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「新しいNISA」はやるべき?そのメリットは
政府は先ごろ「資産所得倍増プラン」を表明しました。これは以前から進められてきた「貯蓄から投資へ」のシフトをさらに推し進めるものです。個人の資産形成を促す流れは明確なものとなっています。これまで施策としてNISAやIDECOといった投資制度が作られてきましたが、今回はNISAが拡充されます。当面の目標としては「NISAの総口座数とNISAにおける累計買付額を5年で倍増させる」といったことが掲げられているようです。まずはそもそもNISAとはどういったものなのか確認したのち、今回の施策である新しいNISAの詳細を見てみましょう。
NISAは2014年から運用されている「一般NISA」と、2018年から運用が開始された「つみたてNISA」の大きく2種類があります(18歳未満を対象としたジュニアNISAもあります)。これまでは一般NISAが最長5年で年間120万円が上限、つみたてNISAは最長20年で年間40万円とされてきました。つまり、一般NISA(株式・投資信託・ETFが購入可能)は5年間で最大600万円までの非課税投資が可能、つみたてNISA(投資信託のみ購入可能)は20年間で最大800万円までの非課税投資が可能でした。
従来のものに比べて規模がかなり大きくなったと言えるでしょう。投資の利益(譲渡益や配当金)に課される税率が20%超であることを考えれば、すでに資産運用している人は活用しない手はないでしょう。ただし、現在他の口座(特定口座や一般口座など)で保有している金融商品をNISA口座に移すことはできません。また。NISA口座はほかの口座と損益通算できないということは知っておきましょう。また、新しいNISAは現行のものとは外枠での扱いです。つまり、現行のNISA口座からそのまま新しいNISA口座にロールオーバーする(移管する)ことはできません。制度が実施されるのは2024年からが予定されています。
新しいNISAはもちろん新たに資産形成を目指すひとにとっても魅力的です。ただし、投資は預貯金とはことなり元本保証はありません。また資産が増える保証もありません。資産運用をこれから始めようと考えている人は自分のライフプランや家計の状況を鑑みて判断する必要はあります。投資にはリスクが伴うので、ある程度のリテラシーが必要です。生活資金はしっかり維持したうえで、余剰金で行うという点はまず意識しておきましょう。
これまでのNISA
NISA(ニーサ)とはNippon Individual Savings Accountの略で、イギリスで行われているISA(Individual Savings Account=個人貯蓄口座)をモデルにして考えられています。簡単に言えば、NISA口座にある金融商品から得られる利益に対する税金が非課税になる制度です。金融商品の利益にかかる税率は20.315%(所得税15.315%、地方税5%)です。これが非課税になるメリットはかなり大きいと言えます。たとえば20万円の譲渡益が発生した場合、NISA口座外での売買を行ったときにかかる税金は約4万円程度となります。NISA口座での売買であれば、この額が非課税となります。NISAは2014年から運用されている「一般NISA」と、2018年から運用が開始された「つみたてNISA」の大きく2種類があります(18歳未満を対象としたジュニアNISAもあります)。これまでは一般NISAが最長5年で年間120万円が上限、つみたてNISAは最長20年で年間40万円とされてきました。つまり、一般NISA(株式・投資信託・ETFが購入可能)は5年間で最大600万円までの非課税投資が可能、つみたてNISA(投資信託のみ購入可能)は20年間で最大800万円までの非課税投資が可能でした。
既存NISAとの違い
これに対して、新しいNISAでは制度が恒久化されます。つまり、新しいNISA口座で運用すれば非課税期間は無期限となります。さらに投資枠は年間120万円までの「つみたて投資枠」と、年間240万円までの「成長投資枠」となります。それぞれこれまでの「つみたてNISA」「一般NISA」に該当するものですが、これが併用可能となり、合計した年間上限額は360万円まで拡大されたことになります。加えて生涯投資上限額は1800万円まで拡大されることになります(うち、成長投資枠は1200万円まで)。従来のものに比べて規模がかなり大きくなったと言えるでしょう。投資の利益(譲渡益や配当金)に課される税率が20%超であることを考えれば、すでに資産運用している人は活用しない手はないでしょう。ただし、現在他の口座(特定口座や一般口座など)で保有している金融商品をNISA口座に移すことはできません。また。NISA口座はほかの口座と損益通算できないということは知っておきましょう。また、新しいNISAは現行のものとは外枠での扱いです。つまり、現行のNISA口座からそのまま新しいNISA口座にロールオーバーする(移管する)ことはできません。制度が実施されるのは2024年からが予定されています。
新しいNISAはもちろん新たに資産形成を目指すひとにとっても魅力的です。ただし、投資は預貯金とはことなり元本保証はありません。また資産が増える保証もありません。資産運用をこれから始めようと考えている人は自分のライフプランや家計の状況を鑑みて判断する必要はあります。投資にはリスクが伴うので、ある程度のリテラシーが必要です。生活資金はしっかり維持したうえで、余剰金で行うという点はまず意識しておきましょう。
<参考サイト>
新しいNISA|金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
「資産所得倍増プラン」により家計の資産形成は大きく前進する見通し|大和総研
https://www.dir.co.jp/report/research/law-research/tax/20221208_023466.html
新しいNISA|金融庁
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/about/nisa2024/index.html
「資産所得倍増プラン」により家計の資産形成は大きく前進する見通し|大和総研
https://www.dir.co.jp/report/research/law-research/tax/20221208_023466.html
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