テンミニッツTV|有識者による1話10分のオンライン講義
ログイン 会員登録 テンミニッツTVとは
社会人向け教養サービス 『テンミニッツTV』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2023.01.17

実は日本発祥!意外な「国内ブランド」5選

 日本で人気のブランドには国内ブランドもあれば海外ブランドも数多くありますよね。しかし、実は国内ブランドでありながら多くの人が海外ブランドと誤解しているものも少なくありません。「え、あのブランドって日本発だったの?」と思ってしまいそうな5つのブランドを紹介しましょう。

ウィルキンソン

 炭酸水の有名ブランドであるウィルキンソンも、名前やパッケージだけ見れば海外ブランドのように思われますが、実は国内発祥のブランドです。その始まりは1890年、明治時代のこと。イギリス生まれのジョン・クリフォード・ウィルキンソン氏が兵庫県宝塚で発見した炭酸鉱泉を瓶詰めにして販売を開始したことがはじまりです。そのため、ブランド名は氏の名前からとった「ウィルキンソン」になっているんですね。

 炭酸水を「タンサン」と呼ぶようになったのはウィルキンソンの商標が一般化したためといわれ、現在では炭酸水の代表的メーカーとして広く愛されるブランドになっています。

エドウィン

 デニムアイテムの定番でもあるエドウィンは、広告に外国人の起用が多いことや、扱っている商材のイメージから海外ブランドだと思われがちですが、実は戦後の日本で生まれたブランドです。ブランド名の「EDWIN」は「DENIM」の文字を自由に入れ替えたことが由来になっているといいます。

 1947年、東京都日暮里で創業した常見米八商店が、日本で初めて中古ジーンズを販売したことに起源を持ちます。しかし米国製ジーンズは日本市場にフィットしなかったため、日本人の体型に合ったデニムが作りたいという思いから、1961年から国内ブランドのEDWINとして、国産ジーンズの製造を始めました。現在では世界に誇る国産ジーンズの人気ブランドとして成長を遂げています。

サマンサタバサ

 10~20代の女性から支持されているバッグや財布を扱うサマンサタバサも、1994年に寺田和正氏によって創業された日本初のブランドです。海外ブランドの印象を受けるブランド名は、アメリカの人気番組の登場人物のサマンサとタバサの名前からそのブランド名がつけられたとか。

 ヒルトン姉妹やヴィクトリア・ベッカムなど海外の有名人とのコラボも多いことから海外ブランドのイメージを持ちやすいのですが、バッグは日本の高い技術を活かして生産しており、品質にも非常に力を入れているといいます(一部海外生産もあり)。

フランスベッド

 家庭用、医療用のベッドやマットレスなどを扱うフランスベッドは、社名に「フランス」とありますが、東京都三鷹市生まれの国内ブランドです。名前に「フランス」が入っている理由は定かではありませんが、当時はフランスに対する憧れが強かったからではないかともいわれています。前身は1949年に設立した双葉製作所で、1961年にフランスベッドへと社名が変わっています。

 フランスベッドは当時の住宅事情を考慮した分割ベッドを発売し、大きな話題を呼んでベッド市場に参入しました。以降、代表的な日本のベッドメーカーとして広く親しまれています。

モンベル

 登山やアウトドアを趣味とする人にはお馴染みのモンベルも、1975年に大阪で生まれた日本企業です。創業者は日本のトップクライマーでもある辰野勇氏。フランス語の美しい山(mont belle)を語源とした社名がつけられました。自身も登山家であることから、経験に基づいて自分たちが必要だと感じる商品開発に力を入れているといいます。そのブレない信念がアウトドアブランドを牽引するまでに成長する根源にあるのです。

 この他にもお菓子メーカーの「モロゾフ」や女性向け下着メーカーの「ピーチ・ジョン」、ファッションブランドの「アーノルドパーマー」、電子楽器の「ローランド」なども海外ブランドと間違われやすいですが、国内で生まれたブランドになります。もし気になる場合には調べてみるのも面白いかもしれません。

<参考サイト>
・ヒストリー|ウィルキンソン|アサヒ飲料
https://www.asahiinryo.co.jp/wilkinson/sp/history/
・EDWIN HISTORY | ジーンズ、デニムのエドウイン(EDWIN)公式ブランドサイト
https://edwin.co.jp/company/history/
・サマンサタバサ : Samantha Thavasa - ファッションプレス
https://www.fashion-press.net/brands/193
・フランスベッドの歴史
https://www.bed.co.jp/history.html
・モンベル | モンベルについて | モンベルヒストリー
https://about.montbell.jp/history/
・アウトドア通じて広く社会に貢献 辰野勇さん(モンベル会長) | 特別インタビュー | AAR Japan[難民を助ける会]:日本生まれの国際NGO
https://aarjapan.gr.jp/interview/4578/
~最後までコラムを読んでくれた方へ~
物知りもいいけど知的な教養人も“あり”だと思います。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,100本以上。 『テンミニッツTV』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運

運も実力のうち!?小早川の寝返りを生んだ黒田長政の好運

運と歴史~人は運で決まるか(2)運に恵まれるにはどうすればいいか

普通の人間の「運」については、どう考えればいいのだろうか。例えば、日本において消費文化が花開いた江戸時代、11代将軍・徳川家斉の治世には、庶民が「運がめぐってこない」ことを皮肉った狂詩があった。運には「めぐりあわ...
収録日:2024/03/06
追加日:2024/04/25
山内昌之
東京大学名誉教授
2

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

陰の主役はイラン!?イスラエル・ハマス紛争の宗教的背景

グローバル・サウスは世界をどう変えるか(4)サウジアラビアとイランの存在感

中東のグローバル・サウスといえば、サウジアラビアとイランである。両国ともに世界的な産油国であり、世界の政治・経済に大きな存在感を示している。ただし、石油を武器にアメリカとの関係を深めてきたのがサウジアラビアであ...
収録日:2024/02/14
追加日:2024/04/24
島田晴雄
慶應義塾大学名誉教授
3

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

起業の極意!サム・アルトマンと松下幸之助

編集部ラジオ2024:4月24日(水)

ChatGPTを開発したことで一躍有名となったOpenAI創業者のサム・アルトマン。AIの発展によって社会は大きく、急速に変化しており、その中心的な人物こそが彼であるといっても過言ではありません。

そんなアルトマンが...
収録日:2024/04/15
追加日:2024/04/24
テンミニッツTV編集部
教養動画メディア
4

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

権威主義とポピュリズムへの対抗…歴史を学び、連帯しよう

民主主義の本質(5)民主主義を守り育てるために

ポピュリズムや権威主義的な国家の脅威が迫る現在の国際社会。それに対抗し、民主主義的な社会を堅持するために、国際社会の中で日本はどのように振る舞うべきか。議論を進める前提として大事なのは「歴史から学ぶ」ことである...
収録日:2024/02/05
追加日:2024/04/23
橋爪大三郎
社会学者
5

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンスはどうやって始まった?…美術の時代背景

ルネサンス美術の見方(1)ルネサンス美術とは何か

ルネサンス美術とはいったい何なのか。これを考えるためには、なぜその時代に古代ギリシャ、ローマの文化が復活しなければならなかったのかを考える必要がある。その鍵は、ルネサンス以前のイタリアの分裂した都市国家の状態や...
収録日:2019/09/06
追加日:2019/10/31
池上英洋
東京造形大学教授