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日本一の温泉地はどこ?日本の温泉トリビア
全国に約3000の温泉地を有する、世界一の温泉大国・ニッポン。その歴史は古く、奈良時代に編まれた『日本書紀』や『風土記』にはすでに温泉に関する記述が見られ、日本武尊(ヤマトタケルノミコト)といった神々たちが温泉を楽しんだという伝説が残っています。温泉と、その温泉を愛する心は、日本人のDNAに深く刻み込まれた大切な文化といえるでしょう。
昨今は海外でも温泉がブームとなっており、日本に来る外国人観光者も増えた影響もあって、温泉地はより“日本らしさ”、そして“その温泉地の独自色”を追求する傾向にあるそうです。メディアでも「日本一の○○を誇る温泉」「日本唯一の○○な温泉」といったキャッチコピーをよく見かけますよね。
今回は、そんな温泉の“日本一”や、知っておくとためになる温泉の豆知識をまとめてみました。
<日本の「温泉地」数トップ3>
1位:北海道(243か所)
2位:長野県(205か所)
3位:新潟県(145か所)
堂々の1位は北海道! 登別温泉や洞爺湖温泉、湯の川温泉といった名湯が点在しています。温泉もさることながら、各温泉地から望める広大な景色は絶景そのもの。北の大地の醍醐味を思う存分味わえることでしょう。
ちなみに温泉地が最も少ない県は、沖縄県の11か所でした。
<日本の「源泉」数トップ3>
1位:大分県(5,088孔)
2位:鹿児島県(2,749孔)
3位:静岡県(2,244孔)
別府温泉、湯布院温泉、湯平温泉などを有する大分県が5000越えの断トツトップ! 県内16市町村のほぼすべてから温泉が沸いており、温泉の「湧出量」も日本一。全国の約11%を占めています。温泉の量で見れば、大分県が日本一の温泉県と言えるでしょう。
ちなみに源泉数が最も少ない県は沖縄県の19孔となっています。
<日本三名泉>
・草津温泉(群馬県)
・有馬温泉(兵庫県)
・下呂温泉(岐阜県)
三名泉の由来は、応仁の乱を生きた室町時代の僧・万里集九(ばんりしゅうく)が詩文集『梅花無尽蔵』の中で「我が国60余州ごとに霊湯あり。その最たるものは、上州の草津、津陽の有馬、飛州の湯島(下呂)、この3か所なり」と記し、さらに江戸時代の儒学者・林羅山が、この3つの地を「天下の三名泉」と名づけたことが発端となります。
<日本三古泉>
・道後温泉(愛媛県)
・有馬温泉(兵庫県)
・白浜温泉(和歌山県) または、いわき湯本温泉(福島県)
古泉とはその名のごとく、古くからその名を知られた歴史ある温泉を指します。道後温泉と有馬温泉、白浜温泉は、日本最古の正史『日本書紀』と『風土記』に記述があるため三古泉に選ばれています。
いっぽう、白浜温泉の代わりにいわき湯本温泉が選ばれることもあります。これは平安時代の『延喜式神名帳』に由来しています。
三名泉、三古泉のいずれも古来より貴賤や世代を問わず愛された温泉で、その効能はもちろん、風情ある街並みや豊かな自然が見どころで、日本を代表するにふさわしい温泉地。一生に一度は訪れたいですね。
【緑に黒、コバルトブルーも!温泉は“十湯十色”】
日本には、実はいろいろな色の温泉があるのをご存じでしょうか。温泉はその中に含まれる成分によって、さまざまな色に変化するのです。
たとえば有馬温泉には鉄分が含まれており、その鉄分が空気中の酸素と反応し酸化することによって茶褐色~金色に輝くため、別名「金泉」と呼ばれています。
長野県の熊の湯温泉は硫黄やナトリウムなどを含んだ鮮やかなエメラルドグリーンで有名。大分県の湯布院温泉は、お湯の中の無数の微粒子が青い光のみを反射することによって幻想的なコバルトブルーの水面を生み出しています。
いっぽう東京都内にも意外と温泉が多く、特に真っ黒に染め上がった黒湯がメジャーです。植物や海藻類が地下水で分解されてできた有機物によって黒く見えるのだとか。
【「温泉まんじゅう」発祥の地・伊香保温泉】
