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なぜ映画を「早送り」で観るようになったのか?
映画を始めとした映像作品を早送りや倍速再生などで視聴する――。経験がない人にとっては「そんなことやったことない。どうしてそういう見方をするの?」と疑問に感じるかもしれませんが、そうした視聴習慣を持つ人に迫った本『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』(光文社、稲田豊史)が今話題になっています。
同調査によると、倍速視聴の良い点は「自分の好きな速度で見られるので、自由度が上がる」こと。一方で懸念点は「テンポが早すぎて内容が理解できない」こと。倍速で見たいと思うコンテンツのトップ3はドラマ、ニュース・報道、バラエティーでした。私自身も倍速で動画を見ることはそれなりにありますが、情報収集のためのドキュメンタリーやニュース番組だけで、鑑賞という意味合いが強いドラマや映画を倍速で見たことはありません。なのでドラマが1位というのは驚きの結果でした。
冒頭で書名を出した『映画を早送りで観る人たち~』によると、タイムパフォーマンスが良いという点が重要視されるケースもあるようです。2時間の映画であっても、倍速で見れば1時間。仲間内での話題についていくためには、作品をじっくり味わうことなくても見たことがある、わかるという情報収集が大切だというのです。
『映画を早送りで観る人たち~』は、サブスクリプションサービスの隆盛により、見ることができる作品数が従来に比べて圧倒的に増えた点も指摘しています。確かにレンタルビデオ店で借りてきた作品を倍速で見てしまったらもったいないですが、Netflixの作品を倍速で早めに見終わったとしても、他に見る作品が無数にあります。早く見終わることに対する“もったいなさ”は感じにくいことでしょう。
さらに同書の示唆でなるほどと思わされたのは、著者が大学で授業を行った際に学生からのレポートに書かれていたという意見です。「ここまで習慣化されているのだから、製作側が『視聴者は倍速視聴や10秒飛ばしするものだ』と認識して作品を作るべき。もしくは等速で観ないと100%楽しめないような作品を作ればいい」。従来は倍速視聴されることを想定した作品つくりはしてこなかったでしょうが、これからはそうした見られ方の可能性がある、なぜなら広く習慣になっているのだから。これは映像作品に限った話ではなく、世にあふれるコンテンツすべてに関して言えることなのかもしれません。
20代の約半数は経験あり
動画の倍速視聴経験がある人はいったいどれくらいいるのか。クロス・マーケティングの調査によると、20代の約半数は視聴経験があり、調査対象の全年代(20~69歳の男女)平均でも約3人に1人は経験があるとのこと。「よく倍速で視聴している」と回答した人も20代男性だと約2割に上ります。決してマイノリティというわけでもなさそうです。同調査によると、倍速視聴の良い点は「自分の好きな速度で見られるので、自由度が上がる」こと。一方で懸念点は「テンポが早すぎて内容が理解できない」こと。倍速で見たいと思うコンテンツのトップ3はドラマ、ニュース・報道、バラエティーでした。私自身も倍速で動画を見ることはそれなりにありますが、情報収集のためのドキュメンタリーやニュース番組だけで、鑑賞という意味合いが強いドラマや映画を倍速で見たことはありません。なのでドラマが1位というのは驚きの結果でした。
冒頭で書名を出した『映画を早送りで観る人たち~』によると、タイムパフォーマンスが良いという点が重要視されるケースもあるようです。2時間の映画であっても、倍速で見れば1時間。仲間内での話題についていくためには、作品をじっくり味わうことなくても見たことがある、わかるという情報収集が大切だというのです。
Netflixでも倍速機能あり
動画配信大手のNetflixでも当初は倍速再生機能をつけていなかったものの、2019年に実装。0.5倍速から1.5倍速まで選べます。一方でAmazon Primeのプライム・ビデオでは公式の倍速機能はありません。倍速視聴に対する一定の需要がある中、もしもNetflixとAmazon Primeどちらに入るか悩んでいる人がいて、その人にとって倍速視聴が重要なのであればNetflixを選ぶ可能性はかなり高くなることでしょう。需要がなければそうした機能はつけないでしょうから、今でもNetflixに倍速機能がついていることは需要がある証拠と見ることができます。『映画を早送りで観る人たち~』は、サブスクリプションサービスの隆盛により、見ることができる作品数が従来に比べて圧倒的に増えた点も指摘しています。確かにレンタルビデオ店で借りてきた作品を倍速で見てしまったらもったいないですが、Netflixの作品を倍速で早めに見終わったとしても、他に見る作品が無数にあります。早く見終わることに対する“もったいなさ”は感じにくいことでしょう。
さらに同書の示唆でなるほどと思わされたのは、著者が大学で授業を行った際に学生からのレポートに書かれていたという意見です。「ここまで習慣化されているのだから、製作側が『視聴者は倍速視聴や10秒飛ばしするものだ』と認識して作品を作るべき。もしくは等速で観ないと100%楽しめないような作品を作ればいい」。従来は倍速視聴されることを想定した作品つくりはしてこなかったでしょうが、これからはそうした見られ方の可能性がある、なぜなら広く習慣になっているのだから。これは映像作品に限った話ではなく、世にあふれるコンテンツすべてに関して言えることなのかもしれません。
<参考文献・参考サイト>
『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』(稲田豊史著、光文社)
動画の倍速視聴に関する調査(2021年) | リサーチ・市場調査ならクロス・マーケティング
https://www.cross-m.co.jp/report/life/20210310baisoku/
『映画を早送りで観る人たち ファスト映画・ネタバレ――コンテンツ消費の現在形』(稲田豊史著、光文社)
動画の倍速視聴に関する調査(2021年) | リサーチ・市場調査ならクロス・マーケティング
https://www.cross-m.co.jp/report/life/20210310baisoku/
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