社会人向け教養サービス 『テンミニッツ・アカデミー』 が、巷の様々な豆知識や真実を無料でお届けしているコラムコーナーです。
DATE/ 2015.10.09

これであなたも、にわかクラフトビール通!

 専門店も増え、大手参入でコンビニにも流通するようになったクラフトビール。お店でメニューを見ても何を飲んだらいいのかわからない、そもそも普通のビールと何が違うの?などの疑問に答えながら、これさえ知っておけばクラフトビールなんて怖くない、そんな入門編的な情報をご紹介する。

そもそもクラフトビールって何?

 日本でクラフトビールが広まったのは、1994年酒税法改正でビールの最低製造量が2000klから60klに大幅に規制緩和されたのがきっかけ。小規模な醸造所でもビール生産が可能になり、町起こし的に地方観光地などで地ビールがブームとなるが衰退。その後はクラフトビールという名称が一般的になった。

 しかし、実は日本のクラフトビールには、これだ!という定義はない。現在の状況から簡単に言うと「大手メーカーの冠がつかない、小規模な醸造所で、職人がこだわって作ったビール」。構えることはない、そんなところだ。


大手メーカーがクラフトビールに参入!?

 ところが今年、大手メーカーもクラフトビール参入に乗り出した。先ほど書いた「大手メーカーの冠がつかない」とは大いに矛盾するようだが、現在販売されているのは、メーカー名を出さずに少量生産されたビール、小規模なビール醸造所と組んだ限定生産ビールなど、曖昧ではあるが稀少性を大事にしてクラフトビールの体は守っている。

 大手がクラフトビールブームに遅れまいと乗っかった?という見方をする人もいるが、どうやら日本に浸透しかけてきたクラフトビール文化を定着させようという狙いもあるようだ。大手メーカーの流通によって、身近なコンビニやスーパーなどでより多くの人がクラフトビールを知ったり買えるようになったのだ。


知っておきたいクラフトビールのタイプ

 クラフトビールは種類もブランドも豊富、味の違いが顕著なので、自分好みの一杯を見つける楽しみがある。しかし生産地や醸造所、醸造方法など個々の違いが大きいため「メニューを見ても違いがわからない」「専門用語だらけで選ぶに選べない」といった声も。実はワイン選びと同等、あるいはそれ以上に難しいのがクラフトビールなのだ。

 そこで、専門店でよく見かけるクラフトビールの種類をわかりやすくご紹介する。製造法など難しい知識より、それぞれの個性を覚えておけば好みに近いビールに出会えるはずだ。

1.ピルスナー

普段飲んでいる大手メーカーのビールは、なんとほとんどがこのタイプ。初心者にも軽めで飲みやすく、グビグビっとのどごし重視の「とりあえずビール」派にオススメ。ただしクラフトビールを飲んでいる感は低め。

2.ヴァイツェン

小麦から作られていて、苦味の少ないまろやかな味わいで白濁気味。フルーツを使っていないのにフルーティな香りがするものも多く女性に人気だ。ただしその香りが料理を選ぶ場合もあるので、食事時には要注意。

3.ペールエール

普段のビールより、ビール独特のホップやモルトの香りが強め。いつもよりちょっと濃いビールが飲みたい、背伸びしたいならこれ。クラフトビールの基本といったところなので、クラフトビール入門にぴったりな一杯だ。

4.アンバーエール

アンバー=琥珀のこと。明るい茶色のビールで、たとえられるのは焦がしキャラメルのようなアロマ。香ばしさはあるが実はペールエールより苦味は抑えめなので、ペールエールで躓いた人はこちらを試してみる価値あり。

5.IPA(アイピーエー)

クラフトビール通を気取りたいならこれ。いま一番人気のあるIPAはペールエールをもっと濃く苦くパンチをきかせたビールで、香りも個性的なものが多い。万人受けはしないが癖になる、マニア好みの大人向け。

これまでクラフトビールになじみの無かった方も、多様性を楽しみながら、飲み比べてみてはいかがだろうか。

~最後までコラムを読んでくれた方へ~
より深い大人の教養が身に付く 『テンミニッツTV』 をオススメします。
明日すぐには使えないかもしれないけど、10年後も役に立つ“大人の教養”を 5,600本以上。 『テンミニッツ・アカデミー』 で人気の教養講義をご紹介します。
1

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」のか?鍵は認知の仕組み

何回説明しても伝わらない問題と認知科学(1)「スキーマ」問題と認知の仕組み

なぜ「何回説明しても伝わらない」という現象は起こるのか。対人コミュニケーションにおいて誰もが経験する理解や認識の行き違いだが、私たちは同じ言語を使っているのになぜすれ違うのか。この謎について、ベストセラー『「何...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/11/02
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
2

『孟子』に学ぶ、リーダーが過酷な境遇に追い込まれる意味

『孟子』に学ぶ、リーダーが過酷な境遇に追い込まれる意味

徳と仏教の人生論(5)陰陽と東洋思想を知ることの意味

宇宙や人生の本質について考察を深めていく今回の講義。前回に続く、宇宙がもう1つの宇宙のような存在をつくりたくて人間を創造したという話は非常に興味深い。陰陽(陰と陽)の両面を理解し、自然の摂理に根差した東洋思想を深...
収録日:2025/05/21
追加日:2025/11/07
3

「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方

「白人vsユダヤ人」という未解決問題とトランプ政権の行方

戦争と暗殺~米国内戦の予兆と構造転換(3)未解決のユダヤ問題

保守的な軍国化によって、内戦への機運が高まっているアメリカだが、MAGAと極左という対立図式は表面的なものにすぎない。その根本に横たわっているのは白人とユダヤ人という人種の対立であり、それはカーク暗殺事件によって露...
収録日:2025/09/24
追加日:2025/11/06
東秀敏
米国大統領制兼議会制研究所(CSPC)上級フェロー
4

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

なぜ算数が苦手な子どもが多いのか?学力喪失の真相に迫る

学力喪失の危機~言語習得と理解の本質(1)数が理解できない子どもたち

たかが「1」、されど「1」――今、数の意味が理解できない子どもがたくさんいるという。そもそも私たちは、「1」という概念を、いつ、どのように理解していったのか。あらためて考え出すと不思議な、言葉という抽象概念の習得プロ...
収録日:2025/05/12
追加日:2025/10/06
今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授
5

成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ

成長を促す「3つの経験」とは?経験学習の基本を学ぶ

経験学習を促すリーダーシップ(1)経験学習の基本

組織のまとめ役として、どのように接すれば部下やメンバーの成長をサポートできるか。多くの人が直面するその課題に対して、「経験学習」に着目したアプローチが有効だと松尾氏はいう。では経験学習とは何か。個人、そして集団...
収録日:2025/06/27
追加日:2025/09/10
松尾睦
青山学院大学 経営学部経営学科 教授