温泉地といえばグルメが欠かせません。中でもほかほかの「温泉まんじゅう」は、食べ歩きの定番ですよね。全国の温泉地に行けば見られる温泉まんじゅうですが、その発祥の地は群馬県・伊香保温泉の『勝月堂』というお店の「湯乃花まんじゅう」だといわれています。
伊香保の名物として生まれた「湯乃花まんじゅう」は、昭和天皇に献上されたことがきっかけで全国に知れ渡りました。
【体温よりも低い!? “温かくない温泉”がある】
福島県福島市には、お湯の温度が約32度という超低温の温泉があります。『ぬる湯温泉 旅館二階堂』という旅館の温泉がそれで、泉質は含アルミニウム泉。湯量は非常に豊富で、常に新鮮なお湯を贅沢に楽しむことができるのだそう。なお旅館は雪深い場所にあるため、冬季営業していないのでご注意を。
【ついつい忘れがちな温泉のマナー】
最後に温泉のマナーについておさらいしましょう。
・必ずトイレを済ませてから入る
・温泉に入る前は必ず「かけ湯」をする
・洗い場で髪染めや洗濯をしない
・禁忌症(温泉に入ることで悪い影響が出る病気や病態があること)に注意して入る
・シャワーを使う時は周囲に水しぶきがかからないようにする
・大声で騒がない
温泉に行くとついついリラックスしてハメを外しがちになりますが、温泉はすべての日本人の大切な共通財産。お互い気持ち良く利用するためにもルールを守って入りましょう!
昨今は海外でも温泉がブームとなっており、日本に来る外国人観光者も増えた影響もあって、温泉地はより“日本らしさ”、そして“その温泉地の独自色”を追求する傾向にあるそうです。メディアでも「日本一の○○を誇る温泉」「日本唯一の○○な温泉」といったキャッチコピーをよく見かけますよね。
今回は、そんな温泉の“日本一”や、知っておくとためになる温泉の豆知識をまとめてみました。
数で見る温泉の日本一
環境省のデータ(2019年)によると、日本全国の宿泊箇所を伴う温泉地は全国に2,971か所(源泉数は27,969孔)にのぼるといいます。ここで「数」にまつわる温泉の日本一を見ていきましょう。<日本の「温泉地」数トップ3>
1位:北海道(243か所)
2位:長野県(205か所)
3位:新潟県(145か所)
堂々の1位は北海道! 登別温泉や洞爺湖温泉、湯の川温泉といった名湯が点在しています。温泉もさることながら、各温泉地から望める広大な景色は絶景そのもの。北の大地の醍醐味を思う存分味わえることでしょう。
ちなみに温泉地が最も少ない県は、沖縄県の11か所でした。
<日本の「源泉」数トップ3>
1位:大分県(5,088孔)
2位:鹿児島県(2,749孔)
3位:静岡県(2,244孔)
別府温泉、湯布院温泉、湯平温泉などを有する大分県が5000越えの断トツトップ! 県内16市町村のほぼすべてから温泉が沸いており、温泉の「湧出量」も日本一。全国の約11%を占めています。温泉の量で見れば、大分県が日本一の温泉県と言えるでしょう。
ちなみに源泉数が最も少ない県は沖縄県の19孔となっています。
日本三名泉&日本三古泉
名湯の代表として呼称される「日本三名泉」と「日本三古泉」。その定義には諸説ありますが、一般的に知られているものを押さえておきましょう。<日本三名泉>
・草津温泉(群馬県)
・有馬温泉(兵庫県)
・下呂温泉(岐阜県)
三名泉の由来は、応仁の乱を生きた室町時代の僧・万里集九(ばんりしゅうく)が詩文集『梅花無尽蔵』の中で「我が国60余州ごとに霊湯あり。その最たるものは、上州の草津、津陽の有馬、飛州の湯島(下呂)、この3か所なり」と記し、さらに江戸時代の儒学者・林羅山が、この3つの地を「天下の三名泉」と名づけたことが発端となります。
<日本三古泉>
・道後温泉(愛媛県)
・有馬温泉(兵庫県)
・白浜温泉(和歌山県) または、いわき湯本温泉(福島県)
古泉とはその名のごとく、古くからその名を知られた歴史ある温泉を指します。道後温泉と有馬温泉、白浜温泉は、日本最古の正史『日本書紀』と『風土記』に記述があるため三古泉に選ばれています。
いっぽう、白浜温泉の代わりにいわき湯本温泉が選ばれることもあります。これは平安時代の『延喜式神名帳』に由来しています。
