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DATE/ 2022.07.14

ペットボトルの飲み残し、いつまで飲める?

 喉が渇いたとき、コンビニや自販機で手軽に買えるペットボトルはとても便利ですよね。しかし、買ったその時は喉を潤したとしても、そのあとタイミングがなく飲み残してしまうこともあるでしょう。「口をつけてからどれくらいまでの時間なら飲んでも大丈夫なのか」と悩んだことはありませんか? 気にしない人もいれば、気になって飲み残しは捨ててしまう人もいるでしょう。今回はその疑問に答えていきましょう。

飲み残しはその日のうちに

 ペットボトルに「開封後はすぐにお飲みください」と書かれていることは珍しくありません。では「すぐ」とはいつなのでしょうか。

 ペットボトルはキャップを開けただけでも細菌が入ってしまうため、口をつけていない場合でも2~3日で飲み切ることが推奨されています。口をつけた場合には、口の中の細菌がペットボトルに入ってしまうためもっと早く、その日のうちに飲み切るようにと言われています。この細菌が原因となって増殖することで味が変化したり、飲み物が腐敗してしまうので、細菌が増える前に飲み切ることが重要なのです。

飲み残しのペットボトルの中で起こること

 では、飲み残したペットボトルの中でどれほどの細菌が増殖してしまうのか、宇都宮市が行ったある実験結果を見てみましょう。この実験では、ミルクコーヒー、麦茶、スポーツ飲料、果汁100%のオレンジジュース、緑茶の5種類を対象に、ペットボトルに口をつけた直後から48時間後まで、夏の気温を想定した30度の環境に置いたら細菌はどれだけ増えるのかを調べています。

 この中でもっとも細菌が増えたのはミルクコーヒー、その次が麦茶という結果になりました。一方で、他の3種類では細菌が減少したという結果が出ています。この実験結果から、菌のエサになる糖分やタンパク質、炭水化物などが含まれているものは細菌が繁殖しやすく、カテキンや強い酸性の液体などの細菌を抑える作用のあるものは細菌が繁殖しにくいということが分かりました。とはいえ、この実験で細菌の減少が確認された飲み物も、何度もキャップを開けたり口をつけたりすると細菌が混入してしまうので、その日のうちに飲み切った方が良いでしょう。

暑い時期には破裂する危険も

 気温が高い季節には飲み物の痛みだけでなく、ペットボトルの破裂にも気をつけなければなりません。暑い中で放置すると内圧が高まってペットボトルが膨らんだり、飲料の温度が上がって容器が変形してしまうこともあります。実際に、膨らんだペットボトルを開けようとしたら蓋が飛んで顔に当たった、容器が変形して中身がこぼれたなどのトラブルも起きているので、扱いには注意しましょう。

ペットボトルでのトラブルを防ぐために

 便利なペットボトル飲料ですが、紹介したようにさまざまなトラブルの原因になることもあります。それを防ぐためには、口をつけたらその日のうちに、開栓したら2~3日中には飲み切る、保存する場合には冷蔵庫に入れる、気温が高い季節には高温の場所に放置しない、といったことを徹底することが大切です。飲み残しで怪我をしたりお腹を下さないよう、参考にしてみてください。

<参考サイト>
・清涼飲料水の開栓後はどれくらいで飲めばよいですか? サントリーお客様センター
https://www.suntory.co.jp/customer/faq/003046.html
・ポカリスエットは開栓後、どれくらい持つのですか?|ポカリスエット|大塚製薬
https://www.otsuka.co.jp/faq/pocarisweat/04.html
・口をつけたペットボトル飲料、飲み残しは飲まない方がいい?|宇都宮市公式Webサイト
https://www.city.utsunomiya.tochigi.jp/kurashi/eisei/shikenjo/1014682.html
・ペットボトルの飲み残しに注意|東京都
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/04/22/07.html
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