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DATE/ 2024.11.30

オジサン、オバサンは何歳から?

 オジサン、オバサン、初めて呼ばれたときはショックを受けるかもしれないですし、「体力が落ちた、もう俺もオジサンだな」なんて自覚をすることもあるかもしれません。高校に入学したときは「3年生はオジサンだな」なんて思ったことも私自身ありますが、もちろん自分が3年生になった時にオジサンだなんて自覚はありません。人によって感じ方は様々ですが、そんなオジサン、オバサンは何歳からなのか、まずは一般的なとらえ方から見てみましょう。

40代半ばあたりがオジサンの入口?

 博報堂生活総合研究所の2020年調査によると、「『おじさん』とは、何歳くらいからを指すと思いますか」の平均は43.24歳。「おばさん」は平均43.12歳からで、男女格差はほとんどなさそうです。40歳をちょっと過ぎるとオジサン、オバサンと見られがちという評価ですね。続いてサントリーウェルネスが行った「実感年齢白書 2022」では、「何歳以上から『おじさん』?『おばさん』?」という質問に対し、平均は49歳。博報堂の調査よりも高めですね。ちなみに「何歳以上から『おじいさん』?『おばあさん』?」の平均は69歳でした。

 まだまだいきましょう。BIGLOBEが行った「年齢に関する意識調査」だと、「おじさん」だと思う年齢に対する回答の平均は45.7歳、「おばさん」は45.4歳でした。「高校生の頃に『おじさん』だと思った年齢」は、平均40.9歳、「高校生の頃に『おばさん』だと思った年齢」は40.4歳で、若い頃は「オジサン」「オバサン」へのハードルが低かったものの、実際に年を重ねるにつれ、40歳になったばかりじゃまだオジサン(オバサン)じゃないよね!という感覚になっているようです。

平均寿命で見ればまだまだ折り返し地点

 40代がオジサン、オバサンと見られる入口になるというのは一般的な考えとも言えそうですね。では40代とは人生においてどんなステージにあるのか。厚生労働省の「簡易生命表」によると、男性の平均寿命は 81.47 年、女性の平均寿命は87.57年で、40代と言えばまだまだ折り返し地点とも言えそうです。簡易生命表には年齢ごとの平均余命も掲載されているのですが、45歳の場合男性は37.62年、女性は43.39年です。サントリーウェルネスの「実感年齢白書 2022」に照らし合わせると、男性は49歳から69歳までの20年間がオジサン、69歳から亡くなるまでの平均12年間がおじいさんとして過ごす、ということになりそうです。実感に合っているでしょうか?

 オジサン、オバサンが何歳からか、という調査結果推移は残念ながら見つからなかったのですが、平均寿命は大まかには伸び続ける傾向にあります(令和3年は前年に比べてやや短くなっています)。戦後すぐの1947年は男性50.06歳で女性53.96歳、1975年は男性71.73歳、女性76.89歳、1990年は男性75.92歳、女性81.90歳。平均寿命が50歳そこそこだった時代は、オジサン、おじいさんの認識もきっと違っていたことでしょう。オジサンというよりおじいさん寄りにも見える「サザエさん」の磯野波平は実は54歳。現代の感覚だと54歳にしては老けているようにも見えますが、昭和中頃であれば波平の年齢設定も違和感なかったのかもしれませんね。

<参考サイト>
・「43歳からおじさん」が調査で判明! 「7つの特徴」を大分析:日経クロストレンド
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00401/00001/
・PROJECT01 実感年齢白書|サントリーグッドエイジングラボ
https://www.suntory-kenko.com/contents/aginglabo/jikkan_nenrei/hakusyo/jikkan-nenrei-hakusyo-01.pdf
・「おじさん」だと思う年齢は平均45.7歳 「おばさん」は平均45.4歳にBIGLOBEが「年齢に関する意識調査」第1弾を発表 | プレスルーム | ビッグローブ株式会社
https://www.biglobe.co.jp/pressroom/info/2018/08/180816-1
・令和3年簡易生命表の概況|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life21/index.html
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