三名泉、三古泉のいずれも古来より貴賤や世代を問わず愛された温泉で、その効能はもちろん、風情ある街並みや豊かな自然が見どころで、日本を代表するにふさわしい温泉地。一生に一度は訪れたいですね。
誰かに話したくなる!温泉トリビア
ここで知っておくとちょっと人に自慢できる(?)温泉雑学をご紹介しましょう。【緑に黒、コバルトブルーも!温泉は“十湯十色”】
日本には、実はいろいろな色の温泉があるのをご存じでしょうか。温泉はその中に含まれる成分によって、さまざまな色に変化するのです。
たとえば有馬温泉には鉄分が含まれており、その鉄分が空気中の酸素と反応し酸化することによって茶褐色~金色に輝くため、別名「金泉」と呼ばれています。
長野県の熊の湯温泉は硫黄やナトリウムなどを含んだ鮮やかなエメラルドグリーンで有名。大分県の湯布院温泉は、お湯の中の無数の微粒子が青い光のみを反射することによって幻想的なコバルトブルーの水面を生み出しています。
いっぽう東京都内にも意外と温泉が多く、特に真っ黒に染め上がった黒湯がメジャーです。植物や海藻類が地下水で分解されてできた有機物によって黒く見えるのだとか。
【「温泉まんじゅう」発祥の地・伊香保温泉】
温泉地といえばグルメが欠かせません。中でもほかほかの「温泉まんじゅう」は、食べ歩きの定番ですよね。全国の温泉地に行けば見られる温泉まんじゅうですが、その発祥の地は群馬県・伊香保温泉の『勝月堂』というお店の「湯乃花まんじゅう」だといわれています。
伊香保の名物として生まれた「湯乃花まんじゅう」は、昭和天皇に献上されたことがきっかけで全国に知れ渡りました。
【体温よりも低い!? “温かくない温泉”がある】
福島県福島市には、お湯の温度が約32度という超低温の温泉があります。『ぬる湯温泉 旅館二階堂』という旅館の温泉がそれで、泉質は含アルミニウム泉。湯量は非常に豊富で、常に新鮮なお湯を贅沢に楽しむことができるのだそう。なお旅館は雪深い場所にあるため、冬季営業していないのでご注意を。
【ついつい忘れがちな温泉のマナー】
最後に温泉のマナーについておさらいしましょう。
・必ずトイレを済ませてから入る
・温泉に入る前は必ず「かけ湯」をする
・洗い場で髪染めや洗濯をしない
・禁忌症(温泉に入ることで悪い影響が出る病気や病態があること)に注意して入る
・シャワーを使う時は周囲に水しぶきがかからないようにする
・大声で騒がない
温泉に行くとついついリラックスしてハメを外しがちになりますが、温泉はすべての日本人の大切な共通財産。お互い気持ち良く利用するためにもルールを守って入りましょう!
<参考サイト>
・温泉に関するデータ - 令和元年度温泉利用状況(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/onsen/data/
・温泉百科(一般社団法人日本温泉協会)
https://www.spa.or.jp/category/onsen/
・大分県の温泉の現状(概要)(大分県)
https://www.pref.oita.jp/soshiki/13002/onsengenjyo.html
・温泉トリビア(マイナビニュース)
https://news.mynavi.jp/series/onsen/
・温泉に関するデータ - 令和元年度温泉利用状況(環境省)
https://www.env.go.jp/nature/onsen/data/
・温泉百科(一般社団法人日本温泉協会)
https://www.spa.or.jp/category/onsen/
・大分県の温泉の現状(概要)(大分県)
https://www.pref.oita.jp/soshiki/13002/onsengenjyo.html
・温泉トリビア(マイナビニュース)
https://news.mynavi.jp/series/onsen/
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