿命と言っていいかもしれません。
1位アメリカ、2位中国
評価する上での指標の大項目は「軍事力」「国防ネットワーク」「経済力」「経済的関係性」「外交的影響力」「文化的影響力」「復元力(レジリエンス)」「将来の資源」という8つです。この下に131の指標を設けて評価し総合的なスコアが集計されています。これによると、ランキングトップ10は以下の通り。順位の次の数値は総合100点満点中での獲得スコアです。1位 82.2 アメリカ
2位 74.6 中国
3位 38.7 日本
4位 37.7 インド
5位 33.0 ロシア
6位 30.8 オーストラリア
7位 30.0 韓国
8位 26.2 シンガポール
9位 19.4 インドネシア
10位 19.2 タイ
1位はアメリカ。地理的には太平洋を挟んでほぼ反対側と言ってもいい国ですが、やはりアジアでの影響力は絶大です。2位は言わずと知れたアジアの大国、中国。ここからダブルスコア以上を離されて3位に日本が入っています。ちなみに日本は2020年でのスコアから2.4ポイント低くなっています。3位日本と4位のインドとの差はわずか1ポイント。人口の増減や今後の経済発展から考えれば、もしかしたら来年の順位は入れ替わっているかもしれません。調査では40ポイント以上を主要国のしきい値としています。つまりアジアの主要国はアメリカと中国のみということになります。
日本が評価されているポイント
日本のデータに注目して見ましょう。8つの大項目別に日本の獲得スコア詳細を見てみます。右の数値は100点満点中のスコアです。軍事力 7位 26.2
国防ネットワーク 3位 48.1
経済力 3位 31.9
経済的関係性 3位 40.3
外交的影響力 3位 84.5
文化的影響力 3位 43.5
復元力(レジリエンス) 9位 37.2
将来の資源 6位 11.5
3位に位置する大項目は「国防ネットワーク」「経済力」「経済的関係性」「外交的影響力」「文化的影響力」です。これらの分野では、日本はアジアの中でもまだある程度の影響力を維持していると言っていいのかもしれません。一方、前年度の調査からすると「国防ネットワーク」で0.7ポイント上昇して「経済力」が変化しなかった点以外、ほかの6項目すべてで力を落としています。
復元力(レジリエンス)が低い要因は資源に関する問題
特に「経済的関係性」では前年比-7.2ポイントとなっています。また「外交的影響力」は、スコアとしては比較的高いですが、前年度2位だった地点からランクダウン。加えて「復元力(レジリエンス)」は2ランクダウンです。この「復元力(レジリエンス)」は、いわば問題が発生したときの適応能力です。この評価は日本の評価全体を通しても特に低いようです。この要因について分析では「資源の安定性の低さと、エネルギー貿易収支がマイナスであるため」としています。「復元力(レジリエンス)」内の一階層下の項目まで見ると、特に「RESOURCE SECURITY(国の経済の機能に不可欠なエネルギーやその他の重要な資源への安全なアクセス)」での評価が低く、25位となっています。どのように資源やエネルギーを安定させるかということは、この国の宿命と言っていいかもしれません。
<参考サイト>
COMPREHENSIVE POWER|LOWY INSTITUTE ASIA POWER INDEX
https://power.lowyinstitute.org/
JAPAN|LOWY INSTITUTE ASIA POWER INDEX
https://power.lowyinstitute.org/countries/japan/
COMPREHENSIVE POWER|LOWY INSTITUTE ASIA POWER INDEX
https://power.lowyinstitute.org/
JAPAN|LOWY INSTITUTE ASIA POWER INDEX
https://power.lowyinstitute.org/countries/japan/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,500本以上。
『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
地図で読む「ヨーロッパにおけるパワーの東漸と西進」
地政学入門 ヨーロッパ編(2)地理的条件と東西の攻防
第一次、第二次世界大戦におけるヨーロッパの攻防を地政学の観点から見ると、いったいどのような背景が読み取れるだろうか。アルプスと平野、海といった地理的条件から、ヨーロッパの「西と東」の攻防の歴史を読み解く。そうす...
収録日:2025/02/28
追加日:2025/05/12
ブレーキなき極右ポピュリズム…文化戦争を重視し経済軽視
第2次トランプ政権の危険性と本質(1)実は「経済重視」ではない?
「第二次トランプ政権は、第一次政権とは全く別の政権である」――そう見たほうが良いのだと、柿埜氏は語る。ついつい「第1次は経済重視の政権だった」と考えてしまいがちだが、実は第2次政権では「経済」の優先順位は低いのだと...
収録日:2025/04/07
追加日:2025/05/10
『法華経』と「神道」はアバター!?通底する世界観とは
おもしろき『法華経』の世界(2)『法華経』と「神道」の共通性
聖徳太子、最澄、空海、日蓮、宮沢賢治など多くの人に多大な影響を与えてきた『法華経』は長い年月にわたり日本宗教史を貫いてきた存在である。『法華経』は、苦悩を前提としつつ、むしろそうであるがゆえに明るい未来や救済の...
収録日:2025/01/27
追加日:2025/05/11
相互関税の影響は?…トランプが築く現代版の万里の長城
世界を混乱させるトランプ関税攻勢の狙い(1)「相互関税」とは何か?
トランプ大統領は、2025年4月2日(アメリカ時間)に貿易相手国に「相互関税」を課すと発表し、「解放の日」だと唱えた。しかし、「相互関税」の考え方は、まったくよくわからないのが実状だ。はたして、トランプ大統領がめざす...
収録日:2025/04/04
追加日:2025/04/10
健康診断の結果が悪い人が絶対にやってはいけないこと
健診結果から考える健康管理・新5カ条(1)血管をより長く守ることが重要な時代
健康診断の結果を現在の「病気の有無」だけに注目するのは、健康管理において不十分である。大事なことは、糖尿病、認知症、脳卒中、心筋梗塞など重篤な病気につながる共通点に着目していくこと。キーワードは「血管」である。...
収録日:2025/01/10
追加日:2025/04/15