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DATE/ 2015.12.01

良いことだらけの「朝方生活」を始めるためには?

 朝方生活はいいといわれて久しいが、一般に朝方のメリットには、以下のようなものが挙げられる。

・早朝出勤するのでラッシュを避けられる
・人がいない(もしくは起きていない)時間に仕事をするので邪魔が入らない
・体調がよくなった
・仕事がはかどる
・いいアイディアが浮かぶ
・考え方がポジティブになった
・肌がきれいになった
・精神的な余裕ができた

 一度はチャレンジしたことがある人も多いようだが、「何度かやろうと思ったけどできなかった」「2~3日早起きしたけれど挫折した」という声も多い。それもそのはず、朝方生活は、一朝一夕でできるものではなく、またガマンして早起きをするというものでもない。「意志が弱い」と自己嫌悪に陥っていた人も、それはあなたのせいではない。以下のポイントを押さえて再チャレンジしてみてはいかがだろう。

計画的に夜の生活リズムを変えて朝に備える

 手っ取り早くいうと、朝方生活を始める前から計画的に準備をして、快適な睡眠と目覚めを得ることだ。そのためにやらなければいけないことの一つは、当然ではあるが帰宅時間を早めること。これが現代の忙しい仕事人にとってはなかなかハードルが高く、ここをクリアできるかが勝負になるかもしれない。

 しかし「卵が先か、鶏が先か」という話のようだが、朝方にすることで帰宅時間を早められるのもまた事実。朝方にメールチェックや企画書作りなどの事務処理を午前中に終わらせるリズムを作れれば、夜の作業も軽減でき、退社時間を早められるはず。

 深夜までメールをチェックしないと心配な人もいるかもしれない。だが早朝のメール処理が習慣づけば、取引先の担当者も「あの人は夜遅くではなく、朝早めにメールを送ってくる人」と認識してくれるため、通常のメールのやり取りには支障を来すことはないはず。

 また、早朝勤務を心掛けている取引先の人と「早朝メル友」として親しい関係になれるチャンスも。人は同じ行動を心掛けている他人にはシンパシーを抱きがちなものだ。午前中にデスクワークをある程度片付けられれば、午後は取引先とのミーティングに割く時間にも余裕が出てくる。いわゆる「攻めのミーティング」ができるのだ。朝方にはこんなメリットもある。

 さらには、疲れのたまった夜にメールをすることで生じがちな誤送信などのケアレスミスや、心ならずもトゲトゲしい文面になってしまった、というケースも回避できる。朝方にするメリットはこんなにも大きい。

 では、退社時間を早められたら自宅でどう過ごすかというと、睡眠前の時間を以下のように気分転換や、リラックスできるものに使うのだ。

・料理をつくる
・お風呂にゆっくりとつかる
・仕事とは関係のない本を読む
・ウォーキングをする
・筋トレやヨガなどのからだづくりをする
・好きな音楽を聴く
・映画やドラマを観る

 心と体を休ませながら、ここは「インプットの時間」と割り切って、英気を養うようにしよう。リラックスした状態からは、仕事にもプライベートにもいい影響を与える「ひらめき」が生まれるだろう。

 もしくは、すぐに帰宅せず、気脈を通じた友人やビジネスパートナーとゆっくり飲みにいくのもいい。喫緊の仕事に追いかけられる普段と違って余裕をもって話せる座だと、これまたいいアイディアも浮かぼうというもの。

◎ポイント

1:朝方にフレッシュな頭で「たまっているデスクワーク(過去)」を済ませる

2:昼には「攻めのミーティング」で「いま」抱えていることを前に進める

3:夜は心身をねぎらったり、趣味で鋭気を養ったり、知識をインプットしたり、人とあってアイディアを出し合ったりするなど、これらの行動で「未来」に備える

 夜を自分の時間にすることができればしめたもの。夜の生活リズムを変える準備から徐々に始めてみよう。

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今井むつみ
一般社団法人今井むつみ教育研究所代表理事 慶應義塾大学名誉教授